たわらノーロードシリーズが純資産総額1,000億円を達成

投資信託・ETF

青井ノボルです。

最近は話題も少なくなってしまった、たわらノーロードシリーズ。
シリーズの代表格である先進国株式も、パッとしない今日この頃。

超低コストなOne DC シリーズの一方、放置されるたわらシリーズ。
とても残念な状況なのですが、資金流入はまだ続いているようです。

2019/4/5、シリーズ合計の純資産総額が1,000億円を突破しました。
eMAXIS Slim シリーズから遅れること約2ヵ月、ついに大台突入です。

この記事では、たわらノーロードシリーズのこれまでの軌跡と今後について考察します。

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個性的な名称のファンドシリーズ

たわらノーロードシリーズがスタートしたのは、2015/12/7。
1号ファンドは「たわらノーロード日経225」だったそうです。

ところで、このファンドシリーズの名称は特徴的だと思います。
ワタシも初見のときに、「何故たわら?」と疑問に感じました。


(引用元:たわらノーロード公式HP|アセットマネジメントOne)

米俵をモチーフにしたロゴも、地味ながらインパクトがあります。
ファンドシリーズ名称とロゴに込められた想いを紐解いてみます。

ヒントは、公式HPのたわら物語というコンテンツにありました。

たわら誕生秘話

これから未来を担う若者世代には、希望を持ってもらいたい。
経済的な不安解消のため、長期積立投資に資するファンドを。

そんな熱い想いから、低コストファンドの構想を練り始めて。
他社と差別化すべく、ブランド開発に乗り出したという流れ。

2014年にNISAが開始して、業界も盛り上がっていたのでしょう。
他社が既に低コストファンドを設定していて、差別化が必要に。

まず社会公募でネーミングを募集するも、イマイチな案ばかり。
プロジェクトチームを組成し、コンセプトから練り直していき。

親しみのある、分かりやすい、コツコツと蓄えるというイメージ。
そのなかで「たわら」が発案され、最終的に採用されたとのこと。

“たわら”というのは、お米だけでなく、小麦や小豆などの穀物を包み保存する容器の役割があり、豊か、蓄えるというようなイメージがあります。現に神田明神の大黒様は二つのたわらの上に立っています。
(中略)
次にプロジェクトチームで考えたのがロゴマークです。ネットユーザーに認知してもらうためには印象的なビジュアルが必要だと考えたのです。さまざまなデザインの中から、3つのたわらを積んだ様子を摸した家紋のようなロゴマークと、金運を象徴する黄色をメインカラーにしました。
(引用元:たわら物語|アセットマネジメントOne)

