青井ノボルです。
eMAXIS Slim 先進国株式は、2018/4/25に初回決算を迎えました。
通常、決算の約2ヵ月後には運用報告書が公開されます。
おそらく6月下旬には、公式HPで公開されるものと予想しています。

運用報告書が公開されれば、信託報酬を含めた実質コストが判明します。
この記事では、eMAXIS 先進国の実質コスト(2018/1/26決算)を参考に、eMAXIS Slim 先進国株式の実質コストを推測していきます。
eMAXIS Slim 先進国株式はSlimシリーズの代表格
eMAXIS Slim 先進国株式は、日本を除いた先進国株式インデックスを対象としたファンドです。
MSCIコクサイをベンチマークとして、連動した値動きを目指しています。
MSCIコクサイは日本を除いた先進国22ヵ国の市場を対象として、浮動株調整時価総額加重平均により算出される指数です。
「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」を掲げるeMAXIS Slim シリーズ。
その中において、eMAXIS Slim 先進国株式はシリーズを代表するファンドと言っても過言ではなりません。
最もインパクトが大きかったのは、2017年12月に驚異的な信託報酬引き下げを発表したこと。
この頃から、eMAXIS Slim sリーズの「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」というコンセプトが浸透。
他社に徹底対抗して信託報酬を引き下げる姿勢が評価され、人気が集まるようになったのです。
なお、現時点における信託報酬は年率0.1095%(税抜)です。
これはMSCIコクサイをベンチマークとしたファンドの中では圧倒的な低コストです。
参考として、アウターガイさんによる低コストインデックス投信一覧記事を確認します。

先進国株式(MSCIコクサイ)のなかでは、当ファンドの次点がニッセイ外国株式の年0.189%(税抜)です。
他の追随を許さない超低コスト、まさに独走状態と言っても過言では無いですね。
ちなみに、アウターガイさんのブログ「バリュートラスト|価値を生む・未来を託す・投資を歩く」は、アセットツールを公開されていたり、ファンド新規設定情報の速報など、個人投資家にとって役立つ情報が豊富です。
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ワタシもいつも楽しく読ませてもらっているブログです。ぜひ参考にしてみてください。
ファンドの基本構造はeMAXIS 先進国株式と同じ
eMAXIS Slim シリーズが設定される以前から、Slimではない方のeMAXISシリーズがあります。
eMAXIS Slim シリーズは販路をネット系に絞り込むことで、超低コストを実現しました。
一方のeMAXISシリーズは、地銀など実店舗を有する金融機関で広く扱われているのが特徴です。
前述の違いはあれど、eMAXIS 先進国株式とeMAXIS Slim 先進国株式の基本構造、だいたい同じです。
というのも、どちらの運用もファミリーファンド方式であり、マザーファンドが共通しています。
つまり、実質コストから信託報酬を除いた部分ではほぼ一緒のコスト構造のハズです。
更に、決算日も3ヵ月ズレているだけでほぼ同期間。大きな差は出ないと推測されます。
eMAXIS Slim 先進国株式の実質コストを推測してみる
実質コストについて、信託報酬以外はeMAXIS 先進国株式(2018/1/26決算)と同じであると仮定します。
信託報酬は、eMAXIS Slim 先進国株式の交付目論見書に記載されている数字を用います。
この場合、eMAXIS Slim 先進国株式の実質コストは、下記の通り推測されます。
eMAXIS Slim 先進国の実質コスト(推測値)は、年率0.179%(税抜)です。
他のファンドと比べると超低コストが際立つ
eMAXIS Slim 先進国株式の実質コストは、年率0.179%(税抜)であると推測しました。
これは控えめに言って突き抜けた数字となっています。
まず、先日書いたこの記事から考えてみましょう。

この記事では、eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)の実質コストを年率0.165%(税抜)と推測しました。
eMAXIS Slim 先進国株式の実質コスト(推測値)の年率0.179%(税抜)と0.014ポイント差です。
外国株式を扱う当ファンドは、国内株式クラスに比べて、保管費用(カストディフィー)が余分に掛かり、また売買委託手数料も割高になりがち。
このことは、さきほどの実質コスト内訳(推測値)をみても明らかです。
それでも、国内株式に0.014ポイントしか差をつけられてない。
これは、信託報酬を超低水準まで引き下げているからに他なりません。
また、ベンチマークである指数が一緒のファンドのうち、信託報酬が一番低いのが当ファンド。
そして2番目に低いのが、ニッセイ外国株式の信託報酬で年率0.189%(税抜)となっています。
改めて確認すると、eMAXIS Slim 先進国株式の実質コスト(推測値)は、年率0.179%(税抜)です。
信託報酬以外のコストを全て足し合わせても、ニッセイ外国株式の信託報酬だけよりも低水準となります。
eMAXIS Slim 先進国株式の超低コストは、他の追随を許さない、いわば悟りの境地なのです。
ファンドとして持続することが一番大事
eMAXIS Slim 先進国株式は、いまやeMAXIS Slim シリーズのトップランナーです。
純資産総額が100億円を突破したのも、記憶に新しいですよね。

100億円を突破してからそろそろ2ヵ月ですが、資金流入の勢いは衰えていません。
2018/02/20 純資産総額60億円突破
2018/03/30 純資産総額80億円突破
2018/04/25 純資産総額100億円突破
2018/05/18 純資産総額120億円突破
2018/06/13 純資産総額140億円突破
このままいくと、今年の9月頃には純資産総額200億円に手が届く勢いです。
ワタシもeMAXIS Slim 先進国株式に投資しているので、好調っぷりは素直に嬉しいです。
ただ、当ファンドが繰上償還せずに持続することが最重要であることを忘れてはいけません。
運用会社である三菱UFJ国際投信にとっても、採算が合わないファンドはお荷物です。
計算上問題のない信託報酬設定だと思いますが、不安が全く無いとは言い切れません。
ただおそらく、純資産総額が積み上がって信託報酬の絶対額が大きくなれば、持続可能性も高まります。
運用報告書で正式に発表される実質コストによっては、当ファンドの人気を大きく左右する可能性もあります。
eMAXIS Slim 先進国株式の実質コストが判明したら、改めてブログ記事でお伝えしたいと思います。
■関連記事紹介■
eMAXIS Slim 先進国株式は、先進国株式クラスで他を圧倒する超低コストファンド。
ちゃんと持続可能なコスト構造になっているのか、じっくり考えてみた記事です。

eMAXIS Slim シリーズは、業界最低水準のコストをめざし続けるがコンセプトです。
個人投資家にとってインデックスファンドのコストがどれほど重要なのか、考えました。

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