SBIアセットマネジメントのブロガー交流会に参加

投資イベント

青井ノボルです。

SBI・バンガード・S&P500などを運用するSBIアセットマネジメント。
初開催のブロガー交流会に、Twitterから申し込んで参加してきました。

雪だるまシリーズも有名ですが、やはりバンガードとの共同ブランド。
ファンド新規設定の発表は衝撃的でしたし、多くの注目を集めました。

今回のブロガー交流会は、SBI・バンガード・S&P500がメインテーマ。
バンガードの方も参加されていて、色々な話が聞けるイベントでした。

SBIAMはどんな運用会社か、よく知らなかったのが正直なところ。
ブロガー交流会を通じて、雰囲気を感じ取れたことも収穫でした。

この記事では、SBIアセットマネジメントのブロガー交流会の概要と感想を書いていきます。

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初開催のブロガー交流会開催概要

SBIAMとしては、初めての開催となったブロガー交流会。
今回はSBI・バンガード・S&P500がメインテーマでした。

SBIAMのTwitterアカウントで告知されていた本イベント。
20名弱の参加者が集まり、2020/1/24に開催されました。

【開催概要】
日時:2020/1/24(金) 19:00~20:30
場所:泉ガーデンタワーSBIホールディングス22階会議室
(東京都港区六本木1-6-1)
費用:無料

【プログラム】
• 米国投資環境とSBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドのご案内
• バンガード社紹介並びにバンガード社の投資哲学について
• 質疑応答並びに意見交換会

プログラムにも書いてある通り、バンガードからの説明もありました。
共同ブランドでファンドを設定したこともあり、ガッチリ連携ですね。

事前に集められた質問も含めて、質疑応答がメインでした。
説明時間との配分バランスはちょうど良かったと感じます。

梅本社長の率直な話が面白かった

ブロガー交流会は、SBIAMの梅本社長による挨拶からスタート。
そのままの流れで、SBI・バンガード・S&P500の説明でした。

こういうイベントに社長が出席して、しかもメインスピーカー。
比較的小規模な運用会社だからこそですが、これは好印象です。

言葉を飾りすぎることなく、率直に話をされていたと感じます。
大胆だなと思う発言もありましたが、これぐらいが嬉しいです。

資料が投影のみだったので、イメージしにくいかもしれませんが。
ワタシがPCで打ち込んだメモから、大まかに内容を紹介します。

梅本社長挨拶

金融業を35年くらいやってきて、運用の世界は21年くらい。
キャリアのなかで、ほとんどは商品開発をやっていた。

変額保険の商品開発にも携わったことがある。
(※ここで若干ニヤけてしまったのは内緒)

SBIバンガードS&P500について話をさせていただくが、
今日の話はあくまで長期投資の話。

アメリカをどう見るかが中心になると思う。

世界の株式市場は長期的にみれば拡大していくということ。
ボラティリティはあるが、長期では株式市場は成長するだろう。

積立投資をすれば増えていくことになるという前提の話となる。

SBI・バンガード・S&P500について

米国は米中貿易問題などの懸念は残るものの、2%台のGDP成長で推移する見込み。

10年以上前から言っているが、日本全体に投資をしてもなかなか増えないかもしれない。
日本の株式市場が良くなる前提としての、経済発展は他の地域よりも小幅だと思われる。

