人生を変えた「お金は寝かせて増やしなさい」(水瀬ケンイチ著)

書籍

青井ノボルです。

この記事は、ブログのなかで絶対に書きたい記事のひとつでした。

タイトルの通り、水瀬ケンイチさんの著書「お金は寝かせて増やしなさい」の記事です。
後述しますが、この書籍はワタシの人生を大きく変えた一冊でもあります。

個人的な思い入れが非常に強いため、大切に書き綴りたい記事でもありました。
ブログに慣れてきたら書こうかなと考えていたら、あっという間に5ヵ月が経過。

WordPressへの引越しを契機に書くつもりが、その機会もうっかり逃しました。

今週末、インデックス投資ナイト2018でご本人にお会いできるかもしれない。
その前にちゃんと記事にしておこうと考えて、筆を執る決心をしました。

どんな記事になるのか不安ですが、清水の舞台から飛び降りる覚悟で書くことにします。

この記事では、「お金は寝かせて増やしなさい」を読むことになった経緯、読んだ感想や感じたことについて、書き綴ります。

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キッカケはある投資ブログに出会ったこと

最初に少しだけ、ワタシの個人的な話を書かせてください。

2007年に新社会人となったワタシは、社会人1年目にほぼ全財産を一括投資。
社会人2年目からは積立投資にシフト、5年前に全資産売却で利益確定しました。

詳しい話は、こちらの記事(全4話)に書いています。

リーマンショック前に一括投資して失敗した話(第1話/若さゆえの過ち)
投資家たるもの、失敗はつきものです。 大失敗して借金を抱えるようでは駄目ですが、少しの損失はアリだと思います。 失敗しながら多くのことを学び、成長していくワケです。 今回は、若かりし頃に投資信託の一括投資で失敗した話の第1話です。

手元の現預金も増えてきたので、投資を再開したいと考え始めたのが2018年1月。
ドルコスト平均法の積立投資で小さな成功体験があり、積立投資を中心に検討です。

当時、積立投資する対象の投資信託を選ぶために、ネットで情報収集していました。
そうしたなか、経緯は全く覚えていませんが、ある投資ブログに辿り着きました。

本書の著者である水瀬ケンイチさんの「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)」です。

ガラガラ・・・ピッシャーン!

そのとき、ワタシは雷に打たれたような気がしました。
というのも、投資戦略が「バイ&ホールド」だというのです。

インデックス投資を体系的に理解するために購入

当時、株や投資信託の基本は「安く買って高く売る」だと信じていました。

投資素人はドルコスト平均法の積み立て投資により、相対的に安く買い付ける。
そして、相場が落ち着いた時に売り抜く。相場が過熱してきたら、積立を再開。

景気は数十年単位で大きな波を形成してきた歴史があるので、波に合わせて投資する。
タイミング投資+積立の中期投資が良いと思っていたところに、「バイ&ホールド」です。

持ち続けるという選択は並大抵のことでは無いというのは、直感的に分かりました。

なぜホールドできるのか、その答えを求めて水瀬ケンイチさんのブログを読み漁りました。
他の方の視点も気になったので、「厳選ブログリンク集」も貪るように読み漁りました。

どうやら、世の中にはインデックス投資という投資法があるらしい。
実際にバイ&ホールドしている個人投資家が、一定数はいるらしい。

ブログを読むことで大枠は理解できて、自分にも合っている気がする。
だけど、本当にこれで良いのかという確信が持てない状況でした。

そのとき、水瀬ケンイチさんの書評PICKUPのブログ記事を思い出して。
よくよく調べると、ほんの少し前にインデックス投資本を出版したらしい。

水瀬ケンイチさんの書籍なら、インデックス投資のことを体系的に理解できそう。
思い付いたら即行動、最寄りの書店に向かいましたがお目当ての書籍は見当たらず。

ネット検索で在庫を調べたら、隣町の書店には置いてあることが判明。
ソッコーで自転車を走らせること数十分、お目当ての書籍を手に入れました!