意外といろいろな要素が含まれた名称なのだと、初めて知りました。
商売の神様である神田明神の大黒様、たわらに乗っているんですね。

こうして、たらわノーロードインデックスシリーズが誕生したのです。

超低コスト競争には参戦せず

低コストファンドとして設定された、たわらノーロードシリーズ。
当時は最低水準のコストで、人気を博していた時期もありました。

残念ながら過去形となっているのは、現在は割高感が強いため。
2018年前後からの超低コスト競争からは、一線を引いています。

例えば先進国株式クラスでは、たわらが信託報酬年率0.2%(税抜)。
eMAXIS Slim 先進国株式だと、信託報酬年率0.109%(税抜)です。

超低コストファンドと比較すると、約2倍の差となっています。
これでは、低コストを武器としてライバルと争うのは困難です。

超低コスト競争に不参加のため、純資産総額は伸び悩み状態に。
その代わり、信託報酬のアガリはしっかりと確保できています。

シリーズ合計の純資産総額が1,000億円を突破

eMAXIS Slim シリーズをはじめとした超低コストファンドに押され。
純資産総額の伸びは鈍化しましたが、積立を継続している人もいます。

2019/4/5、シリーズ合計の純資産総額が1,000億円を突破しました。
苦しい展開の中で、よくここまで辿り着いたなと感心します。

2019/4/5時点で、全34ファンドの純資産額は下記の通りです。

ファンド名 純資産(億円)
たわらノーロード 日経225 126
たわらノーロード TOPIX 10.69
たわらノーロードplus 国内株式高配当最小分散戦略 1.53
たわらノーロード 先進国株式 331.52
たわらノーロード 先進国株式<為替ヘッジあり> 41.79
たわらノーロード 先進国株式<ラップ向け> 0.01
たわらノーロード NYダウ 14.58
たわらノーロードplus 先進国株式低ボラティリティ高配当戦略 5.43
たわらノーロード 新興国株式 56.95
たわらノーロード 新興国株式<ラップ向け> 21.6
たわらノーロードplus 新興国株式低ボラティリティ高配当戦略 0.73
たわらノーロード 国内債券 85.99
たわらノーロード 先進国債券 68.66
たわらノーロード 先進国債券<為替ヘッジあり> 37.78
たわらノーロード 先進国債券<ラップ向け> 0.01
たわらノーロード 先進国リート 46.57
たわらノーロード 先進国リート<為替ヘッジあり> 1.63
たわらノーロード 先進国リート<ラップ向け> 7.79
たわらノーロード 国内リート 46.12
たわらノーロード 国内リート<ラップ向け> 14.01
たわらノーロード 最適化バランス(保守型) 0.06
たわらノーロード 最適化バランス(安定型) 0.15
たわらノーロード 最適化バランス(安定成長型) 0.32
たわらノーロード 最適化バランス(成長型) 0.14
たわらノーロード 最適化バランス(積極型) 0.31
たわらノーロード バランス(8資産均等型) 27.5
たわらノーロード バランス(堅実型) 2.2
たわらノーロード バランス(標準型) 8.92
たわらノーロード バランス(積極型) 9.02
たわらノーロード スマートグローバルバランス(保守型) 0.2
たわらノーロード スマートグローバルバランス(安定型) 6.03
たわらノーロード スマートグローバルバランス(安定成長型) 11.97
たわらノーロード スマートグローバルバランス(成長型) 6.49
たわらノーロード スマートグローバルバランス(積極型) 12.61
合計 1005.31

eMAXIS Slim シリーズと比べると、ファンドの種類が豊富。
種類の多さは良いことのように思えますが、迷いも生じます。

たわらノーロードシリーズは、若者世代の投資未経験者がターゲット。
シンプルに絞り込んだほうが、結果的には良かったのかもしてません。

他方、為替ヘッジ有りのファンドが複数存在するのは特徴でしょうか。
為替ヘッジに係るコストとの見合うのか気になりますが、特色ですね。

純資産額では100億円超えのファンドが2本で、牽引役となっています。

たわらノーロード日経225は、一時期資金流入が一気に増えていて。
投機マネーが入った様子でしたが、最近はコツコツと資金流入へ。

いまでも積立投資の設定をしている人が多いものと推察されます。

たわらノーロード先進国株式は、シリーズの花形ファンドです。
インデックスファンドのなかでも、競争が激化する資産クラス。

コスト競争からは身を引いていますが、資金流入が続いています。
楽天証券のiDeCoでは先進国株式で最低コストだからでしょうか。

超低コスト競争に参加しなくても、一定の資金流入が期待できる。
たわらノーロード先進国株式の底堅さの理由が、気になりますね。

超低コストではなくても、低コストであることにはは変わりない。
たわらノーロードシリーズ、一定の資金流入は期待できそうです。

eMAXIS Slim シリーズと比較すると見劣り

ノーロードインデックスファンドシリーズといえばeMAXIS Slim。
いま最も勢いのあるシリーズで、FOY2018では上位を占めました。

たわらノーロードシリーズはマザーファンドの規模が大きいと言われます。
マザーファンドの規模が大きく、運用実績も豊富で安心だということです。

ところが、eMAXIS Slim シリーズのマザーも十分に大きな規模で運用中。
実質コストに大きな差が生まれるとは考えにくく、差別化には至りません。

たわらノーロードは、信託報酬の水準では大きく水をあけられています。
ここのコスト差が大きいため、やはり比べると見劣りしてしまうのです。

たわらの運用会社であるアセットマネジメントOneは、DC専用で新規設定へ。
超低コストな信託報酬で、先進国株式のDC専用ファンド設定を発表しました。

これにより、たわらノーロードシリーズは見捨てられてしまったのでしょうか。
信託報酬の引き下げる余地があるか、超低コストはDC専用ファンドに委ねるか。

資金流入が続いているうちに、次の一手を打つべきだと個人的には考えます。

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