NISA制度の恒久化見送りは非常に残念です

マネー雑記

青井ノボルです。

金融庁は、平成31年度税制改正要望でNISA制度の恒久化を求めました。

個人の安定的な資産形成を継続的に後押しすべく、恒久化が必要だと。
つみたてNISAを利用しているワタシも、この考え方には概ね賛成です。

ぜひ恒久化を実現して欲しいと思っていましたが、結論は「見送り」。
政府・自民党は先日、NISA制度の恒久化は見送る方針を固めました。

率直な感想として、非常に残念な気持ちになりました。

この記事では、NISA制度の恒久化見送りについて考えます。

スポンサーリンク

金融庁が要望していた恒久化とは

金融庁による平成31年度税制改正要望の1丁目1番地
要望項目の冒頭に示していたのが、NISA制度の恒久化です。


(引用元:平成31年度税制改正要望項目|金融庁

数ある要望項目のうち、最初に記載するということ。
NISA制度の恒久化に対する本気度が伝わってきます。

具体的な要望内容は、下記の通りです。

○ NISA制度の恒久化
・ 家計の安定的な資産形成を継続的に後押しする観点から、NISA制度(一般・ジュニア・つみたて)について、恒久措置とすること。
(「つみたてNISA」については、開始時期にかかわらず、20年間の長期・積立・分散投資のメリットを享受できるよう、制度期限(2037年)を延長することを併せて要望)
(引用元:平成31年度税制改正要望項目|金融庁

実際に、個人投資家からも要望が多い内容だと思います。

特に、つみたてNISAは長期投資を日本に根付かせる制度。
長期分散積立投資による資産形成を補助する仕組みです。

開始時期に依らず、20年間×20年(回)の非課税枠があるべき。
長期投資を推奨する制度なのに、枠が減るのは本末転倒です。

20年間という積立期間を確保できる制度であって欲しい。
金融業界だけでなく、個人投資家の願いでもありました。

何とも言えない理由で見送り

金融庁が要望してくれたNISA制度の恒久化。
ワタシも実現して欲しいと思っていました。

ところが、残念なことに見送りとなったのです。

見送り理由は、期限を区切って行うべき制度であるからとのこと。
また、NISAを含めて資産形成を後押しする制度の見直し中だとか。

「貯蓄から投資へ」のスローガンは、まだまだ未達成の状態です。
長期投資による資産形成は、更なる広がりが必要だと思います。

一般NISAは別かもしれませんが、ジュニアNISAは将来世代のため。
つみたてNISAは現役世代のため、資産形成を後押ししている制度。

これまで投資をしていなかった人にも、訴求できる制度なのです。

政府税制調査会で、資産形成に向けた制度を考えているという理由。
たしかに議論は始まったようですが、実現性には疑問符が付きます。

2018年からつみたてNISAをスタートしているワタシ。
税制改正が無くても、非課税枠をフルに活用できます。

自分の損得を超えて、長期投資の資産形成が根付いて欲しい
そう思うからこそ、NISA制度恒久化の見送りは残念でした。

若者世代の資産形成に向けて

つみたてNISAは、若者世代が資産形成に踏み出すのに最適な制度。
この制度が時限措置で終わってしまうのは、本当に勿体ないこと。

個人的には、つみたてNISAだけでも恒久化して欲しかったです。
つみたてNISAが時限措置なら、代替制度を早急に立てるべき。

運用業界は、つみたてNISAの制度開始により大きく変わりました。
個人投資家にとって、素晴らしく良好な投資環境へと前進です。

投資と言えばお金持ちのすること、というイメージを覆して。
長期投資による資産形成を後押しする、素晴らしい制度です。

単なる税制優遇ではなく、対象商品も大きく絞り込みました。
投資初心者が失敗しにくいよう、綿密に設計された制度です。

投資をはじめる若者世代のために、よく考えられている。
まさに若者世代向けの、つみたてNISAなのだと思います。

つみたてNISAよりも良い制度が生まれれば、願ったり叶ったり。
ただ、あまり期待できないからこそ恒久化して欲しかったです。

今後の議論に注目したい

資産形成を後押しする優遇税制は、どういった仕組みとなるのか。
NISA制度を恒久化しない以上、政府税制調査会の議論次第です。

ジャムの実験で有名な話ですが、人は選択肢が多いと迷います。
NISAやiDeCoをまとめてシンプルな制度へ、良いことでしょう。

ただ制度の幅を広げ過ぎると、何を選択すべきか迷ってしまいます。
最低限の選択肢を残しながらも、思い切って絞ることも必要です。

個人の長期投資による資産形成が加速する制度なら、大いに歓迎です。
将来世代にとって使いやすい、そんな制度にすべく議論して欲しい。

これからの政府税制調査会の議論、注目していきたいと思います。

 

青井ノボル
青井ノボル

もし良い記事だと感じたらポチっとお願いします

にほんブログ村 株ブログ インデックス投資へ

●twitterもやってます●

関連記事紹介

どうしたら認知度がさらに高まり、地域格差が是正されるか。
難しい課題ですが、どうにか解決していきたいところです。

つみたてNISA認知度が高い首都圏と低い九州の地域格差
先日、三菱UFJ国際投信の第2回ブロガーミーティングに参加しました。このときの配布資料で、興味深いデータがありました。つみたてNISA認知度の地域格差データです。この記事では、つみたてNISA認知度が高い首都圏と低い九州の意識格差について考察します。

例年、年末になると駆け込み需要で盛り上がるふるさと納税制度。
あれこれ言われる制度ですが、税金を深く知る契機にもなります。

ふるさと納税で大臣通知無視の12自治体を総務省が初公表
2018/7/6、総務省より「ふるさと納税に関する現況調査結果(平成29年度実績)」が公表されました。この記事では、総務大臣通知を無視する12自治体などふるさと納税の現状を統計データから確認し、今後の返礼品動向について考察します。

コメント

  1. くまさん より:

    金融庁は真面目に考えてるんでしょうが、政府与党は場当たり的か、その場しのぎ(景気対策)かなと・・・。
    NISA制度の本質に立ち戻って欲しいですね。うちは個人が投資でお金を増やして豊かになるための制度だと思ってるんで、20年に限らず「生涯」でもいいんじゃないかと考えてます。

    • 青井ノボル 青井ノボル より:

      コメントありがとうございます。
      将来世代にも、じっくりと資産形成できる道しるべ的な制度が必要だと思います。
      つみたてNISAを凌駕するような、素晴らしい制度になることを期待しています。

タイトルとURLをコピーしました