金融庁主催のつみたてNISAフェスティバル2018に参加

投資イベント

青井ノボルです。

2018/4/21に開催された金融庁のイベント、つみたてNISAフェスティバル2018に参加してきました。

金融庁が主催している投資イベントですが、堅苦しいということは無く和やかな雰囲気で進行。
個人投資家にとって興味深い話、面白い話、時には笑いありで、あっという間の3時間でした。

今回は「つみフェス2018」の参加レポートと感じたことについて書きたいと思います。

 

イベント概要

今回参加したつみたてNISAフェスティバス2018の概要です。

開催日時:2018年4月21日(土)14:00~16:50
会場:赤坂インターシティーコンファレンス 4F the Air
定員:250名(先着順・事前申込制)
参加費:無料
主催:金融庁

プログラム

14:00~14:10 金融庁挨拶(村井英樹大臣政務官)
14:10~14:30 岡本和久氏 基調講話
14:40~15:00 つみたてNISA 誕生秘話(対象商品)
15:10~15:30 はじめての投資! おススメの一冊 ベスト10
15:40~16:00 つみたてNISA 公式キャラクター発表
16:10~16:50 有識者によるパネルディスカッション

会場の様子

会場の赤坂インターシティは、溜池山王駅にほど近い2017年竣工の超高層複合ビル。
溜池山王駅の出口を出て、目の前に見えた真新しい立派な建物が会場のビルでした。

ビル4階に辿り着いたのち、受付で事前申し込みのメール画面を見せて、いざ会場内へ。

会場は横長の会場で、前半分が机付きの席、後半分が椅子のみ席、全部で250席です。
ワタシは15分前くらいに到着したのですが、ギリギリで机付き席を確保できました。

会場内を見渡すと、20~30歳代の若者世代や女性も、それなりに見受けられる感じ。

イベント用の公式ハッシュタグ「#つみフェス2018」「#おしえてつみフェス」が用意されていて、
特に「#つみフェス2018」は、前方のスクリーンに度々映されるのが面白かったです。

Twitterでこのハッシュタグを検索すると、当日の様子を疑似体験できると思います。

 

金融庁挨拶は簡潔で良い感じ

つみフェス2018は、金融庁を代表して村井金融担当政務官の挨拶でスタート。

村井氏は30歳代の若手政治家で、ハツラツとした喋り方が印象的でした。
話していた内容をざっくり要約すると、こんな感じ。

  • 役所のイベントはお堅いことが多いが、つみフェスはかなり攻めたイベント。ざっくばらんなお祭り。
  • 第1回目の前回は200名、第2回は250名に拡大したが、4日で定員に達した。
  • 楽しいイベントにしたい。参加型で進めていきたい。
  • 日本は米国・英国と比べて、家計金融資産に占める株式(保険等の間接保有を含む)・投信の保有割合が低い。
  • 過去20年間の家計金融資産の推移をみると、米国・英国に比べて日本の伸び率が低い。これは運用リターンの違いが大きく影響している。

何というか、金融庁によるつみたてNISA制度普及への意気込みを感じる内容です。
貯蓄から投資へのシフトを本気で進めようとしている、というのを肌で感じました

話の後半で触れていたデータは、傾向としては何となく知っていましたが、数値化するとハッキリしますね。
過去20年間の家庭金融資産推移を比べると、米国3.32倍、英国2.46倍、日本1.54倍とのこと。
このうち運用リターンだけを抜き出すと、米国2.45倍、英国1.77倍、日本1.20倍というデータです。

株式市場成長の恩恵を受けるかどうかの違いが、これだけの差になるというのは残酷な事実です。

なお、村井政務官は挨拶後、数十分経ってから退席されていました。お忙しいんですね。
できれば最後のパネルディスカッションまで聞いていて欲しかったなと思いました。

 

金言連発の岡本和久氏基調講話

岡本和久氏の基調講話は、人生100年をどう生きるか、お金とどう付き合うかという内容でした。

人生の目的は「お金持ち」ではなく「しあわせ持ち」になること。
時間軸と空間軸の2軸で考えて、何事においても時空意識を拡大していくこと。
3つのライフステージにおける、お金との上手な付き合い方。

この記事では語りつくせないくらい、心に突き刺さる内容ばかりでした。
詳しい講話内容については後日、別記事で詳しく触れていきたいと思います。

ひとつだけ、講話のなかで最も印象に残った内容を紹介します。


老後までにいくら用意すべき、いくらないと不幸になる、と考えても無駄であるということ。
手元にあるお金で、現実と向き合って、幸福感を最大化しながら過ごすことが大切なのだと。

