青井ノボルです。
ブログを書くというのは、慣れるまでは意外と大変です。
記事を1本仕上げるのに、数時間掛かることもあります。
最近は少し慣れてきたので、そこまで時間は掛かりません。
ただ、自分の想いを乗せて書いた文章には拘りがあります。
それぞれに思い入れがあって、すべて大切な記事だと思っています。
こうしたなか、7月のある日のこと。
ワタシのブログ記事が丸々パクられていることが発覚しました。
「まさか自分が!」と思いましたが、まさかが現実に起きてしまったのです。
全てのブロガーにとって、同様の被害に遭う可能性が無いとは言い切れません。
だからこそ、何が起きてどう対処したのか公開する意義があると考えています。
この記事では、パクリ発覚から通報対応をするまでの経緯、その結果について書いていきます。
ブログ愛を深めた直後に発覚したパクリ被害
インデックス投資をメインテーマにブログを書き始めて、5ヵ月目のこと。
夏の祭典であるインデックス投資ナイト2018に参加する機会がありました。
そこで、著名インデックス投資ブロガーである水瀬ケンイチさんから貰った言葉。
「ぜひブログを続けてくださいね」
この言葉によって、ブログ愛が深まったのは言うまでもありません。
ブログを書き続けることで、悩み考えたことが文章で整理される。
そのプロセスを通じて投資への理解が深まり、胆力が養われる。
結果、相場に惑わされることなく長期投資を続けることができる。
だから、インデックス投資ブログを書き続けることに意味がある。
そのように解釈して、これからもブログを大切に綴ろうと決意を新たにした。
2018/7/7開催のインデックス投資ナイト2018における最大の収穫でした。
それから僅か1週間後に、驚愕の事実が発覚したのです。
あー。ブログ記事無断転載の被害に遭っていることを確認。
連絡手段が無いので、粛々と通報するしかなさそうです。
初めての経験ですが、調べながらやれることをやるとします。— 青井ノボル (@sindanindex) 2018年7月13日
引用RTを逃さないように、自分の書いた記事名でTwitter検索をしたら。
見知らぬアカウントが、ワタシのブログ記事について呟いていることが判明。
じっくり見ると、ワタシのブログとは無関係のURLが張り付けてあります。
URLを辿ると、そこにはワタシが書いた文章がそのまま載っていたのです。
具体的な対処法を検討
パクリ被害が判明した時は流石に怒りを覚えましたが、冷静さを失ったら負けです。
感情で突っ走るのではなく、適切な手続きを踏んでいく必要があると考えました。
そう考えることができたのは、著名米国株投資ブロガーであるたぱぞうさんのお陰です。
ブログをパクられた際の対応をまとめた記事を書いてくれていました。

この記事をはじめて読んだのは、ブログを始めて2ヵ月目のこと。
関係ない話だと思っていましたが、まさかパクリ被害に遭うとは。
たぱぞうさんの記事を熟読し、他の対応法も検討して、おおよその方針を固めました。
騒がずに粛々と通報準備
パクリ被害に遭っていることが判明した時点で、分かっていたことは2つ。
- WordPressでパクりブログを運営中
- Twitterアカウントで広報している
Twitterで騒ぐこともできましたが、粛々と対応する道を選びました。
途中で逃げ出されないよう、正当な手段でじっくり追い込むことに。
コピーブログへの対処法には、様々な手段があります。
Googleへの著作権侵害通報
Googleに通報することで、Googleの検索結果からパクリ記事を抹消できます。
オンラインで通報することができるので、手続きはお手軽です。
ただ、通報するには実名を入力する必要があります。
もし、通報によってパクリ記事がGoogle検索から削除されたとします。
Googleは、通報により削除している旨を通報者名とともに公開します。
ネット上に実名を晒してしまうリスクがあるので、この点は注意です。
ワタシは検討した結果、Googleへの通報は見送ることにしました。
ASP(アフィリエイトサイト)への通報
パクリブログでは、アフィリエイト広告を掲出していることが多いです。
通報の結果、収入源を断つことができれば一定の効果はあるでしょう。
ASPについては、広告のURLを調べればすぐに分かります。
Chromeでは、カーソルをあわせれば左下に表示されます。
ワタシは試しに通報しましたが、ASPからは注意喚起に留まりました。
広告掲出や報酬支払の停止など、踏み込んだ対応は残念ながらナシ。
青井ノボルの名義で通報したので、これが限界だったのかも。
ASPへの通報はお手軽な反面、空振りに終わる可能性もあります。
あまり期待できないので、優先順位は低めに考えておきましょう。
Twitterへの著作権侵害通報
今回のケースでは、パクリ記事をTwitterで宣伝していました。
アカウント凍結により、宣伝手段を断つことが期待できます。

