青井ノボルです。
健康保険や公的年金といった、日本の社会保障制度。
ちゃんと知っているようで、実はあまり知らない世界です。
投資でも活用できるiDeCoは、年金制度の一部です。
生涯CFを考えるとき、万が一の遺族年金は重要です。
個人のお金について考えるとき、知っておきたい社会保障。
どういった仕組みで、どんな思想で設計されているのでしょう。
この記事では、社会保障の基礎知識を学べる「ちょっと気になる社会保障 増補版」を読んだ感想を書いていきます。
本書を読むことになったキッカケ
社会保障という言葉を知っていても、その中身はよく分からない。
あるいは、社会保障など全く当てにならないと考える人もいます。
ワタシもiDeCoをはじめてから、公的年金制度に興味を持つように。
Twitterやブログで学んでいる中で、気になるブログ記事がありました。
この本を読むキッカケとなった、菟道りんたろうさんの記事です。

菟道りんたろうさんは、深い知識と教養を持っている投資ブロガーのひとり。
投資に対する確固たる軸を持たれていて、いつも勉強させてもらっています。
さて、ワタシは前述の記事を読んですぐに、本書を図書館で予約しました。
菟道りんたろうさんの溢れんばかりの知識・教養の源泉は何処にあるんだろう。読書なのかな。
それに加えて考え方がバシッと確立されていて、凄いなぁと思いながらいつも読んでます。
オススメされていた本、早速予約しよっと。 https://t.co/de5b9tQMqj— 青井ノボル (@sindanindex) September 2, 2018
実は、図書館で本書を借りてから1ヵ月弱が経ってしまいました。
時間はかかりましたが、少しずつ読み進めて何とか読み終えました。
社会保障の実態が分かる書籍です
本書を読み終えて、社会保障への見方が大きく変わった気がします。
その実像は、マスコミで報道される社会保障とは違うようです。
社会保障ド素人のワタシには、全てを正確に理解するのは難しかったです。
それでも大枠は掴めましたし、偏った見方をしていたことを知りました。
制度の仕組みや歴史、そして根底にある考え方を知ることは大事です。
本書は社会保障専門家の立場から、平易な言葉で解説をしてくれます。
日本で生活していく以上、社会保障とは切っても切れない関係です。
だからこそ、正しい知識を付けておくことは必要なことだと思います。
本書は、社会保障の仕組みを正しい知識として知りたい人向けの良書です。
少子高齢化と社会保障
第1章から、いきなり常識を覆されたのが印象的でした。
高齢者世代と現役世代の関係と言えば、この図が常識でしょう。
(引用元:少子高齢化の進展|財務省)
20歳~64歳の人口と、65歳以上の人口を比較している図です。
ところが、所得を何人で生産して何人に分配するかという視点。
社会保障を考える上では、こうした視点の方が適切といいます。
つまり、単純に年齢で区切った先ほどの人口比率の図ではなく。
就業者1人が支える非就業者の人数比率こそが、重要なのです。
視点を変えて、社会全体で就業者1人が何人の非就業者を支えるかを見ると、1人程度でこの数十年間はほぼ安定しており、将来もあまり変わらない。実態としては、若い世代の将来の負担が何倍にもなるわけではない。
女性や高齢者が働きやすい環境を整え、支え手に回る人を増やすことで、少子高齢化の荒波も何とか乗り切れることがわかる。少子高齢化に耐えうる仕組みに転換するには、雇用の見直しこそが最重要課題。
(引用元:ちょっと気になる社会保障 知識補給増補版 P3-4)
高齢者も女性も、働きたい人が働ける社会を実現する。
少子高齢化が避けられない以上、やるしかないですね。
ところで、各年齢時点での平均余命という考え方があります。
1947年には、標準的な定年年齢は55歳だったといいます。
当時の55歳男性の平均余命は、15.97年だったそうです。
そして、いまの時代は65歳まで働くことが一般的に。
2010年の65歳男性平均余命が、18.74年だそうです。
仕事を引退した後の人生の長さはさほど変わらない。
多くの人が生き生きと働ける社会にしたいですね。
勉強になった様々な考え方
そのほかにも、本書に書かれている考え方は未知のものが多かったです。
- 年金における「生産物が中心」という考え方(P18)
- 「救貧機能」と「防貧機能」(P38)
- 社会保障の所得再分配機能(P93)
- 将来の話を名目値で語ってはいけない(P126)
恥ずかしながら、いずれも知っているようで知らない考え方でした。
細かい点までは理解できませんでしたが、大枠は理解できた気がします。
おそらく、大雑把にでも全体像を知っておくことは重要だと思います。
社会保障の充実で住みやすい日本へ
ワタシは5人家族で3人の子供がいます。
夫婦の親は勿論、祖父母も存命です。
立場の違う世代ですが、皆が過ごしやすい社会になって欲しい。
身近な人を想像してみると、自然とそんな気持ちになります。
本書を通じて、社会保障の基礎的な知識を習得できたと感じています。
また、世代間の助け合い制度である社会保障の重要性を再認識しました。
社会保障を正しい方向に導き、住みやすい社会とするために。
個人にできることと言えば、まずは正しい知識を持つこと。
社会保障の意義やメリットを理解して、日常生活を送ること。
ワタシも少しずつ実践していきたいと思います。
iDeCoをキッカケに、菟道りんたろうさんのお陰で出会えた本書。
学びの多い書籍ですので、みなさんもぜひ読んでみてください。
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