青井ノボルです。
ふるさと納税制度について、総務省の圧力が日に日に強まっています。
ふるさと納税の返礼品は「寄付額の30%以下の地場産品」とするべき。
総務省は以前より、総務大臣通知で自治体に自粛要請をしていました。
これまでの大臣通知発出により、違反自治体は徐々に減少してきました。
それでも違反自治体が絶えず、総務省は寄付額の多い違反自治体名を公表。
さらに、総務省が地方税法改正により制度自体を見直しているとの報道も。
この記事では、法規制を見据えてふるさと納税の違反自治体が大幅減少したことについて書いていきます。
大臣通知よりも強烈な法規制
ふるさと納税にかかる自治体への自粛要請は、以前からありました。
2016年には、金券類や家電製品、そして返礼割合の高い返礼品の自粛を要請。
2017年にはもう一歩踏み込んで、返礼割合は3割以下とするよう求めました。
2018年には、上記に加えて返礼品を地場産品に限定するように通知しました。
総務大臣通知で自粛を求めてきましたが、あまり効果が無かったのも事実。
というのも、罰則も無ければ法的な拘束力も無い自粛要請に過ぎません。
自粛しない自治体の方が多くのお金を集めることができた側面もあります。
自治体を止めきれない総務省は、ここから一歩踏み込んだ対応を始めます。
2018年7月、総務省は大臣通知を無視する12自治体を公表することに。

さらに2018年9月、地方税法改正に踏み切って制度自体を見直す方針に。

法規制となれば、基準を守らない自治体を排除することもできます。
総務省も本気を出し、ふるさと納税制度の整備に動き始めたのです。
返礼割合実質3割超の返礼品を送付している自治体
2018/11/16、ふるさと納税に係る返礼品の送付状況についての調査結果が公表。
総務省による発表資料ですが、例によって自治体名が容赦なく記載されています。
まずは、返礼品の還元率3割超となっている自治体についてです。
その数は徐々に減少していましたが、ここにきて激減しました。
(引用元:ふるさと納税に係る返礼品の送付状況についての調査結果|総務省)
おそらく、法規制となることを踏まえた各自治体の対応だと考えられます。
ふるさと納税の枠組みから外れれば、寄付者が税優遇を受けらなくなります。
トラブルを避けるため、総務省の意向に沿うしか無いと判断したのでしょう。
2019年4月からの法規制が見込まれ、早めに見直をした自治体が大多数です。
こうしたなか、まだ返戻率が3割超となっている自治体が公表されています。
(引用元:ふるさと納税に係る返礼品の送付状況についての調査結果|総務省)
2017年寄付金額トップの大阪市泉佐野市に至っては、総務省の調査に未回答。
総務省の意向通りに対応する気は毛頭ないという意志の現れなのでしょうか。
今後の行方が気になるところです。
地場産品以外の返礼品を送付している自治体
総務省は、返礼品として地場産品を送るように要請しています。
何をもって地場産品と言えるのかの線引きは、未だに不透明。
それでも、総務省が地場産品以外と考える自治体は73自治体。
何が該当するのか、総務省と自治体で共有しているのでしょうか。
実態は不明ですが、双方が納得できるルール整備に期待します。
数字でわかる返戻率よりも、分かりにくい部分もあるでしょう。
ここは総務省と自治体でじっくり話し合って欲しいところです。
91の違反自治体が制度除外の恐れ
総務省による地方税法改正は、年明けの通常国会に提出される見込みです。
予定通りに事が進めば、2019年4月に法規制がスタートするかもしれません。
ふるさと納税の対象外となった自治体に、寄付が集まるかどうかは不透明。
時間的な猶予はわずかであり、自治体は早めの見直しを求められています。
現時点で違反自治体は91団体にのぼり、全体の約5%となっています。
今回は総務省も本気度が高そうなので、きっと法規制するのでしょう。
違反自治体と総務省の話し合いは、年明け以降にされるという噂です。
ふるさと納税制度の見直しは、どういった形で決着となるのでしょう。
税金にも大きく関わる話なので、非常に気になるところです。
今後の動向についても、注意深く見守りたいと思っています。
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ワンストップ特例を使った場合、翌年度の住民税から控除されます。
予定金額が控除されているか、特別徴収税額通知書で確認しました。

ふるさと納税の隠れたメリットは、税金について興味を持つ機会になるということ。
他の制度では難しいと思うので、より良い制度にしながら続けて欲しいと思います。

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コメント
うちは岡山県・吉備中央町へ寄付してお米を頂いてます。生活必需品としてお米が一番かなと。
制度があって、監督官庁が要請してるので法的にオッケーでも紳士ルールで従わないと、
みんなが困る事例になりましたね。要請に従ってる自治体が割を食わないようにするには
しゃあないでしょう。地場産品に限るとか微妙なとこもありますが、監督官庁の意向なので
我慢するしかないのもありますが・・・。
これを機により良い方向に向かっていくことを期待します。
コメントありがとうございます。
お米を返礼品に選ぶ方は多いみたいですね。
我が家はお米を貰えることが多く、他の返礼品をいただく機会が多いです。
個人的にはふるさと納税をキッカケに、税金について興味を持ち理解が深まった気がしています。
何事にも良し悪し両面あるものなので、少しでも良い方向に向かうことを願っています。
「ふるさと納税」の法規制について非常にわかりやすいご説明をありがとうございます。
今日ちょうど、ふるさと納税をめぐる騒動と法規制についての話を某番組の観覧で見てきたのですが、規制が6月から始まると言われていたので、規制の内容など調べているうちに、こちらにたどり着きました。
その番組でも「違反自治体はふるさと納税の対象外となる」という説明があり、この「違反自治体」と指定されるのは、どの状態でいつ判定されるのかがすごく気になりました。
というのは、私はどちらかというと返礼品よりも自分の税金を自分の住む自治体よりも、「ふるさと」(あるいは自分がその年に応援したいと思った自治体)に送って役立ててほしい使ってほしいと思っているので、「ふるさと納税」対象外となってしまい、翌年の住民税控除はできないとなってしまうのは、嫌なのです。(せこいですが、自分の住む自治体の税金が流出してでも「ふるさと」に納税したい。自分の自治体と「ふるさと」への二重払いはしたくないという考え方です→自分の住む自治体があまり好きではないので)
なので、後だしジャンケンで、1年を通じて最後に
「はい、この自治体は、今年は対象外です!!」ということにならないかがとても心配なのです。周りの人間は「そんなことあるはずない、ちゃんと納税する前に報告されてるはずだ」と言ってますが、自分が無知なのもあって、本当に、「払ってしまった後に、控除対象外です」と言われてしまわないかが、とにかく心配で、この規制では、そういったところまできちんと説明されているのかが気になりました。具体的な内容など、自分で調べれば良いのかもしれませんが、どこで調べれば良いのかわからず、すみません。
もし、よければご返信いただければと思います。
長々とわかりにくい文章ですみません。要は「この自治体はふるさと納税の対象外です」と自治体及び納税者に伝わるのは、どのタイミングなのか納税してしまった後になってしまうことはないのか?・・・ということが知りたいです。
コメントありがとうございます。
総務省HPに、ふるさと納税が関係する地方税法改正案について情報掲載されています。
15日に衆院本会議で審議入りしたところであり、現時点で確定的な事を言える人は居ないはずです。
第三者が提供する情報の正確性には限度がありますので、本制度を管轄する総務省HPを随時チェックされる事をオススメします。
また色々気になるようであれば、2019年6月まで寄付を保留するという選択がベターかと思います。