インデックス投資ナイト2018に参加しました(続編)

投資イベント

青井ノボルです。

先日、インデックス投資ナイト2018に参加してきました。

そして参加レポートをアップしたところ、多くの方から反応をいただきました。

この記事を書いた原点は、イベントで学んだことを頭の中で整理すること。

それに加えて、参加されなかった方にイベントの雰囲気が伝われば嬉しいです。
当日参加した人にも、こんな話あったなと振り返る契機になればと思ってます。

何とっても、この記事を通じて個人投資家の輪が広がる感じが最高でした。

ところで、前回の記事では第3部の詳細までは書ききれませんでした。

インデックス投資ナイト2018に参加しました
インデックス投資ナイト2018に初参加!時間が経つのはあっという間ですね。ネットでは情報を取捨選択しがちなので、イベントで様々な考え方に触れるのは良いこと。この記事では、インデックス投資ナイト2018の内容、感じたことや考えたことについて書き綴ります。

この記事では、インデックス投資ナイト2018における第3部の内容、感じたことや考えたことについて書いていきます。

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第3部前半は個人ブロガーによる貴重な生の声

第3部はカン・チュンドさんが進行役で、前半後半に分かれての座談会。
テーマは「インデックス投資を継続するためのメンタリティ」です。

インデックス投資はバイ&ホールドが基本なので、続けることが最重要
でも、暴落相場に遭遇すると振るい落とされてしまう人がいるのも事実。

どんな心持ちでインデックス投資を続けるのかは、永遠のテーマでもあります。

さて、前半は投資ブロガー2名による座談会です。

注目の登壇者

まずは、ゆうきさん

Twitterのアイコンが雪山登山を楽しんでいる姿、というのがまずもって素晴らしいです。
登山好きの個人投資家に悪い人は居ない!と感じてフォローしたのを鮮明に覚えています。

2005年から長きにわたり投資ブログ「ホンネの資産運用セミナー」を書かれています。

ホンネの資産運用セミナー<インデックス投資ブログ>

もう1人は、プログラムに「某投資ブロガー」と書かれているだけ。
イベントの目玉でもあるシークレットゲストってやつですね。

誰が登場するのかと思ったら、頭に鴨ネギを被った方が登場!
そう、鴨ネギアイコンでお馴染みの個人凍死家テリーさんです。

2014年から「個人凍死家テリーの投資生活チラシの裏」を書かれています。

個人凍死家テリーの投資生活チラシの裏
ここはおいらのチラシの裏。投資生活のメモや投資家さんとの交流を記録して行きます。読者の生活に何も役立たないが、一瞬だけ笑顔になれる落書きを目指します。チラシの裏に内容や数を期待しちゃいけないぜ!e-mail:frozen.investor.telly@gmail.com

お二人とも投資歴が長く、またインデックス投資の王道をアレンジされているのが特徴です。

ゆうきさん

例によって、登壇者のそれぞれの発言から印象に残ったことを中心に触れていきます。
まずはじめに、ゆうきさんです。

ゆうきさんは、優待株から投資をスタートされたそうです。
優待券の縛りで、ランチで行ける店が限られていたとか。

その後、インデックス投資とヘッジファンド(!)に移行。
リーマン・ショック後はインデックス投資にシフトされたそうです。

ゆうきさんの特徴は、相場の変動に合わせて現預金の比率を調整すること。
投資方法はインデックス投資ですが、相場変動に合わせてリスク資産を増減させます。

つみたてNISAなどを活用して、インデックスファンドへの積立投資が基本。

その上で、相場が上がってくれば徐々にリスク資産を売却、現預金比率を上げます。
逆に、相場が下がってくれば徐々にリスク資産を購入、現預金比率を下げます。

そのため「相場が下がったほうが安く買えて楽しい」というメンタリティだそうです。

相場が下がったら買い増すこと、投資の世界ではナンピンと呼ばれています。
緩やかに市場は成長することを信じられるからこそナンピンできるそうです。

ひとつ面白いなと感じたのは、相場変動に対応した売買をiDeCo口座で行っているという話です。

たしかに、リスク資産と定期預金でスイッチングしても、売買に伴う課税が発生しません。
iDeCoにこういう使い方もあるとは考えたことが無かったので、目から鱗でした。

