青井ノボルです。
たらわノーロードシリーズにおける、代表格とも言える先進国株式。
低コストファンドの筆頭として、業界をリードした存在のファンド。
2019/2/18、純資産総額が300億円を突破しました!
昨年末の大きな相場変動を乗り越え、大台を突破です。
この記事では、たわらノーロード先進国株式の純資産総額300億円突破を契機に、これまでの歴史を振り返ります。
設定直後の2016年が人気のピーク
たわらノーロード先進国は、2015/12/18に設定されたファンド。
全世界株式の中核を担う、先進国株式のインデックスファンドです。
低コストと巨大なマザーファンドが特徴で、人気を集めています。
実際、投信ブロガーが選ぶ!fund of the Year 2016では第2位に。
高い人気とはいえ、当時から信託報酬は最低水準ではありません。
それでも実質コストが低いという点が、高い評価を得ていました。
ただ、コストでは実質コストよりも信託報酬が目立つのも事実。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式が、信託報酬最低水準に。
たわらノーロード先進国株式は信託報酬引き下げで後手に回ります。
2017年には人気に陰りが見え始め、FOY2017では第8位にダウン。
FOY2018ではついに、20位以内に入ることすら叶いませんでした。
良くも悪くも、あまり目立たない地味なファンドと言えそうです。
たわらノーロード先進国株式の概要
ここで、たわらノーロード先進国株式の基本情報を整理します。
たわらノーロード先進国株式公式HPを見ながら、確認しましょう。
ベンチマーク
ファンドの名称通り、先進国株式の株価指数への連動を目指す運用です。
具体的には、MSCIコクサイ(円換算)がベンチマークとなっています。
特徴は、配当込み・為替ヘッジなしのMSCIコクサイへの連動という点。
ベンチマークが配当込みとなっているのは、地味な特徴のひとつです。
実際の運用では配当再投資しているため、配当指数との連動が原則。
投資家としては、配当込みの方が分かりやすいという利点があります。
ファンドの仕組み
ファミリーファンド方式で運用を行っています。
(引用元:たわらノーロード先進国株式交付目論見書)
2002年に設定された外国株式マザーファンドは、運用実績も豊富。
ファンド規模も大きく、2018年7月末時点で残高3,167億円です。
仮に大きな資金流入があっても、指数との連動性を保ちやすい。
また、規模の経済によりコスト面でもメリットがあるようです。
マザーファンドの運用実績と規模、大きな強みとなっています。
信託報酬と実質コスト
ファンドのコストと言えば、信託報酬が思い浮かぶでしょう。
信託報酬はもちろん大事ですが、実質コストは更に重要です。
(引用元:選ぶなら、品質で。たわらノーロード先進国株式。)
たわらノーロード先進国株式の信託報酬は、年0.200%(税抜)。
第3期運用報告書によれば、その他の運用コストが年0.035%。
実質コストは、年0.251%(税込)と推測されます。
ちなみに、eMAXIS Slim 先進国株式は信託報酬が年0.109%(税抜)。
第1期運用報告書によれば、その他の運用コストが年0.080%。
実質コストは、年0.198%(税込)と推測されます。
実質コストで比較すると、やや割高感が気になります。
一方で、その他の運用コストは非常に低い数値です。
これは、マザーファンドの規模による違いなのでしょうか。
eMAXIS Slim 先進国株式のマザーファンド規模は、3,329億円。
たわらノーロード先進国のマザーは2,844億円、差は僅かです。
たわらノーロード先進国株式の実質コストを詳細に見てみると。
売買委託手数料が年0.002%と、驚異的な低さとなっています。
売買委託手数料は、バスケット取引が多いと数字に反映されません。
実質コストには反映されない、隠れコストが多い可能性があります。
真相は闇の中ですが、実質コストは参考程度に見るのが良さそうです。
隠れコストも含めて、純資産総額からはすべてのコストが引かれます。
純資産総額を口数で割った基準価額こそが、最も重要な数字と言えます。
300億円達成までの純資産総額推移
たわらノーロード先進国株式の純資産総額推移を確認してみます。
(引用元:たわらノーロード先進国株式)
2017年からは、おおよそ月10億円ペースで資金流入しています。
タイミングとしては、FOY2016で第2位を獲得した頃からです。
つみたてNISAが始まる前から、一定の人気を集めていました。
また、2018年以降も資金流入のペースは変わっていません。
積立投資の設定をしている人が多く、浮気しない人が多い。
超低コスト化が進むなかでも、ファンがいるのは凄いです。
たわらノーロード先進国株式には変化を期待したい
たわらノーロード先進国株式は、純資産総額300億円を達成。
これまで順調なペースで、純資産総額を伸ばしてきました。
これからも選び続けられるためには、どうすべきでしょう。
現在、超低コスト競争からは一歩引いた姿勢としています。
これが吉と出るのか凶と出るか。今のところは吉でしょう。
超低コスト競争に参加しなくても、資金流入が続いています。
積立投資による資金流入は、なかなか途絶えないようです。
純資産総額を伸ばしながら、据え置きの信託報酬を得る。
超低コストファンドより、口数あたりの収入は多いです。
ただし、この状況がいつまで続くかは誰にも分かりません。
たわらノーロード先進国株式は、相対的に品質が高いのでしょうか。
ワタシは、eMAXIS Slim 先進国株式の方が高品質だと考えています。
人によって見方は違いますが、たわらの優位性は揺らぎつつある。
過去の栄光でどこまで人気を維持できるか、微妙なところです。
何かアクションを起こさないとこの先は厳しいと思います。
他のファンドとの差別化要因を明確に示してほしいですね。
たわらノーロード先進国株式の300億円突破は通過点です。
今後も個人投資家に愛され続けるよう、変化に期待します。
●twitterもやってます●
Follow @sindanindex
関連記事紹介
先進国株式クラスのライバルファンドと言えば、eMAXIS Slimです。
超低コストが特徴ですが、コスト的に持続可能なのか考えました。

ニッセイ外国株式はすでに純資産総額1,000億円を超えています。
いまでも資金流入ペースが衰えることなく、人気ファンドですね。

コメント