eMAXIS Slim 先進国株式が順調に600億円を突破

投資信託・ETF

青井ノボルです。

eMAXIS Slim シリーズといえば、看板ファンドは先進国株式。
これまでシリーズを先頭で引っ張ってきた、象徴的な存在です。

資金流入も好調をキープしており、先日サラッと600億円を突破。
500億円を達成して、すでに受益者還元の信託報酬が発動中です。

信託報酬が税抜で年率0.1%を下回る水準の超低コストファンド。
ライバルの猛追もありますが、勢いはまだまだ続きそうですね。

この記事では、eMAXIS Slim 先進国株式が順調に純資産総額600億円を突破したことについて書いていきます。

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超低コストを追求する姿勢が評価されている

2017/2/27に新規設定をされて、すでに2年半が経過しています。
順調に資金流入が続き、2019/10/15時点で600億円を突破です。

これだけの人気を集めた理由は、シリーズのコンセプトを堅持する点。
「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」です。

コンセプトを掲げるだけでなく、有言実行を貫いた信頼があります。
これまでに何度となく信託報酬の対抗引き下げを断行してきました。

根底にあるのは、コストは低ければ低いほどパフォーマンスが改善する。
長期の資産形成にコスト目線は大切、という個人投資家寄りの視点です。

個人投資家との対話も欠かさず、ブロガーミーティングを定期的に開催。
適度な距離感でコミュニケーションを取りながら、信頼関係を構築して。

結果として、Fund of Year 2018で第1位を獲得するに至りました。

これは投信ブロガーが良いと思えるファンドに投票するイベント。
個人投資家目線で、素直に良いと思えるファンドということです。

ファンド単体としての魅力はもちろん、シリーズとしての信頼が厚く。
そして、運用会社である三菱UFJ国際投信の姿勢も評価を集めました。

この流れは2019年も継続していて、順調に600億円を突破したのです。

600億円突破までの歴史を振り返る

600億円突破に至る、eMAXIS Slim 先進国株式の歴史を振り返ります。

2017/02/27 新規設定(信託報酬0.200%)
2017/10/02 信託報酬引き下げ(0.200%→0.190%)
2017/11/10 信託報酬引き下げ(0.190%→0.189%)
2017/12/29 純資産総額30億円突破、信託報酬の大幅引き下げを発表
2018/01/30 信託報酬引き下げ(0.189%→0.1095%)
2018/04/25 純資産総額100億円突破
2018/07/25 信託報酬引き下げ(0.1095%→0.1090%)
2018/08/28 純資産総額200億円突破
2019/01/18 純資産総額300億円突破
2019/03/04 eMAXIS 先進国株式の純資産総額超えを達成
2019/04/03 純資産総額400億円突破
2019/06/25 信託報酬引き下げ(0.1090%→0.0999%)
2019/07/08 純資産総額500億円突破、受益者還元型の信託報酬率スタート
2019/10/15 純資産総額600億円突破

先日の500億円突破から約3ヵ月間で、約100億円を上積みしました。
2019年に入ってから、資金流入のペースは高水準で安定しています。

つみたてNISAなど、積立投資を継続している個人投資家が投資する。
資産形成としての長期投資に使われているからなのだと想像します。

運用会社としても、資金流入が安定的に続くのは良い傾向でしょう。
急激な変化があるよりは、運用に係るコストも抑えられるハズです。

ファンドの規模が大きくなれば、規模の経済が働いでコスト減少へ。
より強固なコスト構造となり、途中償還リスクも低減するでしょう。

ライバルによる攻勢は激しい

先進国株式クラスは、インデックスファンドの中でも目立つ存在
超低コスト競争が最初に激化したのは、先進国株式だと思います。

2018年1月に実施した、eMAXIS Slim 先進国株式の異次元引き下げ。
次にニッセイ<購入・換金手数料なし>が引き下げたのが2018年8月。

2019年6月には、ニッセイが更なる引き下げにより年0.1%未満へ。
eMAXIS Slimもすぐに対抗引き下げを発表して、追随しました。

2019年9月には長い沈黙を破り、たわらノーロードも引き下げ。
3つのファンドが信託報酬年0.0999%(税抜)で並んだのです。

最近は特に競争が激化していますが、そのなかで存在感を示す。
そのためには、最低水準のコストではない部分でも魅力が必要。

どこで差別化するのか、これからは難しい時代となりそうです。

先進国株式クラスの資金流入状況

純資産総額を順調に伸ばしているものの、競争環境はなかなか厳しい。
eMAXIS Slim 先進国株式の未来、クリアには見通せないのが実態です。

前述の通り、現時点で強力なライバルとなっているファンドは2本。
ニッセイ外国株式とたわらノーロード先進国株式で信託報酬は同率

コストが低ければ、その分だけパフォーマンスは高まる可能性が高い。
それ以外にも、資金流入の動向やマザーファンドの規模も影響します。

eMAXIS Slim 先進国株式とライバルファンド、資金流入量をみます。
SBI証券の各ファンドページより、月次資金流出入額を確認しました。


(公開データより筆者独自作成)

最近信託報酬を引き下げた、たわらノーロードはやや苦しんでいます。
とはいえ、今まで信託報酬を引き下げずにこの数字ですから立派です。

ニッセイとeMAXIS Slimは、ほぼ同じような推移と言えるでしょう。
eMAXIS Slim 先進国株式のほうが、ブレが少なく安定しています。

安定的に推移しているということは、好意的に捉えて良いでしょう。
資金流入のベースとなる、積立投資が多いと安定成長が見込めます。

eMAXIS Slim 先進国株式のこれから

eMAXIS Slim 先進国株式は、600億円を突破して好調をキープ。
500億円を突破後は、純資産総額が増えればコストが下がります。

受益者還元型の信託報酬、流動的ですが着実に低コストに繋がる。
ファンドの成長とともに、高パフォーマンスに近付くということ。

個人投資家も運用会社も、良い循環が短いサイクルで回っていく。
これはなかなか面白い仕組みだと、改めて感じているところです。

不定期ながら、業界最低水準の運用コストを更新するかもしれない。
純資産総額が増えた分、業界最低水準の運用コストを更新し続ける。

どちらに魅力を感じるかは人それぞれですが、強力な仕組みですね。
eMAXIS Slim シリーズは、よく考えられたファンドだと思います。

ファンドの仕組み以外、ブロガーミーティングなどの姿勢も好評です。
eMAXIS Slim 先進国株式、これからの更なる躍進を期待しています。

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