eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)の第1期運用報告書を考察

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青井ノボルです。

2018/6/26、eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)の第1期(2017/2/27~2018/4/25)の運用報告書が公開されました。

詳細は、三菱UFJ国際投信によるeMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)の公式HPをご確認ください。

eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | eMAXIS
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国内株式の主要指数であるTOPIXにおいて、運用コストが最低水準であるeMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)。
<購入・換金手数料なし>シリーズのほか、他シリーズとも激戦を繰り広げているという側面もあります。

参考になるのが、相互リンク先であるアウター・ガイさんの記事です。
低コストインデックスファンド一覧(2018/6/11時点)を確認してみます。

低コストインデックスファンドの一覧(2018年6月11日時点)
2018年6月11日時点において、課税口座やNISA口座で投資可能か、またはその予定の低コストインデックスファンドについて、信託報酬率の低い順に10件程度を一覧にしました。この一覧には、確定拠出年金(iDeCo)やラップ口座専用などで一般販売されていない商品を除き、今後販売予定の商品を含みます。

信託報酬年0.159%で最低水準なのが、eMAXIS Slim<購入・換金手数料なし>です。
その次に、0.160%で三井住友・DCつみたてNISAが続いていて、ここまでがトップ3。

0.170%には、Smart-i、iFree、たわら、i-SMTが同率で並んでいます。

各社の低コストファンドシリーズが、0.011ポイント差で団子状態です。
コストの差別化要因に乏しいのか、他の資産クラスには無い特徴となっています。

最低水準の信託報酬をキープしていますが、肝心の実質コストはどうなのか。
ベンチマークとの乖離状況はどうなのか、気になるところです。

この記事では、公表されたeMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)の第1期運用報告書の中身を考察していきます。

第1期目は423日間の変則決算

まず、確認しておきたいのが第1期における期間の定義です。

期初がファンド設定日である2017/2/27、期末が2018/4/25となっています。
つまり、第1期は1年超の期間で決算をしています。

これは、eMAXIS Slim シリーズで決算日を合わせる関係だと推測されます。
Slimシリーズの他ファンドでも、2018/4/25を決算の期末としているためです。

ところで、2017/2/27~2018/4/25をカウントすると何日間になるでしょうか。

例によって、安心と信頼のウェブサイト・Keisanを活用させてもらいます。

日数計算(日付−日付)
異なる日付間の日数、週数、年月数を計算します。生まれてから何日間経ったかが計算できます。

「初日を含む」にチェックを入れて計算したところ、423日間という結果となりました。
これは、先日記事にしたeMAXIS Slim 先進国株式の第1期運用報告書と同一期間です。

実質コストを年率に割り戻す

eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)の運用報告書から「1万口当たりの費用明細」を確認します。

ここで書かれている費用明細は、423日間で掛ったコストです。
第1期目の「1万口当たりの費用明細」は年率では無いのが注意点。

実質的な年率を算出するには、365日分に割り戻す必要があります。
上記表を年率換算すると、結果は下記の通りです。

信託報酬は、2018/7/23時点の信託報酬(税込)を記載しています。
それ以外は、運用報告書の数値を年率換算しています。

実質コストは、年0.178%となりました。

emAXIS Slim 先進国株式の実質コスト(年0.198%)と大体一緒です。

信託報酬以外のコストはごく僅か

1ヵ月以上前に、以下の記事で実質コストを推定していました。

eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)の実質コストを推測
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)は2018/4/25に初回決算を迎えました。通常、決算の約2ヵ月後には運用報告書が公開され、実質コストが判明します。この記事では、eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)の実質コストを推測していきます。

この記事では、eMAXIS TOPIXを参考として実質コストを推測しました。

結論から言うと、この時に推測した実質コストは正解だったようです。

信託報酬を除いたコスト、全く一緒の数値となりました。

信託報酬以外には、わずか年率0.006%のコストしかありません。
もともと僅かな数字なので、誤差が出ないというのも頷けます。

乖離要因をよく読むと面白かった

運用報告書によると、ベンチマークとの乖離は3.3%程度とのこと。

これは、ベンチマークが配当無しであることが主因です。
配当による乖離が3.4%なので、ほぼこの影響ですね。

配当無しの理由は、三菱UFJ国際投信のブロガーミーティングで説明がありました。
オフレコ扱いでしたが、やむを得ない理由なので気にしないのが得策だと思います。

実際は配当込みで運用して無分配なので、複利効果もバッチリです。

ところで、気になったのはマザーファンドの部分に書いてあったこの文言。

信託財産の収益向上を目的に、 保有株式の貸し付けを行っています。 貸付契約額は、 期末時点で概ね純資産総額の5割程度となり、 信託財産に若干の収益寄与となりました。
(引用元:eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)第1期交付運用報告書

貸株料の収益は、実質コストに反映されないであろうプラス乖離要因のひとつ。
純資産総額(基準価額)には織り込まれるようですが、詳細金額等は不明です。

ただ書かれている文面通り、若干の収益寄与に留まるのでしょう。
それでも、純資産総額の半分を貸付しているのは知りませんでした。

貸株による収益寄与およびリスク、現時点では恥ずかしながら理解できていません。
勉強してみたいこと、勉強すればするほど増えていくから不思議ですね。

国内株式(TOPIX)は先進国株式より相対的に信託報酬が割高

eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)は、実質コスト0.2%未満の超低コストファンドです。

全世界株式の時価総額比率では8%前後に過ぎない国内株式ですが、我が国の市場です。
日本の株式市場が全世界の約1割を占めているという事実、なかなか凄いと思います。

TOPIXは広く国内株式をカバーしている指数なので、今後もお世話になりそうな資産クラス。
前述の通り、各社の低コストファンドが信託報酬で比較すると団子状態となっています。

eMAXIS Slim シリーズで比較すると、先進国株式の信託報酬と比べて相対的に割高です。

ホームアセットバイアスで言われている、「情報収集コストは外国より国内のほうが低い」。
これが本当なら、国内株式(TOPIX)のほうが信託報酬を引き下げる余地がありそうです。

運用会社間で様子見が続いていると仮定すると、今後引き下げられるかもしれません。
例えばインデックスプロバイダーへの報酬が割高なら、限界間近である可能性もあります。

先進国株式よりも信託報酬が相対的に割高な要因、真相は闇の中です。

運用会社の方を交えたつみップが今週開催され、ここに参加予定です。
とても気になるので、この機会に疑問を解決したいと考えています。

 

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