最後に仰っていたのは、基本的には「バイ&ホールド」を続けた方が良いということ。

そして市場から退場しないために重要なのは、経済の仕組みや歴史を知ること。
更に言えば、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用を知ること。

お話されていた内容のポイントについては、ご本人のブログ記事にも書かれています。

インデックス投資ナイト2018の第三部座談会に登壇した | ホンネの資産運用セミナー<インデックス投資ブログ>

相場変動に応じて現預金の比率を調整する方法、以前に少しだけ検討したことがあります。

ワタシの場合は、投資判断の要素を極力排除したいので、難しいかなという結論です。
リスク資産と現預金の比率を決めているので、リバランス時に類似の効果を期待できます。

これなら感情の入り込む余地がない反面、リターンを急上昇させるには至りません。
恐らく気休め程度の効果しかないですが、ルール化したほうが相性が良さそうです。

テリーさん

テリーさんは、ITバブルの2000年前後に投資信託で投資をスタート。

はじめは某都銀や某証券の窓口で相談して、投資信託を選んでいたとのこと。
窓口には素敵な女性担当が出てきて、投資信託の提案を受けたそうです。

進行役のカンさんによると、男性客には女性担当、女性客には男性担当が鉄板だとか。

投資信託で大きく損を出したテリーさんは「投信はボッタクリ」と判断して個別株へ。
個別株では仕手株に手を出してしまい、ここでも損失が出てしまったようです。

こうした経験から王道の投資法が良いと考え、インデックス投資の道へ。
とはいえ「相場が大好き」ということで、個別株もやっているとのこと。

インデックス投資を始めたことで、個別株でも情報に惑わされなくなった。
また「自分の好きな銘柄を買う余裕も生まれた」という話が印象的でした。

インデックス投資というコア戦略があってこそのメンタリティなのだと思います。

そのほか、「ナンピンは大体クソナンピン」という名言も飛び出しました。

人間たるもの、ナンピンはやりたくなってしまうもの。
ただ下げ相場の底は分からないため、後悔するのがほとんどとのこと。

下げ続けても耐えられるメンタルの強さが無いと難しいようです。

テリーさんによる最後のコメントが、個人的には一番印象に残りました。

「人間というのは弱い生き物だし、儲けたいとも思うけど、それでいい」

投資のルールを決めた人は、ルール通りに実践すること。継続のためにはこれが大事。
投資を面白くやりたい人は、損をしても良いと思える範囲で個別株をやっても良い。

長期投資を継続するためのメンタリティとして、この考え方は面白いなと感じました。

人間だから感情に流される部分もあるという前提で、あえて感情をガチガチに管理しない。
少しだけ遊びを作っておくことで、リスク資産をゼロにするような極端な行動を避ける

たしかに相場から退場さえしなければ、程々のリターンは得られるはずです。
急がば回れ的な発想であり、感情との向き合い方として面白いなと感じました。

ちなみに、テリーさんのブログにも今回伝えたかったメッセージが書かれています。

インデックス投資ナイト2018にあのカモネギが帰ってきた! : 個人凍死家テリーの投資生活チラシの裏
ご挨拶こんにちは、ITTINです♪ 母子ともに健康ですっ!さて、今回は先日7月7日に開催されたインデックス投資ナイト2018に参加させていただいた報告をさせていただきます。インデックス投資ナイトの参加報告は多く方がされておられます。私自身、裏方で飲みすぎて打ち合わ

そういえば、登場時に炸裂させていた内輪ネタも個人的には面白かったです!

