青井ノボルです。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の設定から、1年超。
時間は掛かりましたが、純資産総額100億円という大台を突破しました。
個人投資家からの要望で、マザーファンドを新設して設定したファンド。
三菱UFJ国際投信としては、思い切って設定したのだと想像しています。
楽天VTと比べると勢いはまだまだですが、着実に残高を積み重ねてきて。
シリーズのブランドイメージも高まり、徐々に認知度が上がっています。
長期分散積立のインデックス投資の中で、全世界株式はベーシックな存在。
こういうファンドに資金流入が進むことは、とても良いことだと思います。
この記事では、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)が純資産総額100億円を突破したことについて書いていきます。
楽天VTを追ってスタート
3地域均等型や除く日本ということではなく、時価総額比率全世界株式。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、要望が強かった。
日本における従来のインデックス投資では、世界分散の考え方はあっても。
国内株式はTOPIX、先進国はMSCIコクサイ、新興国はMSCIエマージング。
MSCI社が提供している全世界株式を成立させるには、MSCIジャパンが不足。
そのため、3ファンドの組み合わせで全世界株式PFを作るのが一般的でした。
日本特有の事情で、時価総額比率の全世界株式を1本で持つことが難しい。
この状況を打破したのが、つみたてNISA開始前に設定された楽天VTです。
楽天VTは大きな注目を集めて新規設定され、FOY2017で初登場1位を獲得。
2018年以降に圧倒的な資金流入となったことは、周知の事実だと思います。
こうした人気ファンドも意識して、2018年10月末に新規設定したファンド。
三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)です。
当初、三菱UFJ国際投信は3地域均等と除く日本の全世界株式で凌ごうとして。
2本のファンドを新規設定しましたが、個人投資家の反応はやや微妙でした。
こうした中、MSCIジャパンのマザーファンドを新規設定するリスクを冒して。
全世界株式(オール・カントリー)新規設定へ大きな一歩を踏み出しました。
爆発的な人気には至らず
個人投資家の要望が強く、そしてマザーを新設して誕生した本ファンド。
楽天VTに追い付け追い越せの勢いとなるかと思いきや、現実は厳しくて。
SBI証券で月次資金流出入額推移を調べると、意外と苦戦しているのです。
(公開データより筆者独自作成)
縦軸の単位は百万円なので、2019年10月はともに約10億円の流入。
設定来、全世界株式(オール・カントリー)は楽天VTに連敗です。
正確には、2018年4月に楽天VTの流入が激減して上回りました。
この要因は不明ですが、翌月以降は大きく突き放されています。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は後発です。
Slimが設定される前の約1年間で楽天VTは勢いに乗っています。
全世界株式クラスは、楽天VTの独壇場だったと言えるでしょう。
一度積立投資の設定をした人達を、ひっくり返すのは困難です。
圧倒的に不利な状況で、これまで人気が急騰することは無かった。
ただ着実にファンを増やし、資金流入は地味に伸びているのです。
オール・カントリーの歴史を振り返る
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は順風満帆ではない。
それでも、信託報酬の対抗引き下げなど着実に成果を残してきています。
これまでの全世界株式(オール・カントリー)の歴史をおさらいします。
2018/10/31 新規設定(信託報酬年0.142%)
2019/07/24 純資産総額50億円突破
2019/08/09 信託報酬引き下げ(年0.142%→0.120%)
2019/11/12 信託報酬引き下げ(年0.120%→0.104%)
2019/12/05 純資産総額100億円突破
前述のグラフからも、資金流入のスピードは確実に加速しています。
信託報酬の対抗引き下げも頑張っていて、その点もプラス要素です。
超低コスト化が一気に進み、税抜0.1%に迫る信託報酬まで来ました。
更なる低コスト化は厳しいですが、高パフォーマンスを目指す方針。
純資産総額100億円突破を契機として、更に勢いづいて欲しいですね。
課題はiDeCoでの取り扱い開始
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の数少ない課題。
それは、iDeCo口座では投資ができないという悲しすぎる現実です。
証券会社に要望をして、三菱UFJ国際投信にも要望しています。
ただ悲しいことに、iDeCoで取り扱い開始は実現していません。
多くの個人投資家にとって、つみたてNISAとiDeCoはセットです。
資産形成に資するファンドだと思うので、ぜひ取り扱って欲しい。
iDeCoでの取り扱いが始まれば、ワタシも早く1本化したいです。
ストレスフリーな投資環境に近付くので、強く要望し続けます。
関連記事紹介
ワタシは全世界株式のなかでも、時価総額比率を選択したいです。
市場平均のありのままを受け入れたいというシンプルな理由です。

兄弟ファンドともいえる全世界株式(除く日本)は一足早く100億円へ。
もう少しで、オール・カントリーが追い抜くのではと予想しています。

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