アメリカは先進国の中でも、3%前後という相対的に高い経済成長率が期待できる。

世界株式の株式時価総額比率において、米国株式は約44%を占めている。
全世界株式はアメリカの動きにかかっている、といっても過言ではない。

投資の世界の中心はアメリカなのでは、というのが最初のメッセージ。

このアメリカをどう見るかだが、EPS(1株当たり利益)は2009年から
右肩上がりで推移しており、数年後でも上がり続けると予測している。

S&P500は米国株式の約8割を占める。TOPIXと比較しても、
高い成長を続けており、過去最高値を更新し続けている。

バンガードとの合同ファンドでS&P500の指数を選んだのはこれが答え

設定時に業界最安の信託報酬とした。長期的な資産形成に資するファンドに
したいと考え、コストが低いほど受益者の利益となるという観点で決めた。

設定来3ヵ月で100億円超えを達成した。ライバルファンドの約半分の期間で達成。

VOOはSPYやIVVには純資産残高で劣るものの、約13.8兆円の残高がある。

補足

文字にすると行間が伝わらない部分があるかもしれません。
メモ書きだけだと誤解が生じそうなので、ちょっと補足を。

大前提として、今回集まったメンバーは長期投資家が大多数でした。
そのため、長期投資の説明は思い切って省略されたのだと思います。

長期投資を前提として、何故米国株式のインデックスなのか。
そして、S&P500に連動する米国籍ETFのVOOに投資するのか。

限られた時間で重点的に説明をしたかったのだと推測します。

バンガードの話は何度聞いても素晴らしい

バンガードからは、ETF戦略部長の渡邊氏からプレゼン。
バンガードの概要と投資哲学について語ってくれました。

その内容は、ブロガー交流会で語られた内容とほぼ一緒。
バンガードの投資哲学は、何度聞いても素晴らしいです。

一応、メモからちょっとだけ内容を紹介します。

バンガードの概要と投資哲学

ニューヨークから3時間くらい、片田舎的な場所に本社がある。

バンガードの使命「全ての投資家の皆様と公平に向き合い、
投資目標達成のための最良の機会をご提供します。」

ボーグルがバンガードの創設者。理念の最たるものが「投資家を最優先せよ」。

バンガードが運用している米国ファンドが、バンガード自身を保有している。
外部株主のために存在する会社ではない。投資家のために仕事をしている。

利益を還元する方法として、経費率の引き下げを行っている。
何故低コストができるのかは、バンガードの構造が根底にある。

全ファンドにおいて、低コストを徹底している。
バンガードは違うゲームをしている。

マーケット動向に振り回されず、規律を守ることが大事。
ボーグルの最後の著書は「航路を守れ」。

本音が漏れ聞こえた質疑応答

さて、ここからは質疑応答となりました。
ここに時間を割いたのはグッドでしたね。

参加の申し込みをする際に、質問を書いていました。
それらに回答するとともに、それ以外の意見交換も。

Q.コストに関しての考え方は
(SBIAM回答)
SRI(社会的責任投資)が日本に入ってきたとき、1号ファンドを設計した経験あり。
インデックスファンドのコストの考え方、投資家としてはコストが低い方が良い。

できる限り低いコストで設定したい、運用したいというのが基本的な考え方。

ライバルファンドの信託報酬引き下げに追随するかどうか。設定時にできる限りの水準で設定した。
ファンド規模が大きくなったら引き下げにまわし、可能な限り追従する用意があると言っても良い。

他のファンドでは運用報酬を高くいただいているものもあるので、
インデックスファンドは皆様のお役に立てるコスト水準で考えたい。

Q.運用に関しては
(SBIAM回答)
ETF運用のファンドはTE(トラッキングエラー)が大きくなりがちだと思われるが、
適正な現金比率にしてTE極小化していく。基本的には終値ベースでVOOを取引する。

10月末時点の月次レポート、対ベンチマーク▲0.07%は設定当初の売買による影響が大きい。

ファンドの運用コスト(実質コスト)は9月に報告する予定。

ファンドの売買委託手数料については、日々資金流入があるが、
一番低い手数料の証券会社と取引することで低減に努めている。

有価証券取引税、資金流入が続いているので当面は発生しない見込み。
もし大きな解約があった場合は発生するだろう。

保管費用は、米国の信託銀行に支払いする費用がある。
ファンドのサイズからすると軽微なコストと思われる。

監査費用も限定的で非常に小さな数字になると考えている。
他社並みか非常に低い水準となる見込みで、安心して欲しい。

売買するのは1銘柄しかないので、コスト的にも低くなるのでは。
保管費用は他社でもかかる。当社だけ高くなることは無いだろう。

監査費用も他社より比較的低いだろう。SBIはケチだから(笑)

こうして喋っているのは、自信があるから。

投資家が実質コストをすごく気にしているというのは、当然意識している。
設定当初から資金流入が続いているが、一番安いブローカーと取引してコストを抑えている。

Q.今後設定を考えているファンドやバンガードと更に組む可能性は
(SBIAM回答)
バンガードと話し合いはしている(笑)
逆に参加者からご意見を聞いてみたい。

→ぜひVTを。楽天VTの1本だけではなく、競争が生まれるように複数あったほうが嬉しい。
→バランスファンドがあれば良いのでは。セゾンのように株式債券半々や、8資産均等型。

Q.楽天以外からVTIなど出ることはあるか
(バンガード回答)
明確な方針は無い。

Q.バンガードの米国投信に直接投資するのはどうか?
(バンガード回答)
バンガードはアクティブ投信も運用している。アメリカでは結構有名。

(SBIAM回答)
可能性としては排除していない。

Q.EXE-i、雪だるま、SBIバンガードなど整理していく方向か。
(SBIAM回答)
カニバリ(※)もあるので、整理していくことはあり得る。
※市場で自社ブランド同士が競合してシェアを食い合うこと

Q.雪だるまシリーズの売りは?
(SBIAM回答)
雪だるまシリーズは、つみたてNISA向けに出したファンド。
できるだけ低い信託報酬が良いということで設定している。

