青井ノボルです。
金融庁より、NISA口座の利用状況調査(平成30年6月末時点)の結果が公表されました。
この資料から、一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISAの口座数・買付額が分かります。
ワタシも活用しているつみたてNISAは、2018年1月にスタートしたばかり。
半年経過時点でのデータですが、口座開設は着実に進んでいるようです。
この記事では、20代を中心につみたてNISA口座が着実に増えていることについて書いていきます。
NISA口座数の全体像
NISA口座には、大きく分けて3種類あります。
2014年に開始した一般NISA。
2016年からのジュニアNISA。
2018年からのつみたてNISA。
このうち、ジュニアNISAは19歳以下の未成年が対象。
一般・つみたてNISAは20歳以上が対象となっています。
というわけで、はじめに口座数を確認してみましょう。
(引用元:NISA口座の利用状況調査(平成30年6月末時点)|金融庁)
一般NISA口座が断トツの口座数であることが、一目瞭然です。
割合を計算してみると、NISA全体の大部分である約94%を占めています。
理由は大きく分けて2つあると考えます。
ひとつは、最も歴史のあるNISA制度である点です。
2014年から始まっており、他の制度よりも口座が多いのは当然です。
それでも件数に大きな乖離があるのは、別の理由が大きいのでしょう。
ふたつ目は、最も間口が広い制度であるという点です。
一般NISAとつみたてNISAを比較すると、対象商品に違いがあります。
一般NISAは国内株式や海外株式、投資信託など選択肢が非常に多いです。
つみたてNISAは、金融庁の指定条件を満たした投資信託・ETFのみが対象。
2018/9/28時点で、わずか161本のファンドしか対象となっていません。
選択肢が多い方が良いのか、少ない方が良いのかは議論が分かれるところ。
投資初心者の場合、厳選されていた方が失敗しにくいかもしれません。
また、一般NISAとジュニアNISAを比較すると対象者が違います。
19歳未満の未成年者のみが対象となるのが、ジュニアNISAの大きな特徴。
未成年者に代わって口座運用する人を定めるなど、制度がやや複雑です。
そのためか、ジュニアNISAは一般NISA口座よりも少ない口座数となっています。
NISA買付額は一般NISAが圧勝か
次に、各NISA口座の買付額を見ていきましょう。
(引用元:NISA口座の利用状況調査(平成30年6月末時点)|金融庁)
買付額についても、制度開始後からの累計値となっています。
そのため、通常NISA口座の金額が大きくなるもは当然です。
そこで、2018年分利用枠の買付額を確認してみましょう。
(引用元:NISA口座の利用状況調査(平成30年6月末時点)をもとに筆者作成)
こうしてみても、一般NISAの買付額が圧倒的なのが分かります。
ただ、買付額の単純比較だけでは本来の姿は見えてきません。
各NISA制度の活用率はほぼ一緒
買付額の単純比較では物足りないので、データを少し加工してみます。
(引用元:NISA口座の利用状況調査(平成30年6月末時点)をもとに筆者作成)
2018年1~6月の買付額を、口座数で除算した数字を(A)とします。
(A)は、開設されている1口座あたりの買付額を示した数字です。
これにより、各NISA制度がどれだけ活用されているかが分かります。
ちなみに休眠口座が多ければ、(A)は小さな数字となります。
(A)を比較しても、一般NISA>ジュニアNISA>つみたてNISAの順番は変わりません。
一般NISAは口座数が多く、またよく活用されていることが分かります。
ところで、各NISA制度には年間の非課税枠(限度額)に差があります。
通常NISAは、年間120万円。
つみたてNISAは、年間40万円。
ジュニアNISAは、年間80万円。
さきほどの(A)を、各NISA制度の年限度額で除算します。
その結果から、限度額に対する活用率が見えてきます。
活用率を比較すると、実はほぼ差がありません。
強いて言えば、一般NISAが少しだけ抜け出している印象。
ジュニアNISAとつみたてNISAは、ほぼ同じ活用率です。
ところで、つみたてNISAは毎月積立or毎日積立が多数派です。
一括投資する裏技もありますが、おそらく少数派でしょう。
そう考えると、つみたてNISAは活用率が伸びる可能性を秘めている。
第3四半期、そして2018年を通じての調査結果に期待したいですね。
つみたてNISAは若者世代が多い
通常NISA口座とつみたてNISA口座は、どちらも少額投資非課税制度。
ただし、制度の中身をみると年間非課税枠・期間が大きく異なります。
どちらが良い悪いではなく、向き不向きがあると考えています。
一般NISAはロールオーバー込みでも非課税期間は10年間。
年間非課税枠は120万円で、5年分の枠を使えます。
つみたてNISAは、非課税期間が長く20年間に及びます。
年間非課税枠は40万円で、20年分の枠を使えます。
各制度の特徴を把握し、合っている方を選択すれば良いのです。
前置きが長くなりましたが、口座数の年代別構成比を見てみます。
(引用元:NISA口座の利用状況調査(平成30年6月末時点)をもとに筆者作成)
一般NISAは、50歳代以上が過半数を占めています。
一方でつみたてNISAは、40歳代以下が過半数です。
つみたてNISAの活用により、若者世代に長期分散積立投資をする。
貯蓄から投資へと言われて久しいですが、とても良い傾向です。
注目すべきは口座数の年代別増加率
さらに注目したいのが、つみたてNISA口座数の年代別増加率です。
(引用元:NISA口座の利用状況調査(平成30年6月末時点)|金融庁)
つみたてNISAの口座数はまだまだ少なく、増加率は全体で+35.7%。
年代別で最も増加率が高いのは、20歳代の+43.2%なのです。
全体の増加率と比較すると、7.5ポイントも高くなっています。
20歳代の若者に投資が広まっているのは、素直に嬉しいですね。
若い頃から投資に触れることで、徐々にマネーリテラシーが養われるでしょう。
個人のマネーリテラシーが高まれば、金融業界の悪しき習慣も変わるはずです。
金融庁のNISA口座の利用状況調査から、明るい未来の兆しが見えたこと。
本当に喜ばしいことですし、更なる広がりに期待したいと思います。
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