青井ノボルです。
これまで幾多の信託報酬引き下げを断行してきた、ニッセイ外国株式。
FOY2019表彰式の壇上で発表した信託報酬引き下げを正式にリリース。
2020/2/21から、ニッセイ外国株式の信託報酬は年0.093%(税抜)に。
これまで業界最低水準だった、年0.0965%(税抜)を下回る水準です。
ニッセイAMは純資産残高に応じて信託報酬引き下げを続けていく意向。
販売会社を数多く抱えている中で、年1回の引き下げは大変なことです。
この記事では、ニッセイ外国株式が6回目の信託報酬引き下げを行うことについて書いていきます。
能動的に信託報酬を引き下げること6回
ニッセイ外国株式は、かつて大きな人気を博したファンドです。
いまでもニッセイを愛する個人投資家は多いと言われています。
インデックスファンド黎明期には、単一資産のファンドが一般的。
そのなかで先進国株式は、世界分散の要として重要な資産クラス。
多くのファンドがしのぎを削るなか、2013/12/10に設定されて。
今回を含めて計6回信託報酬を引き下げたニッセイ外国株式です。
純資産総額が大きくなるにつれて、業界最低水準のコストを目指す。
能動的にコストを引き下げており、年1回の頻度で頑張っています。
今回はFOY2019表彰式の壇上で、信託報酬の引き下げを電撃発表。
信託報酬を年0.093%(税抜)まで引き下げて、最安を更新します。
その直向きな姿勢がファンを魅了しているのか、支持者は多いです。
やはり、低コスト化を牽引してきた存在なのは間違いないでしょう。
ほぼ毎年、信託報酬の引き下げを続けてきたのは素晴らしいですね。
追い詰められたニッセイ外国株式
純資産総額も1,600億円を突破して、順風満帆なニッセイ外国株式。
と思いきや、足元で思わぬ苦戦を強いられているのが実態なのです。
月次の資金流入出について、先進国株式ファンドで比較してみます。
人気の高いeMAXIS Slim・ニッセイ・たわらノーロードの3本です。
(公開データより筆者作成)
積立投資をしている人が多いと想定すると、資金流入は安定する。
大きな流出が無い限り、月毎の変動はあまりないと考えられます。
たわらノーロード先進国株式は、10億円前後で安定しています。
eMAXIS Slim 先進国株式は、おおよそ20~40億円で推移です。
ニッセイ外国株式を見ると、他と比べ大きく乱高下しています。
また直近4ヵ月間では、eMAXIS Slimの半分くらいにまで激減。
何が起きているのかは分かりませんが、良くない傾向でしょう。
ニッセイAMとしても、追い詰められていたのではと想像します。
ニッセイの支持層は厚い
ニッセイアセットマネジメントは、ニッセイ外国株式が代表格。
これまで長らく、信託報酬の引き下げで業界をリードしました。
2013年設定で、信託報酬の引き下げは今回で6回目となります。
長い歴史の中で、培われた信頼と実績は流石としか言えません。
FOY2019表彰式では、上原常務がニッセイの特徴を熱く語って。
その言葉に感銘を受けた個人投資家が多かったかもしれません。
ニッセイAMはコメント見るだけで熱量を感じますね。アツい🔥
「誰一人取り残さない」
「我々が信託報酬引き下げの原点」
「投資家の方を向いてやるしかない」
思い入れと危機感、両方伝わってきます。
こういう熱意ある方がやっているファンドは応援したい!と思ってしまいます。 https://t.co/lrwLCx1hOA— ショウ@社会人1年目の投資生活 (@show_investment) January 22, 2020
Twitterではチームニッセイとも呼ばれる、ニッセイ支持者は多数。
運用会社の姿勢がこれだけ人の心を動かすとは、凄いことですね。
ニッセイ外国株式は今後どうなるか
先進国株式は、今後も重要な資産クラスであり続けるでしょう。
インデックス投資の要であり、花形なポジションでもあります。
先進国株式では、eMAXIS Slimとニッセイとたわらノーロード。
この3ファンドによる三つ巴状態は今後も継続すると思われます。
頭一つ抜け出すファンドはどこなのか、将来を見通すのは難しい。
これまでの動向から推測すると、eMAXIS Slimかニッセイです。
どちらのファンドが優れているかは、評価が難しいと思います。
超低コスト化がここまで進むと、大きな差は生まれにくいです。
ここまでくると、運用会社の理念や姿勢が差別化ポイントになる。
パフォーマンスの高さ(≒コストの低さ)は前提条件になりそう。
個人投資家を取り巻く環境が、ここまで整備されてきたということ。
運用会社の努力とともに、諸先輩方の発信が投資環境を変えました。
新たな時代となり、ニッセイ外国株式には厳しい環境かもしれません。
その中で、ファンドの利益を受益者に還元し続けるという選択をした。
これに対して個人投資家がどう評価するのか、見守りたいと思います。
関連記事紹介
信託報酬が年0.1%未満の競争に突入するとは、想定外でした。
資金流入でNo.1の座をキープすることは大変なことなのです。

ファンドの構造や仕組みを考察すると、この結論になりました。
少なくとも私は、この選択がストレスフリーだと感じています。

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