当社オリジナルの元祖低コストファンド。
業界最低水準のコストを目指したい。

SBIグループにはモーニングスターがあり、グローバルデータベースを活用している。
コスト最安で、流動性が高く、TEの少ない組み合わせを助言してもらい、ファンドを提供。

シンプル低コスト、資産形成に資するファンドとしてスタートした。ここが一番の売り。

雪だるまはスノーボールの意味で、バフェットの言葉からきている。
デザインを外注したところ、最初はリアル雪だるまが書かれていた⛄

原則は年1回、ETFの見直しを行っている。

Q.SBI・バンガード・S&P500が100億円を突破した要因は
(SBIAM回答)
投資家の目線で競争力のある信託報酬だったこと。
投資対象として中心となりうるS&P500だったこと。

Q.バンガードと組んだ理由は
(SBIAM回答)
約7年前、EXE-iをつくった時から関係は始まっている。

バンガードとは目線が一緒
投資家に対して責任をもって、合同ブランドでやっている。

(バンガード回答)
バンガードでブランドを共にするのには、高いハードルがある。
長期投資のためのソリューション提供をやってくれるところなど。

米国籍ETFだけでは痒いところに手が届かないので設定した。
たとえるなら、ETFはマニュアル車、投資信託はオートマ車。

どちらが良いということはなく、好きなほうを使えば良いと思う。

Q.雪だるま新興国株式の実質コスト低い、乖離が小さい、リターンが良い理由は
(SBIAM回答)
取引手数料を低減するように、発注の掛け方など地道な努力をしている。

指数はFTSEエマージングでMSCIとは韓国を含めるかどうかの違いあり。
リターン差はその部分もある。乖離が小さくなるよう努力はしている。

商品の乖離状況などは毎月把握するようにして、要因分析して、
パフォーマンス向上に努めている。他社ファンドも見ている。

Q.企業型DCではGDP比率の全世界株式が人気だがどうか
(SBIAM回答)
そういう考え方もあると思う。

(バンガード回答)
新興国が好調な時に、流行った考え方ではある。
最近は米国株式が人気なので逆かもしれない。

米国企業は全世界に進出しており、米国をアンダーウェイトするのがどうかという議論もある。

(SBIAM回答)
売りたいと考えて作った商品は、なかなか売れない。
ニーズを作れる商品を作るのは、そう簡単ではない。

Q.ファンド運用は現物とETFのどちらが良いか
(バンガード回答)
ETFは市場価格と基準価格が異なるから乖離がという議論がある。
ビットとアスクがある。買うなら板の上を取らないといけない。

ETFの流動性が高い場合、ビッドアスクの差が縮まる。
理論的には現物バスケットの間を行き来することに。

買う時なら、現物バスケットより安く買える。

ある時点で切るとETFはブレるように見えるが、ひとつひとつの
売買単位で見ると、安く買って高く売れている可能性がある。

つまり、日次の基準価額が多少ブレるのは仕方ないこと。
この一点だけで乖離がどうこう騒いでも意味が無さそう。下記の記事を読んだほうが、理解できるかもしれません。
ウィズダムツリー時代に渡邊さんが書かれてた記事です。【そうだったのか!ETF徹底解剖】第8回 ETFの市場価格はどのように決まるのか?

Q.米国株式を買うタイミングはもう少し落ち着いてからが良いか
(バンガード回答)
長期で考えて今以上になるという前提に立てば、タイミングを読まないでバイ&ホールドすることが良いのではないか。

(SBIAM回答)
長期で見たら世界経済は拡大するだろうという考えの中で、時間分散していくのが王道だろう。

景気サイクルのなかで、好況よりも不況の期間の方が圧倒的に短い。
サイクルのなかでうまく買えれば、大きく儲かるだろう。

SBIAMのブロガー交流会で感じたこと

今回強く感じたのは、雪だるまシリーズが勿体無いなということ。
最適な組み合わせを考えて設定しているというのは、初耳でした。

投信を現物運用ではなくETF運用としている、メリットデメリット。
またETF運用の中でも、どういった点が差別化要因となり得るのか。

平易な言葉にかみ砕いて説明して、個人投資家の理解が得られれば。
印象が変わると思うし、超低コストなので化ける可能性もありそう。

現物運用の方が、ETF運用のファンドよりも本当に優れているのか。
ここは未だに分からなくて、モヤモヤしている部分でもあります。

SBIアセットマネジメントは、ETF運用で確固たる考え方がありそう。
だからこそ、そのあたりを更に深堀りしても面白いなと感じました。

今回はSBI・バンガード・S&P500がメインであり、仕方ないとして。
梅本社長は率直に話してくれる印象なので、密かに期待しています。

他の参加者による記事

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社長本人が登場し、熱く語ったのが印象に残ったのはワタシも同じ感想です。

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