青井ノボルです。
社会人十数年目のワタシですが、一度だけ転職した経験があります。
8年前に辞めた会社では、企業型確定拠出年金が導入されていました。
元々は確定給付年金100%でしたが、一部のみ企業型DCに切り替え。
そのため、数年間だけ確定拠出年金を積み立てていました。
残高は、おそらく数万円レベルの少額だったと思います。
転職先には残念ながら企業型DC制度が無く、そのまま放置状態に。
約8年放置し続けて、現在に至るという情けない黒歴史があります。
この記事では、退職後に企業型確定拠出年金を放置し続けた結果をお伝えします。
企業型確定拠出年金は持ち運び可能
前職の職場では、年金制度の一部が企業型確定拠出年金でした。
当初は確定給付年金が100%でしたが、途中からDCも導入に。
導入に際しては、会社が設定した勉強会へ強制参加することに。
実はその時に、積立投資とドルコスト平均法の概念を知りました。

ところで、確定拠出年金の利点は持ち運び可能なこと。
もし退職しても、転職先に企業型DC制度があれば移換できます。
企業型DC制度が無い場合、個人型DC(iDeCo)に移換もアリです。
企業型DCのままであれば、会社が掛金を拠出してくれます。
また、手数料は全て会社負担なのでコストも掛かりません。
iDeCoはコストが自己負担ですが、掛金を所得控除できます。
加入の手続きが面倒で、時間も掛かりますが良い制度です。

