金融庁が強く要望するNISAの恒久化・期限延長を支持します

マネー雑記

青井ノボルです。

先日、金融庁が「令和2年度税制改正要望項目」を公表しました。
昨年に引き続き、NISA制度の恒久化・期限延長を要望しています。

人生を通じた資産形成を促すべく、NISAによる税制優遇措置を設けて。
投資を始める第一歩を後押しすることが、政策の目的となっています。

そのために要望しているNISAの恒久化・期限延長には、意義があって。
税収減少要因にはなりますが、社会的なプラス要素が大きいと思います。

この記事では、金融庁が強く要望するNISAの恒久化・期限延長について書いていきます。

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金融庁が要望している内容

「NISAの恒久化」という言葉に、誤解している方も多いようです。
ここではまず、金融庁が要望しているNISAの恒久化を整理します。

まず、金融庁が公表した令和2年度税制改正要望項目を確認します。

【要望事項】
○ NISAの恒久化・期限延長
現在、時限措置であるNISAについて、恒久措置とすること。特に、「つみたてNISA」については、開始時期にかかわらず、20年間のつみたて期間が確保されるよう、制度期限(2037年)を延長すること。
(引用元:令和2年度税制改正要望項目

ここで書かれているのは「NISAを時限措置から恒久措置にすること」。
つまり、期限付きの制度から常に使える制度への変更を求めています。

恒久という言葉の意味は「ある状態が永く変わらないこと」。
ここでいう恒久措置というのは、期限の撤廃とほぼ同義です。

つみたてNISAについての要望は、もう少し詳しく書かれています。

「いつ始めても20年間のつみたて期間が確保できるようにして欲しい」。
つまり、20年間の非課税枠を付与する制度期限の延長を要望しています。


(引用元:令和2年度税制改正要望項目

NISAの恒久化というと、非課税期間を無限にすることと考えがち。
ただ金融庁が従来要望している内容は、非課税期間とは無関係です。

つみたてNISAでは、20年間の非課税期間(枠)を20年(回)付与する。
この制度を恒久措置とするだけで、非課税期間も付与回数も不変です。

少なくとも金融庁が税制要望している内容は、上記の通りなのです。

妥当なラインを突いた要望です

金融庁が税制要望している内容ですが、ワタシは支持したいと思います。

もちろん、個人投資家としては非課税期間が無限になれば嬉しいです。
運用益を気にすることなく投資ができれば、最高の制度だと思います。

ただ、実際問題としては財務省(主税局)との折衝が控えています。
相手のある交渉事なので、現実的かつ有効な要望を提出すべきです。

国際比較をすれば、日本での資産形成に係る税制優遇は劣っているでしょう。
ただ単純に国際比較するのはナンセンスで、背景には各国の事情があります。

日本で言えば、資産形成へのマインドがようやく前進してきた初期段階です。
まずは一歩を踏み出してもらう制度として、NISAが存在するのだと思います。

金融庁も、令和2年度税制改正要望項目でこのように書いています。

【基本的な考え方】
資産形成については、個々人が各々の収入・貯蓄の状況やリスク許容度を踏まえて取り組むことが基本。
NISA利用者は成人人口の1割程度にとどまるほか、資産形成のための投資の必要性は感じているものの十分な知識・経験がなかったり、資産が少額であるとして、実際に投資を始めるための一歩を踏み出せない人も存在。税制優遇措置の拡充等により、こうした人々が少額からの長期・積立・分散投資を始め、適切なポートフォリオを構築していくことを支援することが重要。
このため、本年度の税制改正においては、NISA制度の恒久化や利便性向上を要望。
(引用元:令和2年度税制改正要望項目

日本ではまだ、一般市民に投資が広まっていないという状況ということ。
この段階では、少額投資非課税制度はある程度限定的でもやむを得ない。

時限措置を恒久措置とすることで、まず安心して利用できる制度にする。
小さい一歩ですが、段階的な普及を目指すなら大きな一歩だと思います。

投資を本気で普及させるなら

資産形成のツールとしての投資という選択肢は、まだ馴染んでいません。
全員が投資をする必要はありませんが、もっと広まるべきとは思います。

投資の文化を本気で広めるなら、恐らく本丸は年金制度だと思います。
例えば企業型確定拠出年金を強制加入とし、デフォルト商品を投信に。

ある程度の強制力を持って誘導しないと、普及は進まないでしょう。
投資の世界に引っ張り込むくらいの勢いがないと難しいでしょうね。

使うかどうかを自由に選択できるNISA制度は、背中を押す施策です。
NISA制度の非課税期間を無限にしても、効果は限定的だと思います。

もちろん、長期的な目標としてNISAの非課税期間無限化は良いこと。
いつかそうなって欲しいですが、いまは宝の持ち腐れになりそうです。

若い世代が資産形成に踏み込む第一歩

NISA制度、特につみたてNISAは若い世代が資産形成へと踏み出す契機となる。
非常に有効な制度であることは間違いないですし、更に広まって欲しいです。

20年間の非課税期間を、いつはじめても20年(回)得ることができる。
この制度を恒久措置して欲しいという要望は、控えめかもしれません。

ただ国民的な理解を得ながら、主税局と交渉して勝ち取ることが重要です。
最後は政治判断になりますが、金融庁も温度感を熟知しているでしょう。

未来ある若い世代が資産形成に取り組めば、社会は変わると思います。
そっと背中を押すNISA制度が、時限措置というのは勿体無いことです。

つみたてNISAは対象商品も限定的で、良心的なラインナップです。
投資初心者が高コスト投信を掴まされるリスクはほぼありません。

これから投資を始める人も、つみたてNISAをフル活用できるように。
ワタシは金融庁が強く要望するNISA恒久化・期限延長を支持します。

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青井ノボル
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コメント

  1. 他力本願太郎 より:

    NISA普及のネックは税収を減らしたくない財務省と制度の販売をしても収益に貢献しないと考える金融機関(銀行証券保険)の後ろ向きな姿勢ではないかと思います。
    普及させる為にも制度の恒久化はもちろんのこと、積立NISAはスイッチングを使いやすくするとかと金融機関については個別行ごとの制度の販売状況を開示させるとかの施策が必要では(抵抗あるだろな笑)。

    • 青井ノボル 青井ノボル より:

      コメントありがとうございます。
      財務省の首を縦に振らせるには、世論の後押しが不可欠だと考えます。
      現時点では厳しいですが、最後は政治判断なので、ワタシは諦めずに声を上げ続けたいと思います。
      また、制度の改善は是非やってもらいたいですね。
      個人が金融機関に抱く疑念は結構根深いので、ガラス張りにするのは良いと思います!

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