青井ノボルです。
東証株価指数のTOPIXは、東証1部上場企業による時価総額比率の指数。
日経平均株価指数と双璧をなす、国内株式の代表的なインデックスです。
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)は、TOPIX連動のインデックスファンド。
時価総額比率の指数であり、世界分散の一部で投資している人も多いです。
2018/10/18、eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)が純資産総額50億円を超えました。
新規設定から1年半以上の月日を超えて、ついに節目となる50億円突破です。
この記事では、eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)の軌跡とライバルファンド比較について書いていきます。
地道に積み上げてきた純資産総額
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)は、シリーズの中でも地味な存在です。
窓口販売では、国内株式のインデックスファンドに人気が集まります。
一方でemAXIS Slim シリーズはネット限定であり、人気はやや控えめ。
恐らく単独で積立し続けるというよりは、世界分散投資の一部で使う。
メインとはいかないまでも、重要なトッピングとして使われている。
投資対象ではあるものの、主役には躍り出てこない印象があります。
地味なeMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)ですが、50億円突破です。
(引用元:eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)公式HP|三菱UFJ国際投信)
eMAXIS Slim シリーズの立ち上げ当初から設定されている本ファンド。
2017/2/27の設定から、しばらくは苦戦が続いていたことが分かります。
純資産が伸びない苦しい時代を乗り越え、2018年から右肩上がりです。
つみたてNISAがスタートした2018年から、ギアチェンジしたのでしょう。
資金流入のペースが上がり、純資産も加速度的に積み上がっています。
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)の概要
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)は、TOPIX連動のインデックスファンド。
「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」ファンドです。
事実、信託報酬が最低水準の年率0.159%(税抜)となっています。
2017/2/27に設定されてから、すでに1年半以上が経過しています。
ファンドの仕組みはマザーファンド形式で、マザーファンドは他ファンドと共用。
2018/3/26時点で、TOPIXマザーファンドの純資産総額は約2,760億円に上ります。
これだけの規模があれば、運用コストも極めて低い水準に抑えられます。
信託報酬以外のコストも加算した実質コストは、年0.178%と推測しています。
信託報酬以外のコストを年0.006%と推測していますが、とても低いです。
日本国内であれば、株式相場の売買コストが非常に安く済むのでしょう。
TOPIXと日経平均の違い
eMAXIS Slim シリーズのなかには、国内株式は2種類あります。
国内株式(TOPIX)と国内株式(日経平均)で、違いは指数です。
日経平均株価指数は、日本経済新聞社が選定した225銘柄で構成されています。
対象銘柄の単純平均に、「序数」「見なし額面」という調整をするらしいです。
一方で、TOPIXは東証1部上場企業の全銘柄を対象としている指数です。
持ち合い株などを除外する浮動株調整時価総額で算出されています。
構成銘柄数と、指数の算出方法に差があるということです。
どちらが優れているかというより、使い分けだと思います。
有名なMSCIやFTSEは、浮動株調整時価総額で算出されています。
そのため、インデックス投資ではTOPIXが比較的人気のようです。
日経平均は、銘柄入れ替えの恣意性が強いという指摘もあります。
ただニュースでよく耳にするのは日経平均であり、不思議な世界です。
ライバルといえば<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIX
eMAXIS Slim シリーズのライバルと言えば、<購入・換金手数料なし>ニッセイシリーズ。
TOPIXでガチンコ勝負なファンド、<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXもあります。
信託報酬は、eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)と同じ年0.159%(税抜)。
2015/4/27設定で、純資産総額は203.38億円(2018/10/19時点)です。
(引用元:<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIX公式HP)
設定当初から順調に純資産総額を積み上げながら、推移しています。
流石、低コストファンドとして業界を牽引してきただけありますね。
eMAXIS Slimが50億に到達した同期間で、ニッセイは約140億円増。
大きく水をあけられてしまっている実態が浮き彫りとなりました。
三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスも強い
超低コストなTOPIXインデックスファンドといえば、こちらも外せません。
三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスも強力なライバルです。
信託報酬は、ほぼ最低水準と言える年0.160%(税抜)。
2011/12/9設定で、純資産総額は184.88億円(2018/10/19時点)です。
(引用元:三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックス公式HP)
2017年頃から、純資産総額の伸びが一気に加速していることが分かります。
当初は確定拠出年金専用ファンドでしたが、今では普通に投資ができます。
eMAXIS Slimが50億に到達した同期間で、三井住友は約145億円増。
三井住友もニッセイと同様に、強力すぎるライバルファンドです。
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)が優れている点
ライバルと規模を比較すると見劣りするeMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)。
それでも、eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)は優れていると考えます。
信託報酬は最低水準ですし、今後も最低水準を維持する可能性が高いと考えます。
「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」と宣言しています。
マザーファンドの規模も、相対的に大きいことが確認できています。

規模の経済により、効率的な運用が可能であるハズです。
実際に、実質コストは超コストであると推定されます。

販売会社をネット系に絞り、信託報酬引き下げを前提としている点も強みです。
他社の信託報酬引き下げに柔軟かつ迅速に対応できるよう、工夫しています。
そのほか、受託会社(信託銀行)が三菱グループである点もプラス要素に。
信託報酬を引き下げる際の交渉が、相対的に容易であると想定されます。
そのため、TOPIX連動のインデックスファンドの中から選ぶとしたら。
ワタシは、eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)を実際に選んでいます。
今後の行方はいかに
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)は、更に純資産総額を伸ばすことでしょう。
日本を除く先進国、新興国、日本、という3地域に分けて世界分散投資をする。
各地域の構成比を自分自身で調整しながら、広く分散した資産配分としたい。
こうしたニーズがある限り、必要となる資産クラスなのは間違いありません。
TOPIXは構成銘柄数が多いですが、マザーファンドの規模があれば問題無し。
トラッキングエラーの懸念も限定的であり、コストも抑えられています。
強いて言えば、先進国株式と比較して相対的にコスト高なのが課題です。
今後に期待しつつ、eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)を見守っていきます。
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TOPIXを「腐った幕の内弁当」と揶揄していた、ひふみ投信の藤野氏。
ひふみ投信も同じ道を歩むリスクが高いのは、何とも皮肉な話です。

MACI ACWIに連動した投資成果を目指すeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)。
国内株式の部分はTOPIXではなく、構成銘柄数の少ないMSCI ジャパン連動となっています。

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