「マザーファンドの換金に伴う信託財産留保額」の損得を考える

投資信託・ETF

青井ノボルです。

投資信託の解約時に発生することがある、信託財産留保額。
手数料無料のファンドが多く、あまり耳にしない言葉です。

手数料はゼロのほうが良いと思うのが、一般的な感覚です。
ただし、信託財産留保額は無ければ良いとも限りません。

この記事では、「マザーファンドの換金に伴う信託財産留保額」の損得を考察します。

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信託財産留保額とは何か

投資信託には、様々な種類の手数料があります。

買うときの販売手数料、保有中の信託報酬、そして売るときの信託財産留保額
投資信託を換金する際に発生する信託財産留保額とは、一体何なのでしょうか。

複数の投資家からお金を集めた投資信託は、株式などを運用しています。
この状態から換金するには、運用資産を売却して現金の用意が必要です。

売却時に手数料がかかったり、売却による各種ロスも発生します。
インデックスファンドの場合、指数連動が乱れる懸念もあります。

誰かが投資信託を換金するときに、ファンドの資産が毀損する。
であれば、そのコストは換金する人に負担してもらいましょう。

投資信託を長期保有する投資家が損をしないための手数料。
信託財産留保額は、長期投資の味方となる手数料なのです。

ベビーファンドとマザーファンド

投資信託の運用の仕組みは、ファンドごとに様々です。
楽天VTIのように、ETFに投資する投資信託もあります。

インデックスファンドの多くは、ファミリーファンド方式。
例えば、eMAXIS Slim 先進国株式では下図の仕組みです。


(引用元:eMAXIS Slim 先進国株式|三菱UFJ国際投信)

マザーファンドを通じて、先進国株式に投資をする仕組みです。
また外国株式インデックスは、他の投資信託でも使われています。

例えば、先日設定された全世界株式(オール・カントリー)。


(引用元:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)|三菱UFJ国際投信)

先進国株式の部分は、同じマザーファンドを使っています。

このように、マザーファンドを複数の投資信託でシェアする。
1つのマザーに、複数のベビーがぶら下がることもあります。

マザーファンドに信託財産留保額がある

さて先日、eMAXIS Slim 先進国株式に関する記事を上げたところ。
Twitterで、いぬデックスさんからコメントをいただきました。

いぬデックスさんは、ブログも書かれている犬好きの資産形成家。
鋭いコメントが注目されがちですが、投信の深い知識をお持ちです。

さて、三菱UFJ国際投信の外国株式マザーファンドには信託財産留保額がある。
この事実について、コメントをいただくまで知りませんでした。

知らないことを教えて貰えるなんて、長期投資仲間に感謝です。

eMAXIS Slim 先進国株式の交付目論見書に、書いてありました。


(引用元:eMAXIS Slim 先進国株式 交付目論見書|三菱UFJ国際投信

他社の先進国株式インデックスファンドも自分で確認しました。

<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式は、記載無し。
たわらノーロード先進国株式についても、記載無しです。

「マザーファンドの換金に伴う信託財産留保額」の有無は、どちらが良いか。
ケースバイケースかとは思いますが、その損得について考えてみます。

純資金流入がプラスなら損はしない

ベビーファンドの立場で、信託財産留保額をマザーに払わなくて済む方法。
それは、ベビーファンドの資金流入がプラスであれば良いのだと思います。

例えば、ある日にベビーで5億円の買いと2億円の売りがあったとします。
このときにマザーに5億円入れて2億円を引き出す、とはしないハズです。

換金にはコストが掛かるため、差し引き3億円をマザーに入れて終わり。
無駄な売買をしないことも、指数連動させる運用には必要なはずです。

つまり、買いと売りの差し引きで純資金流入がプラスである限り。
ベビーで現金確保すべく、マザーを解約することは無いでしょう。

資金流入が継続的に続くかどうか、という点が大事になりそうです。
更に言えば、狼狽売りしてしまう投資家がいるかどうかも重要です。

投資対象の投資信託は純資金流入がプラス、他のベビーで解約がある場合。

マザーに信託財産留保額が無ければ、投資対象の投資信託が損をします。
マザーに信託財産留保額があれば、投資対象の投資信託が得をします。

つみたてNISA対象商品で、積立投資の資産形成に資するファンドであるか。
他の投資信託に乗り換えるメリットを感じてしまう可能性があるか無いか。

こうした観点で、インデックスファンドを選べば良さそうな気がします。

eMAXIS Slim 先進国株式で考える

三菱UFJ国際投信の外国株式マザーファンドは、多くのベビーを抱えています。
金融機関の窓口販売されているファンドもあれば、eMAXIS Slimもあります。

投資信託という同じ山を登る個人投資家の仲間を、選別することはできません。
それでも、継続的に資産流入が続く可能性が高いファンドであれば安心です。

eAMXIS Slim 先進国株式は、つみたてNISA対象商品となっています。
恒久化は不明ですが、最低でも今後20年間は非課税期間があります。

そして、eMAXIS Slim シリーズといえば超低コストな投資信託。
「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」です。

インデックスファンドにおいて、運用コストは超重要です。
業界最低水準の運用コストであれば、乗換リスクは限定的

eMAXIS Slim 先進国株式は、純資金流入の継続が期待できる。
マザーファンドの信託財産留保額は、むしろ得かもしれない。

勝手な推測に過ぎませんが、ワタシはそのように考えます。

eMXIS Slim 先進国株式は、非常に優れたファンドだと思います。
今後も、個人投資家に愛されるファンドであって欲しいものです。

 

青井ノボル
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