このとき購入した書籍こそが「お金は寝かせて増やしなさい」だったのです。

最高のタイミングで出会い、人生が変わった

書籍というのは、言葉やイラストによって情報を詰め込んだモノ。
様々な情報が詰め込まれていますが、メインとなるのは言葉です。

本書は、個人投資家目線で、普通のサラリーマン目線で、寄り添うように書かれています。
そして10年以上続けられている投資ブログと同様に、読みやすい文章で構成されていて。

東電株やガリガリ君の話など、合間に入ってくるエピソードも理解を促してくれます。

「インデックス投資を始めてみようかな」「庶民に相性の良い投資って何だろう」といった投資初心者。
もちろん、投資経験者が読んでも面白いと思いますが、投資初心者にこそ相性の良い本だと感じました。

ワタシの場合は、「なぜインデックス投資はバイ&ホールドできるのか」を知りたくて。
少しだけ投資経験はありましたが、ほぼ投資初心者の状態で、本書を読んだワケです。

読み終わって、インデックス投資やバイ&ホールドがストンと腹に落ちたような気がしました。
同時に、インデックス投資の肝であるバイ&ホールドを継続する難しさも再認識することに。

インデックス投資を続けていくためには、投資方針を悩み考え抜いて確固たるものにすることが大事。
そう思ったワタシは、本書を読み終わって数日後、インデックス投資ブログを書くことに決めました。

考えた経緯をブログという形でアウトプットしながら、投資方針を固めていく。
ブログを通じて、長期投資を志す個人投資家同士の繋がりを作って交流を図る。

そんなことを想像しながらブログを書き始めて、現在に至ります。

「インデックス投資について体系的に理解したい」と思って読んだのが本書でした。
当初の想いは確かに達成されて、いまこうしてインデックス投資を実践しています。

と同時に、このブログを書き始めるキッカケになったのも間違いありません。

一人の人間が本書を読み、インデックス投資を始め、そしてブログまで書き始める。
一冊の本が、一人の人生を大きく変えたと言っても過言ではありません。

最高のタイミングで最高の一冊に出会えたのは、ワタシにとって幸運だったと思います。

本書には、水瀬ケンイチさんが15年間実践してきた血と汗と涙の結晶が詰まっていて。
貴重な実践体験をベースに書かれているからこそ、人の心を動かすのかもしれません。

第5章では腹落ちさせる重要性を学んだ

本書の書評記事は、すでに多くの投資ブロガーによって書かれています。

大まかな傾向として、第5章こそが本書の真骨頂という感想が多いようです。
ワタシもその通りだと思います。水瀬ケンイチさんにしか書けない内容です。

特に、リーマンショック当時の実践記にはハッとさせられました。

私のブログにも、インデックス投資を紹介してきたことに対する誹謗中傷の嵐が吹き荒れました。
(中略)
特に悲しかったのは、それまでブログのコメント欄の常連さんで、「インデックス投資万歳!」と言っていた方が豹変し、「水瀬は死ね!」などと中傷コメントを書いてきたことです。
(引用元:お金は寝かせて増やしなさい P218-219)

何となくインデックス投資を始めると、多分こうなるのでしょうね。

バイ&ホールドはシンプルな投資法ですが、続けるのは本当に難しい。
自分で考えて腹に落とすことが大事、ということを強く感じました。

個人的に一番好きなのは第2章

多くの人から人気を集める第5章以外で、ワタシが大好きなのは第2章
第2章のタイトルは「寝かせて増やすインデックス投資の実践法」です。

インデックス投資を始めるとき、どういった手順で考えれば良いのか。
具体的な手順と考え方のヒントを提示してくれています。

この内容は、古典的なインデックス投資関連本では絶対に書かれていない内容です。

「敗者のゲーム」「マネーと常識」といった書籍は、もちろん素晴らしいです。
ただ著者はアメリカ人であり、日本特有の投資環境や金融機関特性はお構い無し。

理屈を理解した上で、具体的に何をどうすればインデックス投資を始められるか。
本書の第2章に書かれている内容は、非常に再現性が高い点が特徴だと思います。

それでいて、投資初心者が間違えやすい点をしっかりとケアしています。

過去のある一定期間の実績リターンを、そのまま期待リターンにあてはめるのは不適切だということだけは覚えておいてください。
(引用元:お金は寝かせて増やしなさい P75)