第3部後半は竹川さんと山崎さんの名言多数

後半戦は、インデックス投資界隈ではお馴染みの竹川美奈子さんと山崎元さんのお二人。

癒し系発言の多い竹川さんと、毒舌を交えた山崎さんのコンビ。
それぞれの個性が出てて、お話を聞いていて純粋に楽しかったです。

リスク許容度における2つの視点

ここでは、気になった内容ごとにまとめて書いていきます。
まずはじめに、竹川美奈子さんの発言からリスク許容度について。

リスク許容度について、竹川さんは2つの視点があると仰っていました。

  1. 心臓がバクバクするかどうかの心の許容度
  2. 生活を金額ベースで考える経済的な許容度

いま流行りのロボアドは、前者の許容度を図る質問をしてくるそうです。

ただ、本当は経済的な許容度も大事な要素であるはず。
これは個人毎に環境が違うので、許容度も当然異なる。

そのため、「個人も年に1度は決算をしましょう」という話でした。
決算書とは、損益計算書・貸借対照表・株主資本等変動計算書です。

収入と支出を把握するための損益計算書。
資産と負債のバランスを把握するための貸借対照表。

この2表を抑えておきましょうという趣旨だと思います。

いわゆる家計簿は、あくまで損益計算書の一部分に過ぎません。
また、貸借対照表で資産と負債のバランスを確認するのも大事です。

経済的な現状を正確に把握したうえで、リスク許容度を考える。
それが重要であるというメッセージであると感じました。

年1回決算するのも一つの方法ですし、MoneyForwardなどで適宜確認もありです。
何となくではなくて、数字で現状を把握するというのがポイントだと思います。

そういえば、山崎さんから「ロボアドバイザーはボ●アドバイザー」という猛毒発言もありました!

また真面目な話としては、65歳から95歳までの360ヵ月の老後資金でリスク許容度を考える方法。
具体的には、360万円減少≒老後の取崩し額が月1万円減る、に耐えられるかどうかを考える。

老後のお金に換算することで、リスクをイメージしやすくなるのではということです。

リスク許容度については、自分の全体のリスクは自分で決めるしかないという結論に。
これはその通りで、自分事として悩み考え抜いて決めるしかないと思います。

また、リスクは投資だけにあるワケでは無いという話も面白かったです。
たとえば転職・結婚・就職は、だいたい3割が失敗するとのこと。

転職の成功確率、転職経験豊富な山崎さんが言うなら間違いないでしょう。
結婚については、よく3組に1組が離婚するとも言われています。
就職も、3年で3割が辞めるというのは有名すぎる話ですよね。

リスクはあるけれど、なるべく良さそうな道に人生を転がせていくしかない。
なるほどなと、妙に納得してしまいました。

暴落時に何が起きるのか

リーマン・ショック、東日本大震災、ライブドアショック、などなど。
世の中の大きな変動により、相場が大崩れする場面は必ず訪れます。

相場暴落に直面したときに、個人投資家はどうなってしまうのか。
ワタシも経験がありますが、自動積立を放っておくのが精いっぱいでした。

進行役のカンさんからは、心身に症状が現れるケースについて話がありました。
具体的には「蕁麻疹が出た」「夫婦喧嘩が増えた」という事例があったようです。

「いったん休みます」とだけ言って、リスク資産を全売却する人も多かったとか。

竹川さんからは、東日本大震災のときに換金性の重要性を感じたという話も。
非常時用のお金をどこに置くか考えるとき、流動性は確かに大事だと思います。

また、コツコツ投資を続けていくためには、不況時にも稼ぎ続けることが重要ですねと。
景気に大きく左右されない仕事を選択する、これも一つの考え方だと感じました。

そのほか、リーマンショックで積立投資を止める人が多く、勿体無いと感じていたそうです。
そんな竹川さんが、投資を継続するための3つのポイントを教えてくれました。

  1. 自動化する
  2. ルール化する
  3. 仲間をつくる

仲間をつくる意味で、「コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ」が生まれたとのこと。
東京でも毎月開催されているイベントなので、いつか参加してみたいと考えれいます。

山崎さんからは、日中貿易戦争の懸念についてバッサリ斬る発言が痛快でした。
「トランプ大統領の言動は田舎のプロレス。反則も少しするけど、怪我しない程度にやってる。」

今すぐに慌てる必要は無いとの見解でした。

日常の暮らしの中に投資があるのが理想

第3部の終盤に「相場が暴落した、どうすれば良いか」という相談にどう対応するかという話題がありました。

竹川さん・山崎さんともに共通していたのは、人に任せず自分で決めるということ。
個人的にはブログを書き始めたときから感じていたことですが、やっぱりそうだなと確信しました。

