eMAXIS Slim 先進国株式の第1期運用報告書を考察

投資信託・ETF

青井ノボルです。

2018/6/26、eMAXIS Slim 先進国株式の第1期(2017/2/27~2018/4/25)の運用報告書が公開されました。

詳細は、三菱UFJ国際投信によるeMAXIS Slim 先進国株式の公式HPをご確認ください。

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世界分散投資の主戦場である先進国株式クラスにおいて、運用コストが最低水準と言われるeMAXIS Slim 先進国株式。
その実質コストはどうなったのか、ベンチマークとの乖離状況はどうか、気になるところですよね。

この記事では、公表されたeMAXIS Slim 先進国株式の第1期運用報告書の中身を考察していきます。

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第1期目は365日ではない

まず、確認しておきたいのが第1期における期間の定義です。

期初がファンド設定日である2017/2/27、期末が2018/4/25となっています。
つまり、第1期は1年超の期間で決算をしているワケです。

これは、eMAXIS Slim シリーズで決算日を合わせる関係だと推測されます。
Slimシリーズの他ファンドでも、2018/4/25を決算の期末としているためです。

ところで、2017/2/27~2018/4/25をカウントすると何日間になるでしょうか。

こういう時に頼りになるのが、数多くの高度計算機能を有するKeisanです。

日数計算(日付−日付)
異なる日付間の日数、週数、年月数を計算します。生まれてから何日間経ったかが計算できます。

「初日を含む」にチェックを入れて計算したところ、423日間という結果となりました。

実質コストを年率に割り戻す

eMAXIS Slim 先進国株式の運用報告書から「1万口当たりの費用明細」を確認します。

ここで書かれている費用明細は、423日間で掛ったコストです。
通常、信託報酬などは年率計算なので、期間基準が異なります。

つまり、第1期の「1万口当たりの費用明細」は年率ではありません。
実質的な年率を算出するには、365日分に割り戻す必要がありそうです。

ただ、本当にそれで良いかと言われると自信がありません。

確信はありませんが、上記表を年率換算すると下記のとおりです。

信託報酬は、現時点の信託報酬(税込)を記載しています。
それ以外は、運用報告書の数値を年率換算しています。

実質コストは、年0.198%となりました。

うーん、コレで本当に良いのでしょうか。

年率換算の割り戻しは適切なのか

年率換算は少し乱暴な計算であるような気もします。

一般的に、規模が大きくなればスケールメリットによりコスト単価は低減します。
日常生活でも、何かを1個だけ買うよりも、箱買いしたほうが安くなりますよね。

eMAXIS Slim 先進国株式は、2018/1/30の信託報酬異次元引き下げが実施され。
あわせて、2018年からつみたてNISAがスタートし、資金流入が加速しました。

ただ、2017/5/12時点で3,300億円規模を誇るマザーファンドへの影響は軽微かもしれません。
それでも、少なからず影響があるのではと想像しています。

また、もしかしたら季節変動要因があるのかもしれません。
特定月にコストが集中する可能性もゼロではないはずです。

年率の実質コストを計算するのに、単純に365日間に割り戻すのが適切なのか。
不適切であるという決定打は無いのですが、モヤモヤします。

有価証券取引税のコストが大きい

数日前、以下の記事で実質コストを推定していました。

eMAXIS Slim 先進国株式の実質コストを推測
eMAXIS Slim 先進国株式は2018/4/25に初回決算を迎え、間もなく実質コストが判明します。この記事では、eMAXIS 先進国の実質コスト(2018/1/26決算)を参考に、eMAXIS Slim 先進国株式の実質コストを推測していきます。

この記事では、eMAXIS 先進国株式を参考として実質コストを推測しました。

結果、有価証券取引税は0.023%と推測していました。
一方で、運用報告書の数値を年率換算すると0.033%です。

0.01ポイントの差は、予想以上のギャップです。

ところで、eMAXIS Slim 先進国株式の第1期運用報告書は、2017/2/27-2018/4/25における423日間の決算です。
純粋な1年間と比較すると、2/27-4/25の期間が重複していることになります。

そこで、この時期に集中的に発生するコストがあるかもしれない、という仮説を立てました。

ただ、そもそも有価証券取引税は、外国における有価証券取引に係る税金のこと。
国によって制度の有無や税率など異なるものの、取引の都度発生するコストと思われます。

年度で締めた時点で顕在化するコストでなければ、前述の仮説は成立しません。

うーん、理由が全然分かりません。お手上げです。

ベンチマークとの乖離の主因は配当

運用報告書によると、ベンチマークとの乖離は2.7%程度とのこと。

これは、ベンチマークが配当無しであることが主因です。
実際の運用では当然ながら配当が発生し、再投資しています。

「なぜベンチマークが配当無しなのか」という疑問が浮かびますよね。
この点については、ブローガーミーティングで少し言及がありました。

オフレコ扱いだったのでブログには書けませんが、仕方無い理由かなと思います。
実際の運用は配当込みでやっているように見受けられるので、その点は安心して良いと思います。

超低コストであることは間違いない

決算期間が1年間ではないことから、残念ながら若干のモヤモヤは残ります。
運用報告書の内容を紐解くつもりでしたが、紐は絡まったままです。

ただ、実質コスト0.2%未満の超低コストファンドであることは間違いありません。
ライバルファンドは信託報酬(税込)だけで0.2%超となるのが大半ですから、圧勝ですね。

年0.198%の実質コスト、これは本当にありがたいコスト水準だと思います。
2018年は、インデックス投資を始めるには素晴らしすぎる環境ですね。

今という素晴らしい時代に投資ができること、改めて感謝しながら。
これからも、eMAXIS Slim シリーズを愚直に積み立てていきます。

 

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