投資が趣味でも仕事でもない普通の個人投資家にとっては、株式クラスの中身を細かく検討することよりも、国内債券をどの程度組み込むかを検討することの方が、実は、はるかに影響が大きいのです。
(引用元:お金は寝かせて増やしなさい P91)

本来、投資が趣味でも仕事でもない私たち普通の個人にとって、投資なんかのために使う時間は、短ければ短いほどいいのです。
(引用元:お金は寝かせて増やしなさい P111)

どの言葉も忘れがちな内容なので、付箋をつけて読み返せるようにしています。

第2章を通じて、インデックス投資を実践するための具体的なプロセス、考えるべきポイントを学びました。
自分なりの投資方針を固めるにあたり、非常に参考となり、また考えを構築する助けになりました。

水瀬ケンイチさんは、試行錯誤しながらインデックス投資のスタイルを確立されたんだと想像します。
読者特典に書かれていましたが、特にインデックス投資黎明期においては、色々と大変だったようです。

長年にわたり苦労して積み重ねてきたノウハウを、この第2章で惜しみなく披露されているワケです。
改めて考えてみると、著者の純粋な想いが詰め込まれた書籍なんだなと、感じずにはいられません。

本書で学んだことをベースに投資準備

このブログは2018/2/1に開設して、2018/2/5に初投稿しています。
最初の1ヵ月は、投資準備に係る記事を中心に書いていました。

考えていく順番は「図12 失敗しないインデックス投資の手順(P117)」に書かれている通り。

1.生活防衛費について考えて

4人家族のサラリーマンが考える生活防衛費
ワタシは4人家族のサラリーマン。いわゆる家庭持ちです。それ故に、家族の生活を守ることが最優先事項になります。 「よーし、全財産をリスク資産で長期投資しちゃうぞ!」という訳にはいきません。 今回は、そんなワタシが生活防衛費について考えてみました。 

2.リスク許容度を検討し

30代サラリーマンがリスク許容度を検討
生活防衛費の次に考えておきたいのは、投資をしていくうえで欠かせないリスク許容度。 投資にはリスク、つまり価格変動が付き物ですが、平常心を保って保有資産をホールドし続けることが大切です。 今回はリスク許容度について考察してみます。

3.アセットアロケーション(資産配分)を考え

30代サラリーマンがアセットアロケーションを考える
リスク許容度の次に考えたいのは、リスク許容度に応じたアセットアロケーション(資産配分)です。 株式や債券、REITといった資産の種類がありますし、地域も新興国・先進国などがあります。 今回は、アセットアロケーションについて考えます。

4.ポートフォリオに落とし込む

全世界株式に投資するポートフォリオを考える
アセットアロケーション(資産配分)の次に考えたいのが、アセットアロケーションに沿った具体的な投資商品の選定です。 同じ資産クラスであっても、実に様々なファンドがあります。 今回は、金融商品を選択しながらポートフォリオを決めていきます。

本書を通じておススメされていた内容と私の考えには、異なる部分もあります。

水瀬ケンイチさんとワタシは置かれている環境が違いますし、価値観も違います。
普通のサラリーマンという大きな軸は一緒でも、異なる部分があるのは当然です。

水瀬ケンイチさんを真似るワケでは無く、考え方を参考にして自分事として考える。
自ずと異なる部分は出てくるし、自分で考えるからこそ腹に落ちるのだと思います。

先人の知見を活用することで、自分の投資方針を構築するスピードは段違い。
水瀬ケンイチさんが時間を掛けて試行錯誤で行き着いた手順に乗るだけです。

もちろん、これだけで確固たる投資方針が固まるワケではありません。
それでも投資方針の基礎となる部分が出来上がったものと感じています。

そういえば1点だけ、本書を読み終わっても腹に落ちなかったことがありました。
それは「債券は資本主義経済の成長に投資することと同じ」なのかということ。

民間債であれば、株式と似たようなロジックでイメージすることができます。
ただ、公共債は資本主義経済の成長とどう連動するか、イメージできません。

債券の基本的な仕組みしか知らないので、現時点で理解するのは難しいのかもしれません。
これから勉強していきたいなと感じているジャンルのひとつです。

仕組みが理解できず腹に落ちないものは手を出さない、というのが投資の大原則
無リスク資産の個人向け国債変動10年以外の債券には、手を出さないようにしています。

特に投資を始める人に読んでもらいたい

本書は、著者である水瀬ケンイチさんが「多くの日本人に知っていただきたい(P237)」というピュアな想いで書かれた一冊だと思います。

利益相反関係にある金融機関ではなく、投資のプロではなく、個人投資家の目線で書かれていて。
世界標準とも言えるインデックス投資を、日本在住の庶民流にアレンジした、再現性の高い内容。

