青井ノボルです。
先日、三菱UFJ国際投信よりeMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)の新規設定が公表されました。
インデックスファンドを通じて全世界株式に投資したいと考えているワタシにとって、この投資信託は投資対象になり得るのかどうか、全世界株式(除く日本)に続いて、今回も考えてみます。
ファンドの概要
先日発表されたeMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)の概要を確認します。
当ファンドは、国内株式・先進国株式・新興国株式の資産クラスに1/3ずつ投資するインデックス型の投資信託です。
これ一本で全世界株式にざっくりと分散投資できるという点が特長と言えるでしょう。
各資産クラスのベンチマークは下記の通り。
- 国内株式=TOPIX(東証株価指数)
- 先進国株式=MSCIコクサイ インデックス
- 新興国株式=MSCIエマージング・マーケット・インデックス
為替ヘッジは無し。 ファミリーファンド形式です。
気になる信託報酬は、年0.142%(税抜)となっています。
先日発表されたeMAXIS Slim 全世界株式(日本除く)と同水準ですね。
自作する場合と比較
eMAXIS Slimシリーズには、すでに国内株式・先進国株式・新興国株式の各ファンドがあります。
マザーファンドは共通なので、これらの組み合わせと全世界株式(3地域均等型)のコストを比較してみましょう。
実質コストは不明なので、単純に信託報酬のみで計算します。
eMAXIS Slim国内・先進国・新興国の信託報酬を按分します。
(eMAXIS Slim 国内株式の信託報酬)0.159%×1/3=0.053%
(eMAXIS Slim 先進国 の信託報酬)0.1095%×1/3=0.0365%
(eMAXIS Slim 新興国 の信託報酬) 0.19%×1/3=0.06333%
この3つを合計すると、約0.1528%。
よって、eMAXIS Slimシリーズの国内株式・先進国株式・新興国株式を組み合わせて全世界株式(3資産均等型)を自作した場合、実質的な信託報酬負担は年約0.1528%(税抜)となります。
全世界株式(3地域均等型)の信託報酬は年0.142%(税抜)ですので、信託報酬の単純比較では、自作するよりも今回発表された全世界株式(3地域均等型)のほうが有利となります。
時価総額比率全世界株式の場合
さて、時価評価額比率で全世界株式へ投資する場合でも比較してみます。
時価評価額比率は、国内株式:先進国株式:新興国株式がおおよそ1:8:1です。
この比率で投資したい場合に、例の3つの各ファンドを組み合わせるパターンと、全世界株式(3地域均等型)+先進国株式を組み合わせるパターンで比較します。
①3つの各ファンドを組み合わせる場合
(eMAXIS Slim 国内株式の信託報酬)0.159%×1/10=0.0159%
(eMAXIS Slim 先進国 の信託報酬)0.1095%×8/10=0.0876%
(eMAXIS Slim 新興国 の信託報酬) 0.19%×1/10=0.019%
合計すると、実質信託報酬は約0.1225%となります。
②全世界株式(3地域均等型)+先進国株式の場合
(eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)の信託報酬)0.142%×3/10=0.0426%
(eMAXIS Slim 先進国 の信託報酬)0.1095%×7/10=0.07665%
合計すると、実質信託報酬は約0.1193%となります。
その差はわずが約0.0032ポイントですが、全世界株式(3地域均等型)+先進国株式のほうが低コストという結果になりました。
使い勝手を検討
コスト面では優秀と思わる全世界株式(3地域均等型)ですが、使い勝手はどうでしょうか。
時価総額比率の全世界株式に投資したい場合、買い付けファンド数を減らして管理の手間を省けるメリットが期待できます。
一方で、国内株式など特定の株式資産クラスには投資したくない場合は、残念ながら活用できません。
また、ざっくりとした時価総額比率ではなく、厳密に8:80:12などの比率で投資したい場合には、買い付けファンド数を減らす効果は期待できません。
ケースバイケースですが、全世界株式に投資したい人は検討の価値アリと言えるでしょう。
ワタシは様子見します
eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)について検討してきましたが、ワタシはこのファンドに投資すべきでしょうか。
ワタシは、時価総額比の全世界株式へのインデックス投資を実践していくつもりです。
<参考記事:30代サラリーマンがアセットアロケーションを考える>
そして現時点ではeMAXIS Slimシリーズの3本を組み合わせて投資することとしています。
<参考記事:全世界株式に投資するポートフォリオを考える>
全世界株式(3地域均等型)を買い付ければ、管理するファンド数を減らすことができそうです。
信託報酬の単純比較では、僅かな差とはいえ、全世界株式(3地域均等型)を絡めた組み合わせに軍配が上がっています。
メリットの方が大きいと思われるものの、現時点では結論を出さないという判断とします。
理由は、全世界株式(3地域均等型)の実質コストが高いのではと想像しているからです。
eMAXIS Slimシリーズの3つの各ファンドは、ひとつのマザーファンドに各ファンドがぶら下がっているだけで、運用形態としてはシンプルです。そのため、実質コストは極限まで減らせるのではと思います。
全世界株式(3地域均等型)は、3つのマザーファンドにぶら下がっていて、また3地域均等となるように常にリバランスする必要があります。
運用が煩雑になるとともに、リバランスに向けた売買に係るコスト分だけ割高になるではと睨んでいます。
実質コストは運用報告書が出てこないと比較できないので、現時点では保留がベターだと判断しました。
ワタシの投資判断は保留ですが、ざっくりの割合で全世界株式に投資したい場合、eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)はベストチョイスだと思います。
快進撃が止まらないeMAXIS Slimシリーズ、今後もその動向に注目が集まりそうですね。
■過去記事紹介■
つい先日、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)の信託報酬引き下げ実施発表もありました。
<参考記事:eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)の信託報酬率引き下げ実施。Slimシリーズはやっぱりスゴい!>
eMAXIS Slimシリーズの全世界株式(除く日本)についても過去に投資を検討しました。
<参考記事:eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)に投資すべきか考える>
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