青井ノボルです。
インデックス投資は、あまりやることがありません。
市場動向も適当にチェックする程度に留めています。
そんなワタシでも、トルコリラの急落はニュースで耳にしていました。
こうしたなか、トルコリラ建て債券で運用する投信の購入・解約が一時停止との報道です。
この件は、相互リンクをいただいている水瀬ケンイチさんのブログ記事で知りました。

レアケースかもしれませんが、投資信託における流動性リスクが顕在化した事例です。
ところで、投資信託の流動性リスクはインデックス投資でも考慮すべきなのでしょうか。
この記事では、インデックス投資における流動性リスクの重要性について考えてみます。
投資信託の申込受付停止となった理由
トルコリラ急落により、トルコ債券市場が大きく混乱しているようです。
一部運用会社では、リラ建て債券で運用する投信の購入と解約申し込みを一時停止しました。
例えば、三菱UFJ国際投信のNavio トルコ債券ファンドも申込受付停止となっています。
具体的には、8月16日(木)から8月28日(火)まで、購入・換金の申し込み受付停止です。
受付停止となった理由について、2018/8/15付けの資料にはこのように書かれています。
ここ数日のトルコ・リラ急落を受けてトルコ債券市場における流動性は著しく低下しております。そのため、トルコ債券市場に投資するファンドのご購入・ご換金(解約)を受付けても、必要な取引ができないと考えられます。
(中略)
なお、8月21日(火)から8月24日(金)の期間は犠牲祭というトルコの大型連休のため、また犠牲祭明けの8月27日(月)につきましてもロンドン債券市場が休場のため、当初より当ファンドのご購入・ご換金(解約)のお申込み不可日と定めております。
(引用元:「Navio トルコ債券ファンド」お申込み受付停止のお知らせ|三菱UFJ国際投信より一部抜粋)
トルコ債券市場における流動性が低下し、取引が難しい状況のようです。
タイミングが悪く、トルコの大型連休に被るという不運も重なった結果。
半月間も投資信託の購入・換金ができないという異常事態に陥りました。
インデックス型投資信託の流動性リスク
今回はトルコリラ急落に伴い、トルコ債券市場が混乱して流動性が著しく低下しました。
「売りたくても売れない」という異常事態は、投資家にとっては精神的に厳しい仕打ちです。
暴落相場を目の前にして、逃げ出したくても逃げられないというのはきっと恐怖でしょう。
ところで流動性リスクは、インデックス型投資信託でも例外ではありません。
例えば、参考までにeMAXIS Slim 先進国株式の交付目論見書を確認します。
■流動性リスク
有価証券等を売却あるいは取得しようとする際に、市場に十分な需要や供給がない場合や取引規制等により十分な流動性の下での取引を行えない場合または取引が不可能となる場合、市場実勢から期待される価格より不利な価格での取引となる可能性があります。■購入・換金申込受付の中止及び取消し
金融商品取引所等における取引の停止、外国為替取引の停止、その他やむを得ない事情があるときは、購入・換金のお申込みの受付を中止すること、およびすでに受付けた購入・換金のお申込みの受付を取消すことがあります。
(引用元:eMAXIS Slim 先進国株式 交付目論見書|三菱UFJ国際投信より一部抜粋)
流動性低下で正常な市場取引が困難となり、ファンド純資産が毀損する可能性があります。
これは投資をする以上、背負わなければならないリスクの一つと考えて良いでしょう。
また、購入・換金の申込受付中止についても、バッチリと記載されています。
やむを得ない事情が発生した場合、購入・換金できない可能性があります。
このように、インデックス投資においても流動性リスクは確かに存在します。
インデックス投資に流動性は必要なのか
インデックス投資において、流動性リスクは考慮すべき重要事項なのでしょうか。
購入したくても購入できない、換金したくても換金できない、というリスクです。
インデックス投資にも様々なパターンがありますが、基本はバイ&ホールド。
投資するお金は余裕資金であり、資産形成したのち徐々に取り崩すものです。
使う時期や金額が決まっているお金は、原則リスク資産に置かないハズです。
そして、コツコツ積立を続けながら投資額を増やしていくことになります。
そのため、購入・換金のタイミングを自分で判断しないことが前提です。
例えば、相場が高騰したときに買いが殺到して流動性が担保されないとします。
購入(=積立)しようとしてできないのは残念ですし、機会損失でもあります。
ただ長い積立期間のうちの一時期の話であれば、少し待てばよいだけの話です。
一方、トルコリラのように相場暴落時に売りが殺到して流動性が下がるとします。
換金はできませんが、バイ&ホールドであれば一括換金する機会は無いでしょう。
相場急落≒不景気による失職リスクもありますが、原則として生活防衛費を確保しているハズです。

残念ながら、正常な市場取引が成立せずに純資産が毀損するリスクは回避できません。
ただ、購入・換金申込受付が中止されるリスクは無視できるレベルだと考えます。
淡々と積み立て続けることが重要
流動性リスクは確かに存在しますし、いつ顕在化するかは分かりません。
しかし、インデックス投資では考慮する必要性が低いリスクだと考えます。
流動性リスクに注目するよりも、他のことに意識を向けたほうが得策です。
気にしても仕方のないことは無視して、やるべきことに集中しましょう。
バイ&ホールドのインデックス投資でやるべきことは、コツコツ積立を続けること。
自分でコントロールできない相場変動は気にせずに、自分ができることに集中する。
言葉にするとシンプルですが、これを続けるのは意外と難しいようです。
だからこそ、自分が意識すべきポイントを平常時から考えておく。
自分で考えて腹に落とすことが、大事なことなのだと思います。
ワタシはブログを綴りながら、悩み考えて投資方針を固めていきたい。
そして、バイ&ホールドによるインデックス投資を継続していきます。
関連記事紹介
インデックス投資に限らず、投資対象のリスク資産を信じることができるかどうか。
バイ&ホールドを続けることができるかどうかは、そこに懸かっていると思います。
信じ抜くことができる投資対象なら、流動性リスクに惑わされる必要はありません。

インデックスファンドのコストについて、運用の中が様々な意見が発信されていました。
ご意見の中には流動性リスクの指摘もあり、この時に初めて意識したような気がします。

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