eMAXIS Neo シリーズはリスクが大きいことを確認

投資信託・ETF

青井ノボルです。

三菱UFJ国際投信のeMAXIS Neo シリーズが設定されてから2ヵ月半。

革新的技術のテーマ型ファンドを、低コストなインデックスで提供する。
そんな想いを込めて、宇宙開発・ロボット・遺伝子工学が設定されました。

第2回ブロガーミーティングでも、eMAXIS Neoへの想いが語られました。
これまでにないコンセプトは面白いし、アクティブよりは良さそうです。

設定から時間が経過し、基準価額の推移はどうなっているのか。
確認してみたところ、リスクの大きさを実感した次第です。

この記事では、eMAXIS Neo シリーズにおけるリスクの大きさについて書いていきます。

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eMAXIS Neoは革新的なファンド

資産形成のベースツールであるインデックスファンドが揃うeMAXIS。
特にeMAXIS Slim シリーズは、コスト重視顧客向けのシリーズです。

テーマ型ファンドは売れている傾向にあり、ほとんどがアクティブ運用。
アクティブファンドなので、運用コストは割高となる傾向にあります。

そこで、テーマ型を低コストで提供するという発想から始まり。
Kensho社の指数を対象とするeMAXIS Neoが生まれたそうです。

企業の開示情報からAIが銘柄を選ぶKensho社の指数に連動する。
そのことで、革新的技術を有する企業に投資ができる仕組みです。

革新的なインデックスであり、扱うテーマも革新的技術です。
eMAXIS Neoは革新的なファンドであると言えるでしょう。

未成熟なセクターへの投資です

「宇宙開発」「ロボット」「遺伝子工学」はどれも発展途上のセクター。
新しい産業セクターなので、期待値は高いですがリスクも大きいです。

これは、第2回ブロガーミーティングでも担当者が触れていました。
未成熟なセクターではあるが、ある程度の分散はできるとのこと。

社会に浸透していけば、時価総額が大きい銘柄も入ってくるハズ。
徐々に安定していく、長期で成熟していくセクターと思っている。

だから、長期投資に向いていないとは言えないという話でした。

成長が期待できるセクターの指数という謳い文句ですが、実際はどうでしょう。
ワタシは、革新的技術に関する知識が全く無いので絶対に投資しません

長期的に成熟するかもしれないセクターですが、現時点では未成熟です。
未成熟であるが故に、リスクの大きさは覚悟すべきことであると考えます。

リスクを踏まえたうえで、革新的技術に賭けられるなら投資すべきでしょう。

eMAXIS Neo シリーズのリスクを確認

ここで、eMAXIS Neo 遺伝子工学の基準価額推移を確認します。


(引用元:eMAXIS Neo 遺伝子工学|三菱UFJ国際投信

ざっと見て、直近1ヵ月で15%以上の大幅下落となっていることが分かります。

同期間のeMAXUS Slim 米国株式(S&P500)は、約5%の下落に留まっています。
資料によると44銘柄に投資をしているようですが、分散効果は感じないですね。

2018/10/22時点のeMAXISなんでもランキングを見ても、直近1ヵ月リターンが厳しい数字です。
全50ファンド中、宇宙開発45位(▲6.89%)・ロボット48位(▲12.91%)、遺伝子工学49位(▲16.25%)です。

50位は、設定されたばかりのeMAXISジャパンESGセレクト・リーダーズインデックス。
新規設定ファンドを除けば、eMAXIS Neo 遺伝子工学は最下位となってしまいました。

同ランキングの直近1ヵ月リスクも、かなり大きな数字となっています。
宇宙開発47位(6.77%)・ロボット48位(8.22%)、遺伝子工学49位(10.08%)。

リスクを取らないとリターンが得られない、というのは常識です。
ただし、リスク許容度を超えたリスクを取るべきではありません

eMAXIS Neo シリーズのリスクは、伝統的なインデックスよりも高い。
短期間で判断すべきでは無いかもしれませんが、高い数値なのは事実。

サラリーマン向けの長期分散積立投資に資するリスク資産なのか。
個人投資家であればこそ、じっくり考える必要があると思います。

アクティブ寄りのインデックスファンドです

良くも悪くも、eMAXIS Neo シリーズはアクティブ運用に近いインデックスファンドです。
ブロガーミーティングでは、S&P500を上回る投資成果を期待するという発言もありました。

伝統的なインデックスよりも良い投資成果を目指し、特定のセクターに投資する。
特に革新的技術と言われるセクターであれば、成長期待も高いような気はします。

ディープラーニングや言語処理の技術でエンジニア達が切り拓いたAI選定指数。
Kensho社の取り組みは革新的で、AIが銘柄を選ぶテーマ型指数は面白いです。

ただし、伝統的なインデックスを上回るためにはリスクを取る必要があります。
セクター選定のリスクを取るべきなのかは、各自で判断するしかない世界です。

アクティブ運用は、市場の価格形成を適切に行うためには必要不可欠です。
必要不可欠ですが、個人投資家がやるべきかどうかは別問題になります。

eMAXIS Neo シリーズは、アクティブ運用に限りなく近いと感じています。
リスクが大きく、その分だけ期待リターンも大きいというファンドです。

ワタシは少し離れたところから、eMAXIS Neoを見守っていくとします。

 

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青井ノボル
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コメント

  1. くまさん より:

    テーマ型の投信は当たり外れが大きいです。当たりくじを引くのは運頼みと思ってます。アクティブファンドで当たりを見つけると同じようにテーマ型も見つけるのは非常に困難で労力に見合わない結果になることが容易に推察出来ると思ってます。
    それならS&P500インデックスで期待リターン7%で確実に攻めていって、普通に仕事したほうが、資産形成の近道なように考えてます。

    • 青井ノボル 青井ノボル より:

      コメントありがとうございます。
      革新的技術の動向に精通していたり、興味があって調べ尽くせる人には魅力的な商品なのだと思います。
      ワタシは技術革新が進んで便利な世の中になって欲しい反面、投資でセクターのリスクは取れないなとも感じています。
      eMAXISシリーズは、資産形成ベースツールの充実に注力してもらいたいと願っています。

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