竹川さんは、投資方針書の作成をおススメしていました。
これは相場が落ち着いている平常時にこそ、考えておきたいということ。

相場暴落など、何かあった時に立ち返るべきものが必要という趣旨のようです。
投資方針をブログで発信し続けるという選択も良いのではないかと考えます。

そして、金言だと感じたのが「日常の暮らしの中に投資があるのが理想」という考え方。
投資のメンタリティは自分のライフスタイルに合わせて日常生活に溶け込ませておくもの、と解釈しました。

投資における大暴落も、地震・水害といった自然災害も、生きていれば必ず遭遇するものです。
それに対して、平常時にしっかりと準備しましょう、というのは確かにそうなんだと思います。

ここから更に一歩踏み込んで考えると、大暴落も自然災害も突然やってくるものです。
日常生活を過ごすなかで、突然やって来ます。直前に備える余裕は無いかもしれません。

だからこそ、日常生活の中にしっかりと溶け込ませておくことが大事なんだと思います。
例えば自宅に防災セットを備えても、通勤中に自然災害が起きたら使えませんよね。

つまり心身ともに、いつ非常事態に突入しても大丈夫な状態が理想なんだと思います。

そのためには、平常時から少しずつ心と身体を慣らしておく必要があるのかもしれません。

投資は感情ではなく理性で合理的に判断を

山崎さんが何度か口にしていた「理性」「合理的」というキーワード。
投資やお金関係は合理的に割り切って判断して、それ以外のことに労力を割きましょうと。

それ以外というのは、家庭生活であったり、趣味であったり、本業であったり。
投資は合理的に割り切って判断して、時間を節約するということでしょうか。

また投資は感情ではなく、理性で決めたほうが上手くいくということです。
システム1で直感的に判断せず、システム2で熟慮して決めたほうが良いと。

システム1とか2という話は、選択の科学のなかでも出てきた気がします。
用語説明については、詳しく解説しているブログから引用します。

システム1
自動的に高速で働き、努力はまったく不要か、必要であってもわずかである。また、自分のほうからコントロールしている感覚は一切ない。(自動的、速い、連想的、感情的)

システム2
複雑な計算など頭を使わなければできない困難な知的活動にしかるべき注意を割り当てる。一連の段階を踏み順序立てて考えを練り上げる。(努力を要す、遅い、意識的、規則的、客観的)
(引用元:システム1とシステム2|ビジネスのための一般教養

感情や直感に惑わされないようにしましょう、という警告だと理解しました。

理性で合理的に判断するためにも、自分自身の投資方針を明確にするプロセスは有効だと思います。
投資方針書はどこかのタイミングで作成したほうが良さそうですね。

第3部を通じての感想

個人投資家および有識者による、内容の濃いトークが続いた第3部。

インデックス投資の本質である「続ける」という課題に対して、様々な視点がありました。
同じ内容であっても切り口によって見え方が違うので、より深くまで考えていけそうな気がします。

また、こういうアプローチや考え方もあるんだという気付きも多かったです。

考えれば考えるほど、更に新しい課題が見えてきて、また考える。
インデックス投資は単純なようで、実に奥深い世界でもあります。

インデックス投資ナイト2018は、いろんな刺激を貰えるイベントでした。

こんな素晴らしいイベントを企画運営された実行委員の皆様に感謝です。
来年も、そしてこれからも、こうしたイベントに参加できれば嬉しいです。

学んだことを今後に活かす

今後もインデックス投資を続けていくために、今回学んだことはじっくり考えてたいです。
考えた過程と結果をブログで発信しながら、投資マインドを日常に溶け込ませていきます。

愚直にやり続けていくことで、自ずと答えは見えてくるのだと思います。

イベントで学んだことを、生かすも殺すも自分次第なのかもしれません。
自分なりに考え抜くことで、インデックス投資をより深く理解できそうです。

これから先どうなるかは分かりませんが、続けていけるように頑張ります!

あとがき

QUICK Money WOrldに、インデックス投資ナイト2018の記事がアップされました。
主催者・登壇者・参加者のコメントが多数掲載されているので、読み応え抜群です。

ワタシのコメントもこっそり載っていますので、あわせてご覧ください。

著名ブロガーも金融庁職員も熱く語った 「インデックス投資ナイト」盛況 - 資産運用・資産形成|QUICK Money World - 株式投資・マーケット・金融情報の総合サイト
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