eMAXIS Slim 新興国株式の第1期運用報告書を考察

投資信託・ETF

青井ノボルです。

2018/6/26、eMAXIS Slim 新興国株式の第1期(2017/7/31~2018/4/25)の運用報告書が公開されました。

詳細は、三菱UFJ国際投信によるeMAXIS Slim 新興国株式の公式HPをご確認ください。

eMAXIS Slim 新興国株式インデックス | eMAXIS
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世界分散投資の一翼を担う新興国株式クラスにおいて、運用コストが最低水準であるeMAXIS Slim 新興国株式。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式が信託報酬を下げてきましたが、即時対応で追随しました。

業界最低水準の運用コストをめざす『eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)』信託報酬率の引き下げを実施

信託報酬は引き下げが決まりましたが、肝心の実質コストはどうなっているのか。
ベンチマークとの乖離状況はどうなのか、気になるところです。

この記事では、公表されたeMAXIS Slim 新興国株式の第1期運用報告書の中身を考察していきます。

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第1期目は269日間の変則決算

まず、確認しておきたいのが第1期における期間の定義です。

期初がファンド設定日である2017/7/31、期末が2018/4/25となっています。
つまり、第1期は1年未満の期間で決算をしているワケです。

これは、eMAXIS Slim シリーズで決算日を合わせる関係だと推測されます。
Slimシリーズの他ファンドでも、2018/4/25を決算の期末としています。

2017/7/31~2018/4/25の日数カウントは、例によって高度計算機能を有するKeisanで行います。

日数計算(日付−日付)
異なる日付間の日数、週数、年月数を計算します。生まれてから何日間経ったかが計算できます。

「初日を含む」にチェックを入れて計算したところ、269日間という結果でした。

実質コストを年率に割り戻す

eMAXIS Slim 新興国株式の運用報告書から「1万口当たりの費用明細」を確認します。

ここで書かれている費用明細は、269日間で掛ったコストです。
第1期目の「1万口当たりの費用明細」は年率ではありません。

実質的な年率を算出するには、365日分に割り戻す必要があります。
上記表を年率換算すると、結果は下記の通りです。

信託報酬は、2018/7/25以降引き下げ後の信託報酬(税込)を記載しています。
それ以外は、運用報告書の数値を年率換算しています。

実質コストは、年0.389%となりました。

emAXIS Slim 先進国株式の実質コストが年0.198%だったので大体2倍です。

保管費用の乖離が大きい

約1ヵ月前、以下の記事で実質コストを推定していました。

eMAXIS Slim 新興国株式の実質コストを推測
eMAXIS Slim 新興国株式は、2018/4/25に初回決算を迎えました。実質コストもあと少しで判明します。この記事では、eMAXIS 新興国株式の実質コストを参考に、eMAXIS Slim 新興国株式の実質コストを推測します。

この記事では、eMAXIS 新興国株式を参考として実質コストを推測しました。

そのなかで、保管費用は0.093%と推測していました。
一方で、運用報告書の数値を年率換算すると0.109%です。

0.016ポイントの差は、想定以上の乖離でした。

保管費用はカストディフィーとも呼ばれますが、新興国株式の場合はコストに占める割合が大きいです。
運用の中の人と思われる方からも、過去にこんな趣旨の指摘がありました。

インデックスファンドのコストに目くじらを立ててもあまり意味がない。エマージング投信はカストディだけで2桁bps負ける。これは避けようがない。価格交渉力もないから、コストを下げるのは無理。
<関連記事:中の人の反応を踏まえてインデックスファンドのコストを再考(その2)

2桁bps(0.1%単位)負けるという点は、運用報告書の数字ともほぼ合致しています。

コストの絶対額が大きいので、少しの変動要因で大きな差が生じる可能性はあります。
変動要因を特定することは難しいですが、新興国株式は保管費用に要注意ですね。

ベンチマークは配当無し

運用報告書によると、ベンチマークとの乖離は1.1%程度とのこと。

これは、ベンチマークが配当無しであることが主因です。
実際の運用では当然ながら配当が発生し、再投資しています。

「なぜベンチマークが配当無しなのか」という点は、ブロガーミーティングで説明がありました。
オフレコ扱いでしたが、やむを得ない理由ですし神経質になる必要も無いかなと思います。

実際の運用は配当込みでやっているように見受けられるので、その点は安心です。

新興国株式に超低コストで投資できることに感謝

決算期間が1年間ではないことから、どうしてもスッキリしない部分もあります。

ただ、実質コスト0.4%未満の超低コストファンドであることは間違いありません。

年0.389%という実質コスト、実に素晴らしい超低コストではないでしょうか。
新興国株式に直接投資するのはきっと大変なことなので、ありがたい限りです。

また、<購入・換金手数料なし>とeMAXIS Slimの頂上決戦にも注目したいところ。
新興国株式クラスは、eMAXIS Slimの方が現時点での純資産総額は大きいです。

コスト競争により、超低コストで世界分散投資ができる時代になりました。
2018年はつみたてNISAもスタートし、素晴らしい投資環境に感謝です。

ワタシは今後も、eMAXIS Slim シリーズを愚直に積み立てていきます。

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