オンライン上で手続きが完結するので、通報の手間はかかりません。
実名での通報が必要ですが、おそらく情報は保護されると思います。
ワタシの場合は、結果的にこの手続きは見送ることにしました。
パクリアカウントをフォローをしたら、謎のフォロー返しがあって。
FF関係になったことで、DMを送れる状態になっていたのです。
連絡手段を確保しておくために、Twitterは泳がせておきます。
サーバー管理会社への著作権侵害通報
パクリブログはWordPressで運営しているので、サーバーを借りています。
サーバーにブログのデータが保管されていて、ウェブ上で公開しています。
サーバー管理会社に通報することで、ブログ記事の非公開化が期待できます。
最大の効果を期待できる反面、この手続きがなかなか面倒なのです。
とはいえ、ブログをパクるという卑劣な行為は絶対に許せません。
徹底的に戦うことを心に決めて、手続きを踏むことにしました。
パクリブログのサーバー管理会社と通報手段の確認
サーバー管理会社に通報するためには、通報先を調べる必要があります。
ワタシの場合は、下記のページを利用しました。

パクリブログのURLを入力するだけで、サーバー管理会社が判明します。
今回のケースでは、さくらインターネットのサーバーだと分かりました。
さくらインターネットの公式HPで、通報方法を確認します。

権利侵害の通報については、問い合わせフォームから通報が可能です。
「プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求」は書面のみ受付とのこと。
今回は元々、著作権侵害者の個人情報開示を請求するつもりでした。
連絡先が判明すれば、損害賠償請求を起こすことも選択肢となります。
コスト度外視で徹底的に戦うと決めたので、書面にて通報することにしました。
著作物等の送信を防止する措置の申出の書類作成
著作権の権利侵害を通報するために、書類を作成します。
「著作物等の送信を防止する措置の申出」という書類です。
書類の雛型は、auの公式HPでwordファイルが置いてあります。
(3) 著作権侵害関連の申出書式の「一般申告者用」を活用させてもらいます。
参考までに、ワタシが実際に提出した書面を抜粋してお伝えします。
私は、貴社が管理する URL:【http://toshiplace.com(名義:投資のおもしろポータル)】に掲載されている下記の情報の流通は、下記のとおり、【(ワタシの実名)】が有する【著作権法第 23 条に規定する公衆送信権】を侵害しているため、「プロバイダ責任法著作権関係ガイドライン」に基づき、下記のとおり、貴社に対して当該著作物等の送信を防止する措置を講じることを求めます。
4.侵害情報の特定のための情報
URL 【http://toshiplace.com】
サイト名 【投資のおもしろポータル】
その他の特徴 【著作権侵害者のサイト設立年月日(最初の投稿):2018/3/23、私のサイト設立年月日(最初の投稿):2018/2/5、個別記事は項目番号「9」内および別紙にて説明します。】5.著作物等の説明
侵害情報により侵害された著作物は、私が創作した著作物「インデックス投資で長期縦走へ」です。参考として当該著作物の写し及びURL一覧を添付します。6.侵害されたとする権利
【著作権法第23条の公衆送信権(送信可能化権を含む。)】7.著作権等が侵害されたとする理由
【私は、著作物「インデックス投資で長期縦走へ(https://sindanindex.com)」に係る著作権法第23条に規定する公衆送信権(送信可能化権を含む。)を有しています。
私は、「投資のおもしろポータル(http://toshiplace.com)」に対して著作物「インデックス投資で長期縦走へ(https://sindanindex.com)」を公衆送信(送信可能化を含む。)することに対し、いかなる許諾も与えておりません。
私は、著作物「インデックス投資で長期縦走へ(https://sindanindex.com)」を公衆送信(送信可能化を含む。)することを許諾する権限をいかなる者にも譲渡又は委託しておりません。】8.著作権等侵害の態様
1ガイドラインの対象とする権利侵害の態様の場合
侵害情報である 「投資のおもしろポータル(http://toshiplace.com)」は、以下の■aの態様に該当します。
■a) 情報の発信者が著作権等侵害であることを自認しているもの
□b) 著作物等の全部又は一部を丸写ししたファイル(a)以外のものであっ
て、著作物等と侵害情報とを比較することが容易にできるもの)
□c) b)を現在の標準的な圧縮方式(可逆的なもの )により圧縮したもの
2ガイドラインの対象とする権利侵害の態様以外のものの場合
(権利侵害の態様を適切・詳細に記載する。)9.権利侵害を確認可能な方法
【以下の方法により権利侵害があったことを確認することが可能です。】
・著作者サイトと権利侵害者サイトの記事をインターネット上で比較し、文章および画像が一致していること
上記内容のうち、5・9の項目については証拠書類を添付いたします。
また、上記内容が、事実に相違ないことを証します。
聞きなれない言い回しが続きますが、著作権を侵害されている旨を丁寧に伝えます。
なお、書面作成にあたっては下記のブログ記事を参考にさせていただきました。