ワタシは以前、資産形成の目標が明確になっていないことをブログに書いたことがありました。
そのときに何となく考えていたことが一気に整理された気がして、ワタシにとっては金言でした。

 

裏話が面白かったつみたてNISA対象商品誕生秘話

続いてのプログラムは、つみたてNISA対象商品の誕生秘話についての対談です。

登壇者は、FPのカン・チュンド氏、ファンド情報の岡田氏、油布参事官の3人でした。

つみたてNISAは、金融庁が設定した基準を満たしたファンドのみが対象商品となっています。
この点について、どういった議論のもと決まったのか、いわば裏話を語っていく内容でした。

対談で話された内容を、手元のメモを参考にしながらざっくり要約してみます。

  • 諸外国を見ても、国が対象商品を絞り込むという事例は少ない。市場原理に任せることが多い。
  • 日本の投信業界を見渡すと、長期投資に合うファンドは少なかった。
  • 短期で利ざやを抜くような、投機的なイメージのファンドが多かった。
  • 投資初心者が安心して買って、長期保有できる商品が少なかった。
  • これまでは投資商品の売り方もまずかった。投資のすそ野が広がらなかった一因。
  • 金融庁は金融機関に対して、投信商品を売買するときにこう説明しなさい、パンフレットにこう記載しなさい、と指導していた。これについては反省点もある。販売現場では、顧客にちゃんと説明したという証拠書類を残すことばかりに意識が向いてしまっている。
  • いわば公定価格ともいえる、信託報酬の数値基準設定にはいろんな意見があった。本来、自由で良いのではという疑問もあった。
  • つみたてNISAは国の非課税制度であり、どんなファンドでも売ってよいという訳にはいかない。あくまで投資初心者向けである以上、絞り込みはやむを得ない
  • リターンはコントロールできないが、コストだけはコントロールできるので、厳しい基準で良いのではと考えた。
  • 金融機関にも運用益が無税の投資商品を売れるというメリットがある。
  • 信託報酬の基準を下げ過ぎると、運用会社が付いてこれないのではという心配もあった。
  • アクティブファンドも認めるべき。イノベーションの源泉でもある。
  • アクティブファンドも、質の高い長期投資に向いた商品が出てくることを祈念している。
  • マーケットの活力維持には、機関投資家によるアクティブ運用も大事。一般市民はインデックスで良い。
  • 実質コストを金額ベースで開示するという点はすぐに一致した。一人ひとりに通知する。

対象商品を絞り込むというのは、あまり事例のない取り組みだったようです。
金融庁としてはかなり思い切った決断をして、高いハードルを課したことになります。

逆に言うと、それほどまでに日本の投信業界にはまともな商品が少なかったということ。
インデックス投資家としては、つみたてNISAの投資商品絞り込みが行われた結果として信託報酬の低コスト化に繋がっているので、ありがたい限りです。

3人からは最後に、これからつみたてNISAをはじめようとしている人に贈る一言もありました。

  • やってみたいなと思った人は、すぐにはじめたほうが良い。
  • 全世界の株式を対象に買う、つまり自分から遠いところに投資をしましょう。そして、とにかく続けること。
  • 少しの努力を長く続けることが大事。いずれ大きなことを成し遂げられる
  • お金を貯めてから投資する、という考え方はやめたほうが良い。
  • ボーナスなどまとまったお金が入ると、投機的な投資で大きなリスクを取って大きなリターンを狙いがち。これはだいたい失敗する。
  • 投資をしながら貯めることが大事。機械的に積み立てしましょう。

貯めてから投資ではなく、投資をしながら貯めるという発想は面白いですね。
収入のうちの一定額を積立投資に回してしまえば、簡単に実現できそうです。

 

はじめての投資におススメの一冊、1位は予想通りの・・・

次のプログラムは、はじめて投資をする人におススメの投資本ランキング発表です。
事前に個人投資家向けが投票した結果をもとに、ベスト10が発表されました。

登壇者は、有名投資ブロガーのお三方です。

虫とり小僧さんいつか子供に伝えたいお金の話
吊ら男さん吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)
たぱぞうさんたぱぞうの米国株投資

