青井ノボルです。
eMAXIS Slim シリーズのファンドが初めて設定されたのは、2017/2/27のこと。
これまでに、当初の4本から10本までファンドラインナップを増やしました。
個人投資家のニーズを幅広く汲み上げる一方、超低コストを武器に他を圧倒。
コンセプトは、「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」。
他ファンドとのコスト競争を最前線で戦っている、超低コスト時代の牽引役です。
さて、eMAXIS Slim シリーズ全10本の純資産総額合計が本日、500億円を突破しました!
純資産総額、合計で505億2,200万円。
これはなかなか凄い数字だと思います。
2018/8/1時点の各ファンド純資産総額は、下記の通りです。
(公開データより独自作成)
この記事では、eMAXIS Slim シリーズのこれまでの軌跡と今後について書いていきます。
販売会社をネット系に絞り込んだシリーズ
eMAXIS Slim は、三菱UFJ国際投信のノーロードインデックスファンドシリーズです。
従来はeMAXIS シリーズが主力でしたが、2017年にSlimシリーズを新規設定しました。
最大の特徴は、超低コストな信託報酬に拘り抜いた商品設計にあります。
- マザーファンドを共用(規模のメリット享受)
- ネット系販売会社に厳選(コスト引下げ交渉可)
- 報告書などペーパーレス化(コスト削減)
こうした特徴があることから、信託報酬の超低コスト化を実現しています。
特に、販売会社をネット系に絞り込んだのは英断だったと思います。
おそらく業界初の試みでしたが、いま振り返ると良い結果に繋がっています。
潮目が変わったのは先進国株式の信託報酬引き下げ
従来のeMAXISは、ネット系を含めた金融機関でも取り扱っていました。
そのため、eAMXIS Slim シリーズの新規設定には否定的な意見も多かったようです。
これは信託報酬を販売会社と分け合う慣習がある以上、仕方のない選択だと考えます。
潮目が変わったのは、新興国株式と先進国株式の信託報酬引き下げを発表した頃でしょうか。
特に、先進国株式は世界分散投資の中核的を担う資産であり、影響は大きかったでしょう。
信託報酬の引き下げについては、こちらのグラフをご確認ください。
(引用元:eMAXIS Slim 公式HPより一部抜粋)
濃い緑が新興国株式、黄緑が先進国株式で、信託報酬の変遷を示しています。
2017/12/13より新興国株式、2018/1/30より先進国株式の信託報酬が一気に引き下げられたことが分かります。
この2つの信託報酬引き下げを契機として、eMAXIS slim シリーズのコンセプトが浸透。
eMAXIS Slim シリーズなら、超低コストで投資を続けられるという信頼感が高まりました。
個人投資家からの信頼を勝ち取り、瞬く間に人気が高まったのだと感じています。
2018年からの伸び率がスゴイ
2017年までと2018年以降に分けて、純資産総額シリーズ合計を比較してみます。
ちなみに、eMAXIS Slim シリーズは徐々にラインナップが増えています。
国内株式(日経平均)・全世界株式(除く日本)・全世界株式(3地域均等型)・米国株式(S&P500)の4本は、2018年になってから新規設定されたファンドです。
2017/12/29時点で、6本のファンド合計の純資産総額が155.64億円でした。
2017/2/27に4本のファンドが設定されてから、約10ヵ月間で155億円です。
2018年に入ってから、つみたてNISA制度も始まって資金流入ペースが加速。
その結果、シリーズ全体の純資産総額は約7ヵ月間で350億円のプラスです。
月換算で50億円増のペースなので、年500億円が積み上がるペースとなります。
2017年は月15億円増のペースだったので、資金流入の勢いがシリーズ全体で3倍以上に加速。
2018年に入ってからの伸び率がスゴイということが、数字からも見てとれます。
500億円突破もライバルの背中は遠い
2018年に入ってからは、つみたてNISAもスタートして資金流入が加速。
度重なる信託報酬引き下げにより、超低コストのイメージも定着しました。
eMAXIS Slim シリーズのライバルは、ニッセイAMの<購入・換金手数料なし>シリーズ。
先日の信託報酬引き下げ発表の結果、主力資産クラスの信託報酬は横並びです。
(公開データより独自作成)
シリーズ合計で500億円を突破したeMAXIS Slim シリーズですが、ライバルはどうでしょう。
ニッセイAMの<購入・換金手数料なし>シリーズですが、すでに1,500億円を超えています。
主力である外国株式(先進国株式)は、あと少しで1,000億円の大台に到達する勢いです。
コスト競争力という観点では、マザーファンド規模の方が重要だと考えられます。
とはいえ、シリーズ全体の純資産総額で3倍の差があるのは、紛れもない事実です。
もっとも、従来のeMAXISシリーズやつみたてんとうシリーズなども含めると、見える景色が変わってきます。
三菱UFJ国際投信のノーロードインデックスファンド全体では2,900億円超えの規模です。
<購入・換金手数料なし>シリーズと比べ、倍以上の純資産規模となっています。
これからも、eMAXIS Slim シリーズと<購入・換金手数料なし>シリーズのガチンコ勝負こそが重要。
今後も良きライバルとして、切磋琢磨しながら業界をリードする存在であり続けて欲しいものです。
今後もeMAXIS Slim シリーズを応援します
ワタシがインデックス投資を始めようと思ったのは、2018年2月のこと。
先進国株式と新興国株式の信託報酬が、大幅に引き下げられた後でした。
ポートフォリオを考える際、ファンドを調べる中でeMAXIS Slimに出会いました。

信託報酬引き下げ後のeMAXIS Slim シリーズ、その存在は有難かったです。
そして、2018年3月に参加した三菱UFJ国際投信のブロガーミーティング。
ここで代田取締役(当時)の話を直接聞けたことも、信頼感に繋がりました。

eMAXIS Slim シリーズのコンセプトは、個人投資家にとって有利なものです。
超低コストを将来にわたって目指し続けてくれるので、手間も掛かりません。
また、この優れたコンセプトを実現するための仕組みも確立されています。
マザーファンドの規模、徹底したペーパーレス、販社の絞り込み、などです。
直販をはじめる準備も進めているということで、期待は更に高まります。
この状況が続く限り、ワタシはeMAXIS Slim シリーズで投資を続けていきます。
そして、超低コスト時代を牽引していく姿勢が続く限り、応援したいと思います。
関連記事紹介
これまで低コスト化をリードしてきたバイオニア的存在の<購入・換金手数料なし>シリーズ。
eMAXIS Slim シリーズとの競争が激化するなか、どちらを選ぶか比較しながら考えました。

三菱UFJ国際投信の手掛けるeMAXIS Slim シリーズは、ネット特化型の戦略をとりました。
MUKAMはファンド毎に異なる戦略を描くことで業界トップを独走できるのか、考えました。

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