作成した書面を紙に出力して、押印をすれば準備OKです。
パクリ被害の証拠書類を集める
パクられていると通報するワケなので、証拠書類が必要です。
ここで必要な書類は、大きく分けて2種類あります。
- ブログがパクられている証拠
- ブログの著作者である証拠
それぞれ、書面で2部ずつ用意します。
ブログがパクられている証拠
まずは、パクリ被害に遭っている証拠を揃えます。
まず、著作者ブログと侵害者ブログを2記事用意しました。
ブログをPDFで保存したうえで、紙に出力して提出です。
他にも30記事以上がパクられていたので、URL一覧表も作成。
一例を見ればお分かりいただける思いますが、本文が丸々パクられています。
【著作者ブログ(当ブログ)】

【侵害者ブログ(魚拓)】
少しだけ補足説明を手書きしましたが、パクっているのは一目瞭然ですよね。
侵害者ブログには一応「Source: インデックス投資で長期縦走へ」と書かれています。
ただ、この表記をするだけで引用のルールを守れるとは到底考えることができません。
ブログの著作者である証拠
当たり前ですが、ワタシが当ブログの権利者である証拠も必要です。
まずは、ドメイン(sindanindex.com)を取得したお名前.comの画面。
また念のため、借りているサーバー管理会社の画面も添付しておきます。
本人確認書類も必要なので、運転免許証のコピーも用意しました。
これで書類の準備はOKです。
発信者情報開示請求書の書類作成
続いて、著作権侵害者の個人情報取得に必要な書類です。
「発信者情報開示請求書」という名称となっています。
書類の雛型は、auの公式HPにwordファイルがあります。
発信者情報開示関連の申出書式の発信者情報開示請求標準書式を活用します。
証拠書類は共通しているので、こちらでは書面の書き方だけ。
ワタシが実際に提出した書面の内容を、抜粋してお伝えします。
貴社が管理する特定電気通信設備等
投資のおもしろポータル
http://toshiplace.com掲載された情報
私が創作した著作物「インデックス投資で長期縦走へ(https://sindanindex.com)」より記事35点(文章および画像)が無断で転載されている。参考として当該著作物の写しおよび一覧を添付します。侵害された権利
著作権法第23条の公衆送信権(送信可能化権を含む。)権利が明らかに侵害されたとする理由
私は、著作物「インデックス投資で長期縦走へ(https://sindanindex.com)」に係る著作権法第23条に規定する公衆送信権(送信可能化権を含む。)を有しています。
私は、「投資のおもしろポータル(http://toshiplace.com)」に対して著作物「インデックス投資で長期縦走へ(https://sindanindex.com)」を公衆送信(送信可能化を含む。)することに対し、いかなる許諾も与えておりません。
私は、著作物「インデックス投資で長期縦走へ(https://sindanindex.com)」を公衆送信(送信可能化を含む。)することを許諾する権限をいかなる者にも譲渡又は委託しておりません。発信者情報の開示を受けるべき正当理由(複数選択可)
1.損害賠償請求権の行使のために必要であるため
3.差止請求権の行使のために必要であるため
4.発信者に対する削除要求のために必要であるため開示を請求する発信者情報(複数選択可)
1.発信者の氏名又は名称
2.発信者の住所
3.発信者の電子メールアドレス証拠
添付別紙参照発信者に示したくない私の情報(複数選択可)
1.氏名(個人の場合に限る)
出来上がった書面を紙に出力して、押印すれば準備OKです。
サーバー管理会社へ書類を郵送
さて、書類の作成が全て終わったところでサーバー管理会社へ郵送します。
おさらいですが、準備した書類は下記の4点です。
- 「著作物等の送信を防止する措置の申出」書類
- 「発信者情報開示請求書」書類
- 証拠書類一式
- 本人確認書類
証拠書類が思いのほか多く、全部で70枚くらいになりました。
コンビニで印刷したので、これだけで約700円のコストです。
投函確認まで追跡できるレターパックライトで送りました。