登壇者のお三方が、それぞれコメントを添えながらベスト10を発表していきます。

みなさん投資歴が長く、あらゆる投資本を読みこんでいる投資マニアの猛者たちです。
限られた時間のなか、ポイントを絞り込んだコメントが参考になりました。

さて、注目のランキングは下記の通りです。

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(引用元:つみフェス2018配布資料より一部抜粋)

ぶっちぎりの得票数で1位を獲得したのは、インデックス投資ブログの第一人者である水瀬ケンイチさんの著書「お金は寝かせて増やしなさい」でした。

実はワタシも投票していたのですが、ワタシがインデックス投資をはじめるキッカケとなった本であり、投資初心者におススメしたいと心から思える本です。
このブログをはじめる前に読み終わっている本なのですが、個人的な思い入れが強すぎて、いまだに感想をブログ記事にできていません。
中途半端な記事は書けないので、ちゃんと時間が確保できるときに、改めて別記事にて紹介したいと思います。

ちなみに、吊ら男さんからのコメントは「経験に基づく内容で、共感から入れるので読みやすい。一人の個人投資家の生きざまを記した一冊」という内容でした。
他の本に対するコメントも含めて、吊ら男さんの知的な感じが溢れ出ていてカッコよかったです。

ちなみに、2位を獲得した「敗者のゲーム」も読んだことのある本のひとつ。
インデックス投資の原理原則を学んで、腹落ちさせるのに最適な本だと思います。

こちらは感想を記事にしていますので、よかったらチラッと見てください。
<関連記事:「敗者のゲーム 原著第6版」(チャールズ・エリス著)

おそらくたぱぞうさんだったと思うのですが「読みやすい一冊。投資で「勝ちたい」ではなく「負けない」にフォーカスした点に価値がある」というコメントでした。
たぱぞうさんは、明らかに知識レベルが高いのにも関わらず、分かりやすい言葉で丁寧にコメントされていたのが印象的でした。

あと、このプログラムで進行を務めていた虫取り小僧さんのトークがプロ級で驚きました。
随所に笑いを織り交ぜつつ、ご自身でも端的にコメントしつつ、タイムスケジュール通りに進行。
個人投資家とは思えない軽快なトークのお陰で、聞いていてとても楽しいプログラムでした!

 

つみたてNISA公式キャラクターが決定

続いてのプログラムは、つみたてNISAの公式キャラクターを決定・発表というもの。

応募総数343通のなかから、最終候補に残ったのは3体のゆるキャラです。

応募者データをみると、男性36%に対して女性64%とのことでした。
ゆるキャラのデザイン公募は、女性からの提案のほうが多いものなんですかね。

さて、最終候補から公式キャラクターを絞り込む一般投票は、総得票数が4,515票
つみたてNISA公式キャラクターは、一般投票で最多得票数2,875票を集め、審査員の評価も高かったつみたてワニーサに決定です!

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審査員の大山氏は「ワニーサは完成度が高く、プロの仕業だと一目でわかった。キャラのかわいさで、つみたてNISAを知らない人にも親しんでもらいたい」とコメントしていました。

なお、この作品は3人による合作とのこと。ステージ上では表彰状の授与も行われました。

また賞金が出るようで、その金額は10万円。これを3人で割ると33,333円
なんと、つみたてNISAの年間上限40万円を12ヵ月で割ったときと同じ金額

受賞された3人は、賞金についてはつみたてNISAに活用するしかないですね(笑)

 

打合せ無し!?ガチンコ勝負のパネルディスカッション

最後のプログラムは、有識者によるパネルディスカッションです。

登壇者は、イボットソンの島田氏、楽天証券の山崎氏、日経の田村氏、八幡政策管理官の4名でした。

このパネルディスカッションですが、事前打ち合わせ無しのバトルロワイヤルとのこと。
「#おしえてつみフェス」のハッシュタグで寄せられた質問も多く取り上げていたので、本当にガチンコ勝負だったと思われます。

色々な質問に対して、登壇者が語ってくれたこのパネルディスカッション、聞いていてとても面白かったです。
山崎元さんは期待通りのぶった斬りトークが炸裂していて、八幡政策管理官を質問攻めにする場面も見応えがありました。

全てのトーク内容を紹介するのは難しいので、印象に残った話をいくつかご紹介します。

(質問)新入社員のOLです。投資を始めようと思っていますが、合コンやショッピングでお金がありません。どうしたらいいでしょうか。

→給与から天引きしないと使ってしまう。残ったお金で合コンに行きましょう。(田村氏)