年金制度の一部なので、60歳まで引き出せない老後資産。
それでも税制の優遇措置があり、メリットは大きいです。
企業型確定拠出年金は、転職しても上手に持ち運んだ方が良い。
今はそう思えますが、当時は放置するという選択をしたのです。
なぜ企業型DCを放置したのか
前述の通り、ワタシが企業型確定拠出年金に入っていたのは数年間。
さらに前職では、確定給付年金が主体で確定拠出年金は一部でした。
また入社間もない若手社員だったので、企業年金の金額も少額です。
転職時の退職金が数十万円だったので、企業型DCは推定で1桁万円。
正確な金額は分かりませんが、とにかく少額というイメージでした。
現在の職場に転職して、企業型確定拠出年金の移換を考えていました。
転職後に人事へ確認したところ、企業型DC制度が無いことを知ります。
このとき、ワタシに残されていた選択肢は3つ。
- 個人型確定拠出年金に移換する
- 脱退一時金を請求する
- 放置する
さてどうしたものかと、悩みながら調べた記憶があります。
選択肢1:個人型確定拠出年金に移換
まず個人型確定拠出年金ですが、当時は呼称がiDeCoになる前でした。
制度について調べた記憶はありますが、当時のワタシは20歳代の若者。
60歳になってからの老後資金なんて、一切考えていませんでした。
それより、結婚などのライフイベントに関心が高かった気がします。
いついくらお金が必要になるか不明瞭なので、お金の流動性が大事。
そう考えていたので、60歳まで一切使えない個人型DCは論外でした。
もちろん、掛金を拠出しなければ手元のお金が減ることはありません。
とはいえ手続きが面倒ですし、手続きをしても手数料が毎月引かれる。
そしていつか、元々あったはずの資産は手数料で溶けてゼロになる。
そう考えて、個人型DCに移換してもメリットが無いと判断しました。
選択肢2:脱退一時金を請求
老後資産など要らないので、流動性の高い現金でお金を受け取りたい。
当時はそう思っていたので、脱退一時金の請求も真面目に検討しました。
脱退一時金というのは、確定拠出年金の資産を現金で受け取ることです。
原則は60歳まで引き出しできませんが、条件を満たすと現金化できます。
条件と言うのは結構複雑で、時期によっても判定方法が異なります。
詳細は、三菱UFJ信託銀行HPの脱退一時金の請求ページが分かりやすいです。
当時の自分なりに頑張って調べましたが、どうやら対象にはならない。
そのように判断して、脱退一時金を受け取るという選択は諦めました。
今になって考えると、もしかしたら対象になっていたのかもしれません。
確定拠出年金は原則60歳まで資産の引き出しはできません。
ただし、例外として以下の要件を満たす場合に限り、脱退一時金を受け取ることができます。■2016年12月までに退職(資格喪失)された方
ケース3:継続個人型年金運用指図者の場合
iDeCoに加入できる人が継続個人型年金運用指図者となり、以下の要件のすべてに該当した場合が対象です。
・継続個人型年金運用指図者であること
・DCの障害給付金の受給権者でないこと
・掛金の通算拠出期間が1か月以上3年以下、または個人別管理資産額が25万円以下であること
・継続個人型年金運用指図者となった日から2年を経過していないこと
・企業型DCから脱退一時金の支給を受けていないこと
(引用元:脱退一時金の請求|三菱UFJ信託銀行)
ワタシの場合、掛金通算拠出期間が3年以下に収まるかが微妙。
その他は、上記条件に合わせることも可能だったと思います。
今更気付いたところで、過去に戻れないので仕方ないです。
当時は無理だと判断して諦めた、その結果は変わりません。
選択肢3:放置する
放置するという消極的な選択は、最終手段とも言えます。
自分なりに頑張って調べたけど、他に手立てがない状況に。
数万円でも惜しいですが、消耗するくらいなら潔く諦める。
当時は、そんなことを考えていたのだと思います。
放置するという選択をした場合、デメリットがあります。
それは、半年経過後に国民年金基金へ自動移換されること。
自動移換された場合、自動的に手数料が発生してしまいます。
(引用元:転職・退職された方へ|国民年金基金)
自動移換するとき、4,269円が確定拠出年金の資産から徴収されます。
そして、月々51円の手数料が発生することで資産が溶けていくのです。
いつの日か、ワタシの確定拠出年金の資産はゼロになってしまう。
そうなっても仕方のないことだなと、完全に諦めていたのでした。
ちなみにワタシは、自動移換後に何度か引越しをして住所が変わっています。
引越しをしても「確定拠出年金に関する重要なお知らせ」は届いていました。
公的年金制度なので、住民票などの情報をシェアしているのでしょう。
相応のコストを掛けさせていたかもしれないので、素直に反省です。
諦めていた企業型DC資産が戻ってきた
退職後に放置していた企業型確定拠出年金の資産。
つい先日ですが、思わぬ形で手元に戻ってきたのです。
iDeCoの記録関連運用管理機関であるJIS&Tから通知が届きました。
「確定拠出年金お取引報告書(受換)」という書類です。
以前加入していたDC制度から、個人別管理資産を受換したという内容です。
こちらからの申し出が無くても、本人確認をして自動的に受換するようです。
受換とは聞き慣れない言葉ですが、他の企業年金等から移し換えられること。
つまり、放置していた企業型確定拠出年金の資産が戻ってきたのです。
書類を確認すると、2018/10/1にeMAXIS Slim 先進国株式インデックスを注文。
受換で戻ってきたお金は、現在積み立てている投資商品を自動注文するようです。
ちなみに、手元に戻ってきた資産は約45,000円となっていました。
これまでに、手数料によってどれだけの資産が溶けたのでしょうか。
自動移換4,269円、管理手数料51円×96=4,869円、iDeCo移換3,857円。
管理手数料は推定の数字ですが、約13,000円が目減りした計算です。
8年間も放置した割には、意外と減っていないですね。
自動移換者減少に向けた取り組み
企業型確定拠出年金は退職・転職後に放置してしまう人は多いとのこと。
国民年金基金に自動移換となると、手数料で資産が目減りする一方です。
この課題解決のため、確定拠出年金法改正が2018/5/1に施行。
確定拠出年金の自動移換に係る取扱いが、変更となりました。
一定の条件のもと、本人の申し出による手続きがなくてもOKに。
他の確定拠出年金口座がある場合、該当口座へ自動移換します。
法改正によって、より柔軟な取り扱いが可能となったのです。
2018年にiDeCoを開設していたお陰で、ワタシもこの条件に該当。
運が良かったとしか言い様がないですが、資産が戻ってきました。
諦めていた資産が戻ってきたのは、素直に嬉しいことです。
確定拠出年金は、何かと煩雑で使いにくいという印象があります。
とはいえ、一生懸命改善を重ねているのだと肌で感じた次第です。
少額とはいえ貴重な資産なので、大切に長期運用したいと思います。
あとがき
転職時の企業型確定拠出年金の手続き、放置はおススメできません。
貴重な年金資産ですから、正攻法できちんと手続きしましょう。
手続き方法は、東証マネ部の記事が分かりやすくて参考になります。


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個人が使える投資の非課税制度といえば、つみたてNISAとiDeCoです。
強いて言えばどちらを優先すべきか、ワタシなりに考えてみました。

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