ようやく書類一式が揃ったので、先方が使っているサーバー会社へ郵送。諸々コストは千円くらい。
パクリブログは絶対に許せませんが、感情的になっても仕方がないので、粛々と手続きを進めます。
たぱぞう( @tapazou29 )さんの記事を読んでいなければ、きちんと対応できなかったかも。本当に感謝です。 pic.twitter.com/DOJIEMLa5c— 青井ノボル (@sindanindex) 2018年7月25日
このあとは、サーバー管理会社からの回答をひたらすら待ちます。
2~3週間程度で返事があるとの噂でしたが、意外と待たされました。
先方のサーバー会社に書類を郵送してから2週間が経過しました。
パクリブログは今も元気に運営中。あと1週間くらいしたら事態は動くのかな。もう少し我慢を続けて、いまは静かに見守りたいと思います。
ただし、パクリは絶対に許しません。— 青井ノボル (@sindanindex) 2018年8月7日
サーバー管理会社へ通報対応した結果
事態が動いたのは、通報から2週間と数日経ったタイミングでした。
パクリブログの件、サーバー側からの書面通知はまだですが、ブログ・Twitter垢ともに消えていました。
ひとまず、ホッとしてます。
ただ、証拠はしっかり押さえていまして、どこまでやるかは未定です。少額ながらお金と労力が掛かったしなぁ。
注意喚起の意味も込めて、この件はそのうち記事にします。 pic.twitter.com/ZQbSPBYUlT— 青井ノボル (@sindanindex) 2018年8月11日
著作権侵害者のパクリブログは削除され、一件落着です。
とはいえ、ブログ記事をパクられた心の傷は癒えません。
通報対応に時間を費やされ、精神的苦痛も味わいました。
「発信者情報開示請求書」が通れば、パクリ側の連絡先が判明します。
赤字覚悟で損害賠償&慰謝料請求する選択肢も残されます。
さて、それから数日後にさくらインターネットから文書で回答がありました。
結論から言うと、発信者情報開示請求は拒否されてしまい成果無しでした。
著作権侵害者側の主張は、要約すると以下の通りです。
- 「自動更新で楽らくアフィリエイト」という情報商材を購入。
- あくまで情報商材の教え通りにサイトを構築しただけ。
- 著作権侵害という意識は無かった。
こんな幼稚な言い訳で、本件が水に流されてしまうとは。
何と言えばよいのか、本当に残念な気持ちになりました。
全ブロガーが被害に遭う可能性がある
某情報商材の詳しい中身は知りませんが、1,500件以上売れているようです。
今後もこの情報商材を購入し、著作権侵害をする人が出てくるとも限りません。
全てのブロガーが、同じような被害に遭う可能性があると考えます。
著作権侵害者にとっては、どんなブログであろうが関係無いです。
ひとつでも多くのブログから、記事をパクり続けることでしょう。
大事なブログであればあるほど、細心の注意を払うべきだと思います。
一方で、ブログで発信していると著作権侵害側になってしまうリスクもあります。
ワタシの場合は、アイキャッチ画像や図表の扱いには細心の注意を払っています。
引用の範疇を超えないように、できるだけ安全寄りに判断しているつもりです。
それでも、著作権侵害を犯してしまう可能性はゼロではありません。
全てのブロガーにとって、著作権侵害は自分事として捉えるべき問題です。
正しい知識を身に付けて、この世からパクリが消えることを切に願います。
なお、ブログ記事をパクられた要因や対処法は別記事にまとめる予定です。
あわせて参考にしていただければと思っているので、少々お待ちください。
長文記事となりましたが、本記事がみなさんにとって参考となれば幸いです。
関連記事紹介
今回のパクリ騒動もブログを書いていたからこそ、被害者の痛みを理解する機会となりました。
良くも悪くもいろいろな経験をさせてくれるこのブログ、続けてきて良かったと思っています。

Twitterの乗っ取り被害に遭い、皆さんにご迷惑を掛けてしまった黒歴史。
やってしまった事実は消すことが出来ないので、再発防止に努めるのみです。

●twitterもやってます●
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