青井ノボルです。
先日、楽天証券が素晴らしいサービスを実現してくれました。
密かに願っていたサービスだったので、熱烈に大歓迎します。
SBI証券に唯一劣っていると感じていた部分を、見事に克服。
同じ内容のサービスで後追いするのではなく、超越しました。
投資信託の定期売却サービス、これは資産取崩しにおいて必須。
入口があれば出口も必要であり、徐々に取り崩すのがセオリー。
投資信託の積立を継続するためのツールは、充実しています。
一方で取崩しは注目されないせいか、ツールは限定的でした。
楽天証券の思い切った施策、個人投資家として素直に嬉しいです。
楽天経済圏で生きていく決意を新たにした人も多いことでしょう。
この記事では、楽天証券の投資信託定期売却サービスを歓迎することについて書いていきます。
積立投資の出口は一括売却だけではない
長期分散積立投資の出口戦略は、なかなか難しい課題です。
その答えは千差万別であり、やり方も様々だと思われます。
ただよくある勘違いとして、出口は一括売却だけという話。
売却時点での相場環境により、投資成績が大きく変わると。
積立投資はキャッシュフローに合わせて、徐々に投資する。
出口戦略においても、資産を徐々に取り崩す選択肢もある。
例えば、老後に向けて資産形成として積立投資を継続して。
リタイアしたとき、一括売却しても良いししなくても良い。
老後資金という意味では、徐々に取り崩すのが現実的です。
一括売却以外の選択肢もあるという点は押さえたいところ。
楽天証券で投信定期売却サービスが始動
さて、積立投資は一度設定さえしてしまえば自動的に投資可能。
手間が掛からないことから、ほったらかし投資とも呼ばれます。
一方で徐々に資産を取り崩していくサービスは、まだまだ限定的。
資産形成に寄り添うという意味では、出口戦略のケアも大切です。
こうしたなか、楽天証券は投信定期売却サービスの開始を発表。
中身をよく見てみると、選択肢が増えて非常に良いと感じます。
一般庶民による資産形成を後押しする制度が、こうして出てくる。
これは有難いことですし、ネット証券の雄は流石だなと思います。
3つの受け取り方法
2019年12月29日より始まる、楽天証券の投信定期売却サービス。
毎月自動的に投資信託を売却して、売却代金を受け取れる仕組み。
その特徴というか、ポイントは主に3つとなっています。
- 解約方法に金額指定が追加されます
- お持ちの投資信託に定期売却の設定をすれば、毎月自動的に指定日に売却代金を受取ることができます
- 設定方法は金額指定、定率指定、期間指定の3パターン
1点目は、そもそも金額指定の解約ができなかった点の改善です。
これまで投信毎に全解約か口数指定の解約しか選べませんでした。
大多数の人は、投資する際に金額指定で購入していると思います。
解約時も同じようにできる、地味ですが重要な変更だと感じます。
2点目と3点目は、今回スタートするサービスそのものの話ですね。
毎月売却する設定をすることで、リスク資産の現金化が可能です。
設定方法は3通りあるのですが、その特徴は微妙に異なります。
金額指定(定額)・定率指定(定率)・期間指定(定口)です。
金額指定(定額)
受け取り方法のひとつ目は、金額指定です。
定額とも言われ、毎月一定額を売却します。
投資信託はリスク資産なので、評価額はその都度変動します。
この評価額変動に左右されずに、一定額を売却して受け取る。
主に1,000円以上1円単位という縛りで、金額は自由に設定可。
例えば毎月3万円の設定なら、定期収入のように取り崩せます。
シンプルな方法なので、分かりやすさという観点では優れています。
一方で、暴落時には相対的に大きく取り崩すことになる点は留意を。
定率指定(定率)
ふたつ目は定額と比較されることの多い定率指定。
楽天証券では、口数に一定率を掛けて売却します。
定率の場合は、投資信託の評価額変動に応じて取り崩し額が変わる。
例えば暴落した時は、取り崩し額が減るので資産が減りにくいです。
0.1%から0.1%単位で比率を指定することができ、これは便利そう。
当初は1%単位となっていましたが、数日後に修正した点は流石です。
積み立ては定額、取り崩しは定率が良いと言われることも多い。
理屈としてはそうなんですが、合わないケースもあるでしょう。
投資をしていた目的を考えたとき、リスク資産を増やすのは手段。
いずれ使うときのために、資産形成をしたのなら使うことも大切。
そういう意味で、定率は絶対的に素晴らしい方法ではないのです。
期間指定(定口)
期間指定という、一定の口数を売却する方法もあります。
最終の受け取り年月を指定して、同じ口数を売却します。
投資信託の保有口数を、指定した年月までの売却回数で等分。
算出された一定口数について、定期的に売却して受取ります。
口数が一定なので、受取額は評価額変動の影響を受けます。
基準価額の変動にあわせ、毎月の受け取り額も増減します。
ざっくりのイメージとしては、定額と定率の中間くらい。
資産を長持ちさせる効果がちょっとだけ期待できるかも。
自分に合った資産取り崩し方法を
積立投資の出口戦略として、資産取り崩しサービスは利用価値あり。
楽天証券からは3つの方法が提示されていますが、正解は無いです。
一般的には定率が良いと言われていて、理屈はもちろん理解できます。
三井住友アセットマネジメントの情報提供資料が分かりやすいです。
大原則は、取り崩し金額が少ないと資産が長持ちする可能性が高い。
定額指定であったとしても、取り崩し金額が少なければ良いのです。
投資をする目的は様々で、売却後にお金をどう使うかもその人次第。
数ある選択肢の中で、何を選ぶべきかは自分事として考えましょう。
関連記事紹介
投資を続けて経験を積むなかで、金融リテラシーを磨いておく。
これこそ投資の出口戦略に最も必要なことなのかもしれません。

そういえば、いわゆる2,000万円問題で大騒ぎになった2019年。
自分の置かれた環境を俯瞰して、自律的な行動が必要そうです。

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コメント
自分の理解度が浅いのですが、
例えば年利5%が見込めるファンドに5000万積み立てされていたとして、毎月0.4%の定率売却に設定するとしたら基準価格の変動にもよるが、
毎月0.4%を12ヶ月で4.8%
毎月約20万×12ヶ月の240万で生活しつつ、取り崩した分の元本が減っているので利益幅は少なくなるが年利5%での運用が続く為取り崩すペースは相当緩和される、相場が良ければ取り崩した分の相殺や崩した分以上に利益を得ることも可能、こんな感じなのかな?
切り崩す月が50%大暴落時になったとしたら、その月の売却額が10万になるため生活はしんどくなるが元本や切り崩し率を変えずに長く運用が続くように努力すると。
細かい計算は全然違うかもしれないけど感覚的にこんな感じでいいのかね〜。
馬鹿だからわからんな
コメントありがとうございます。
定率のイメージはおっしゃる通りだと思います。
何のために投資をしていて、何のために取り崩すのか。
人によって答えが違うだけに、選択肢は多い方が嬉しいですね。
そして積立期間中であれば、おおまかにイメージするだけで十分だと思います。