投資初心者はもちろん、これからの投資を始めようと思っている人、投資をすでに始めている人。
誰が読んでも学びの多い本ですが、特に、これから投資を始める人に読んでもらいたい一冊です。

金融庁も本気を出しているので、投資を始めるには最適な環境が整いつつあります。
2018年1月につみたてNISAがスタートし、投資信託の低コスト化も一気に進みました。

本書がおススメするインデックス投資を始めるには、過去最高の環境と言えるでしょう。

だからこそ、インデックス投資を始める前に、ぜひ本書を読んで欲しいと思います。

最後に、ワタシが一番好きな文章を少し長めに引用させてください。

インデックス投資は簡単で手間がかからない投資法ですが、今後何十年も継続するためには、なぜこの方法でリターンが得られるのかという本質的な部分を十分に理解して、腹に落とし込んでおくことがとても重要だと考えます。
「型」だけをなぞって始めることは簡単ですが、投資は自己責任であり、孤独な道のりです。道中、誰も道案内をしてくれません。手取り足取りアドバイスしてくれません。
インデックス投資の本質部分が腹に落ちていないと、人は少しの損失であわてふためき、怖くなってすぐに売却してしまい、結局はインデックス投資を継続できなくなってしまうことを、リーマン・ショックのときに嫌というほど実感しました。
(引用元:お金は寝かせて増やしなさい P151)

本当にその通りだと思います。

最後に立ち返るべきは自分自身です。だからこそ自分で考えるべきです。

ただ「型」を知ることは、考えを深めていくスピードを確実に加速させます。
そして、誤った方向に突き進んでしまうリスクも軽減されることでしょう。

この記事を通じて伝えたいこと

ワタシは、本書を通じてインデックス投資を始めることができました。
気が付いたら投資ブログを書き始めていて、悩み考えていく過程を発信していました。

ブログで発信しながら、Twitterを通じて個人投資家同士の交流の輪が広がりました。
長期投資を志す皆さんから様々な刺激を受けながら、金融リテラシーを高めています。

著者である水瀬ケンイチさんとも、Twitterやブログを通じて繋がることができました。
そして今週末、インデックス投資ナイト2018では直接お会いすることができそうです。

もしあのとき、「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」と出会っていなければ。
もしあのとき、「お金は寝かせて増やしなさい」を読んでいなければ。

当たり前の日常を、これまで通り、当たり前に過ごしていたんだと思います。

これほどまでに知的好奇心を刺激され、自発的に学び、そして発信していく。
ブログを5ヵ月以上更新し続ける未来なんて、全く想像していませんでした。

もちろん、家族と過ごす時間が一番大事ですし、心が穏やかな時間でもあります。
ただ家庭と仕事以外で、これほどまでに没入できる趣味ができるとは想定外でした。

人生が大きく変わったキッカケ、それは間違いなく本書であり水瀬ケンイチさんです。

だからこそ、このブログ記事を通じて、これだけは伝えたかった。

人生をポジティブに変化させるキッカケをいただきました。
水瀬ケンイチさん、本当にありがとうございます。

そして。

多くの“普通の人”が本書と出会い、豊かで楽しい人生が過ごせますように。

 

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3人目の子供が生まれる前、ブログをはじめて間もないころに書いた記事です。
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インデックス投資は、実際にやってみると本当にやることが少ないです。
空いた時間は、人生を楽しむために思いっきり使いたいところですね。

インデックス投資は驚異的に手間の掛からない投資法です
主につみたてNISAとiDeCoで積立投資をしているワタシですが、ふと思ったのです。 「投資に直接関係すること、ほとんど何もやっていない・・・」 この記事では、インデックス投資に掛けている手間の実態を赤裸々にお伝えします。

 

青井ノボル
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