青井ノボルです。
6月と言えば、夏のボーナス支給日となっているサラリーマンの方も多いと思います。
ワタシも月給+賞与の給与体系なので、夏ボーナスの支給金額が確定したところです。
さて、ボーナスが支給されると嬉しいと感じる人も多いと思います。
普段の月給とは別に、まとまった金額を貰えると嬉しいものですよね。
ところが、ボーナスが無い給与体系のほうが労働者にとってお得な場合があります。
この記事では、ボーナス(賞与)が支給されない給与体系の方がお得な理由をお伝えします。
ボーナス(賞与)とは
ボーナスとは、月給以外に夏や年末、決算月などに支給される一時金や賞与のこと。
6月および12月に支給されるケースが多く、夏ボーナス・冬ボーナスと呼ばれています。
ボーナスの歴史は古く、1876年(明治9年)に日本最初のボーナスが三菱会社で支給されたと言われています。

当時は成績による格差をつけず、一律給与1ヵ月分程度が支給されたようです。
いまでは人事考課結果や企業業績に連動するボーナスも一般的になりました。
原則は、雇用者側と労働組合で支給額を交渉、妥結するという流れで決まります。
2018年夏ボーナスの平均支給額
さて、世の中のボーナス平均支給額はどのくらいなのでしょうか。
2018年の夏ボーナスについて、参考までに調べてみました。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査(2018/4/9)では、このように予測しています。
民間企業(調査産業計・事業所規模5人以上)の2018年夏のボーナスは、一人あたり平均支給額が37万1,010円(前年比+1.2%)と、3年連続で増加すると予測する。
2018年夏の国家公務員(管理職および非常勤を除く一般行政職)のボーナス(期末・勤勉手当)の平均支給額は65万5,735円(前年比+2.1%)に増加すると予測する。
事業所規模5人以上が対象なので、中小企業から大企業までを広くカバーした予測値です。
民間企業と国家公務員ともに、前年よりも平均支給額が増えるという予測となっています。
また、日本経済新聞社の賃金動向調査(2018/5/8中間集計)では、次のような結果です。
2018年夏のボーナス(8日時点、中間集計)は支給額が17年夏比4.62%増の82万9786円だった。前年比増は6年連続。純利益が2期連続で過去最高となった企業業績の拡大が背景にある。
(引用元:夏ボーナス4.62%増、82.9万円 好業績で大幅増目立つ|日本経済新聞)
この記事だけでは調査対象が不明でしたが、199社が対象とのこと。
おそらく上場企業・大企業を対象とした調査であると推測されます。
そのほか、一般財団法人労務行政研究所の調査(2018/5/8)では、下記の結果です。
民間調査機関の一般財団法人労務行政研究所では、東証第1部上場企業127社を対象に、今年の賃上げと同時期に交渉・決定した夏季賞与・一時金の妥結水準を調査・集計した。
平均金額:全産業127社の平均で74万6105円、対前年同期比2.4%増と、伸び率は4年ぶりに上向きに転じた。
(引用元:東証第1部上場企業の2018年夏季賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査)
日本経済新聞社の調査データよりも、少し低めの金額になっています。
また、月給の平均月数では2.45ヵ月という調査結果です。
各社の調査によって、調査対象が異なるので平均額も変わってきます。
また調査対象外の企業も多く、参考程度でみるのが妥当かもしれません。
ボーナスは人件費の調整弁にされやすい
ボーナスは、毎月支払われる賃金とは性質の異なるものです。
というのも、法律上はボーナスを支給する義務はありません。
労働者側と交渉して妥結する必要はありますが、支給ルールは雇用者側で自由に決められます。
支給額も原則自由なので、雇用者側に有利な仕組みです。
つまり、雇用者側の懐事情によって支給額を変動させることもできてしまいます。
「今期の業績は厳しそうだから、来季のボーナスはカット」という選択も可能なワケです。
雇用者側にとって、人件費はコストに他なりません。
経営視点で考えると、最近は人手不足なので好待遇でないと採用が厳しいです。
一方で、もし将来業績が悪化した場合、好待遇な人件費が足枷になるリスクもあります。
相対的に人件費割合が高まれば、整理解雇が必要になったり、最悪の場合は倒産に至ります。
収益に応じて変動させやすい、人件費の「余白」があるほうが好都合なのです。
裏を返せば、労働者にとっては賞与は賃金よりも不確実性が高いと言えます。
残業手当にも影響がある
残業手当を算出するときには、分子に所定賃金を使用します。
この金額が大きければ大きいほど、残業手当が多く支給されるワケです。
所定賃金には、全ての収入のうちボーナス等を除いて計算されます。
例えば、年収480万円の人が居たとします。
基本給が月40万円、ボーナスがゼロの場合、さきほどの所定賃金は月40万円です。
基本給が月30万円、ボーナスが年120万円の場合、所定賃金は月30万円となります。
残業代(割増賃金額)は、月の所定賃金÷月の平均所定労働時間×残業時間×割増賃金率で計算されます。
同じ年収であっても、ボーナスが無い方が残業手当が多く支給されるワケです。
雇用者側はボーナスがある給与体系のほうが残業代を抑えることができるのです。
ボーナスよりも所定賃金や時間単価のほうが重要
サラリーマンという生き物は、ボーナスが支給されると嬉しいです。
ちょっと贅沢をしたい気分にもなります。
ただ、ボーナスで一喜一憂してもあまり意味は無くて。
ボーナスの支給額はどう決まって、交渉から妥結までの経緯はどうだったか。
景気動向に左右されやすいのか、安定的に支給されているのか。
勤め先のボーナスが支給されるまでの仕組みを把握することが重要です。
そして、ボーナスよりも所定賃金や時間単価を意識すると更に良いでしょう。
さきほども述べた通り、ボーナスは不確実性の高い給料でもあります。
所定賃金は残業代にも反映されるため、ボーナスよりも重要度が高いのは明白です。
また、働き方改革により生産性向上が求められている昨今、効率性は需要な要素です。
自身の労働を時間単価で考えることは、効率アップのためにも不可欠だと思います。
いかに効率よく業務を進め、そして自分自身の労働単価を向上させるのか。
そうしたことに集中したほうが、サラリーマン生活も楽しくなると思います。
ボーナスは嬉しいモノですが、基礎的な所定賃金や時間単価の向上に努める。
投資でも配当金は嬉しいモノですが、コツコツ再投資して投資元本の増加に努める。
実はこれ、サラリーマンと投資の共通点かもしれませんね。
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働き方改革が進んでいる昨今、サラリーマンも時間効率を意識することが大事です。
給料を時給換算してみると、効率よく業務を進めるための意識付けになると思います。

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