→貯まってから投資するとういう発想を変えなければいけない。貯めるために、コツコツ積み立てて投資する。(八幡氏)

→所得に対して使いすぎるのは、他の人よりも良い生活を求めるから。競争心を捨てて、他人と比べないことが大事。各自のスケールで暮らせばよい。(山崎氏)

→iDeCoはすぐに引き出せないので、強制的な積立には向いている。また、制度変更により毎月同額でなくても良いので、ボーナス時にまとめてという選択も可能。(田村氏)

手元にあるだけ使ってしまうという金銭感覚は、早めに直したほうが良いですよね。
そのための具体的方法として、こういうやり方があるのかと勉強になりました。

ワタシは社会人2年目から数年間、月3万円の積立投資をしていましたが効果絶大でした。
投資初心者に対して、積立投資はおススメできる方法のひとつだと思います。

(質問)ほんとうに長期投資ってお金が増えるのでしょうか。また、長期ってどれくらいの期間のことなのでしょうか。

→つみたてNISAの非課税期間は20年だが、もっと長いほうが良い。投資は早めにはじめるのが良い。(八幡氏)

→投資は経済にお金を参加させることであり、期間は長いほうが良い。運用サイクルを決めるファクターは取引コスト。個人投資家が市場が良い時・悪い時の判断はできない。原則は短期的な判断の繰り返しであるが、その都度ホールドのほうが良いという判断を繰り返すことで、結果として長期投資となる。なお、長期投資に向かないファンドは、短期投資でも大体ダメ。そう考えると、無駄な投資商品を買わなくて済む。(山崎氏)

期待リターンとリスク(リターンの振れ幅)がある程度大きい場合、期待リターンは長期になればなるほど平均への回帰が期待できます。
期待リターンがプラスであるという大前提のもと、期間を長くとった長期投資が有利なのは明白です。

この質問については、山崎元さんの回答が面白いなと思いました。
短期的な判断を繰り返して、でも持ち続ける判断を続けることで結果的に長期投資になるのですね。

(質問)ロボアドは有効なのでしょうか。

→ちゃんとしたロジックがあり、1%くらいのコストで済むのであれば良いのでは。ただここに来ているような人は、まずはつみたてNISAで良いのでは。(田村氏)

→対面販売のラップは酷い。ロボアドが投資家自身のことを適切に判断できるかは分からない。自分がどういうリスクを負うのかは、自分で判断すべき。判断のポイントは親切に教えてあげればよい。自分で運用できたほうが、ロボアドに任せるよりも安心という感覚を持つことが正しい。手数料が低いからと言って任せるのが良いとは思えない。自分で考えられない人が、人に任せるのはもっと良くない。(山崎氏)

→長期投資だと運用コストによるマイナスの影響が大きい。信託報酬が下がるとリターンが大きくなる効果は見逃せない。(田村氏)

ロボアドについては、山埼元さんが全力で否定されているのが印象的でした。

たしかに、手数料が低いうんぬん以前の問題で、人任せは良くないというのは正論だと思います。
2018年2月に一時的な株価下落があったとき、それに過剰反応してロボアド解約が相次いだニュースは記憶に新しいです。

面倒と考える人もいるかもしれませんが、自分で判断できるのがベストだと思います。

最後に

ざっくりとした内容でしたが、つみたてNISAフェスティバル2018の参加レポートを書いてみました。

冒頭にも書きましたが、楽しい雰囲気のなか学びの多いイベントで、あっという間の3時間でした。
「貯蓄から投資へ」を推し進める金融庁の姿勢を感じることもでき、有意義なイベントだったと思います。

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こんな豪華なメンバーによる個人投資家向けのイベントが開催されるなんて、素晴らしい時代になりました。

ブログやSNSを通じた勉強も大事ですが、熱い想いを現場で感じられるリアルイベントは良いですね。

今後も定期的に投資イベントへ参加しながら、インデックス投資を続けていきたいと思います!

■関連記事紹介■
積立投資のチカラを実感したのはこのときでした。全4話あるうちの第3話です。
<関連記事:リーマンショック前に一括投資して失敗した話(第3話/積立投資で復活)

初めて参加した投資イベントは、三菱UFJ国際投信のブロガーミーティングでした。
<関連記事:オフレコ話満載の三菱UFJ国際投信ブロガーミーティングに参加

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