ふるさと納税対象外!?石田総務大臣に対する泉佐野市長の反論

節約・節税

青井ノボルです。

100億円還元キャンペーンで、寄付が殺到している泉佐野市。
特設HPにアクセスが集中、繋がりにくい事態となりました。

石田総務大臣は2019/2/8、総務大臣コメントを発表。
泉佐野市のキャンペーンを名指しで批判しています。

これに対して2019/2/12、泉佐野市長もコメントで反論。
両者とも主張は変わらず、真っ向から対立しています。

この記事では、総務省と泉佐野市のそれぞれの主張を考察するとともに、ふるさと納税制度改正について書いていきます。

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ふるさと納税をめぐり地方税法改正へ

地方税法改正案が閣議決定され、通常国会に提出されました。
本改正により、ふるさと納税の返礼品が規制される予定です。

返礼品は寄付金3割以内の地場産品に限る、とルールを設定。
このルールに反した自治体は、総務省が制度対象外とします。

4月以降に手続きを開始し、6月以降から規制がスタート予定。
総務省が自治体のブラックリストを作るようなイメージです。

ふるさと納税は、返礼品の過当競争が起こった過去があります。

自粛していた都市部の自治体や総務省は、この事態を問題視。
総務省は大臣コメントを発表して、自粛を要請してきました。

それでも総務省の思惑通りには物事が進まず、遂に法規制へ。

通常国会に提出された地方税法改正案が、無事に通過すると。
2019年6月から、ふるさと納税の新ルールが適用の予定です。

泉佐野市を名指し批判する石田総務大臣コメント

2019年4月以降に新規制に向けた作業がはじまる、と言われるなか。
泉佐野市は、2019年2・3月限定で100億円還元キャンペーンを敢行。

泉佐野市の特設サイト「さのちょく」で実施するキャンペーン。
特典はAmazonギフト券で、大盤振る舞いの内容となっています。


(引用元:100億円還元!閉店キャンペーン|泉佐野市

このキャンペーンに対して、石田総務大臣はコメントを発表。
その全文は、総務省HPに掲載されているのでご確認ください。

総務省|石田総務大臣閣議後記者会見の概要(平成31年2月8日)

総務省は、ふるさと納税の返礼品競争が過熱していることを問題視。
地場産品かつ返礼割合3割以下とするよう、自治体に要請していました。

2018年夏には、大臣通知を無視する自治体名を公表するなど強硬策に。
制度見直しのため総務省は法規制する方針とし、現在に至っています。

現在は、2019年6月から予定される法規制に向けて準備を進める時期。
と思ったら、泉佐野市が100億円還元キャンペーンを仕掛けたのです。

総務省は怒り心頭のようで、厳しい言葉で大臣コメントを出しました。
泉佐野市を名指ししている部分について、一部抜粋させてもらいます。

泉佐野市が新たにキャンペーンでプレゼントするというギフト券は、「地場産品」でもなければ、「返礼割合3割以下」でもなく、また、地域活性化にもつながりません。
多くの自治体が財源確保に苦しんでいる中、総務大臣からの度重なる要請を無視して、制度のすき間を狙って明らかに趣旨に反する返礼品によって寄附を多額に集めようとすることは、自分のところだけが良ければ他の自治体への影響は関係がないという身勝手な考えであり、このような考えがまかり通れば、社会的にも、教育的にも、悪影響が大きいと考えています。
(引用元:総務省大臣コメント(2019/2/8)|総務省

泉佐野市に対して、非常に厳しい言葉が並んでいます。

泉佐野市はふるさと納税対象外に!?

2019/2/12の総務大臣会見でも、泉佐野市について言及しています。
泉佐野市が指定自治体から外れる可能性を示唆した報道もありました。

2019年4月以降に、法規制に伴う対象自治体の指定作業が始まる予定で。
3月以前の取り組みも加味する予定があるか、という質問がありました。

これに対して総務大臣は明言を避けたため、憶測を呼んでいるのです。
さて泉佐野市は、ふるさと納税の対象外となってしまうのでしょうか。

2019年6月以降に予定される法規制で対象外となる可能性はあります。
ただ、現時点でふるさと納税をした分が対象外とはならないでしょう。

法改正の内容が遡って適用となる可能性は低いのではと考えます。
あくまで、6月以降の法規制に引っかかる可能性があるという話。

断言はできませんが、そのように捉えるのが自然だと思います。

泉佐野市長による反論コメント

総務大臣コメントに対して、泉佐野市長がコメントを発表しています。
コメントの全文は、泉佐野市HPに記載されているのでご確認ください。

総務大臣ご発言に関する市長のコメント/泉佐野市ホームページ
大阪府泉佐野市のホームページです。

泉佐野市の立場は総務省とは真逆であり、主張の方向性も異なります。
総務省のやり方には、大きな抵抗感があるということが読み取れます。

少し気になったのが、総務省と地方自治体の話し合いが無いという点。

昨年秋には、公文書として本市の意見を総務省に提出していますが、未だにこれといった反応もされておりませんし、少なくとも本市が認識している範囲では、自治体と意見交換されたり、公の場で議論されているわけでもありません。総務省から各自治体に対して返礼品の地場産基準に関する現状調査は行われていますが、これはあくまでも地場産品の規制ありきで実施されているもので、一方的な見解を押し付けていることに変わりはなく、これだけでは自治体の意見や想いを充分に汲み取ることができないのは明白です。
(引用元:総務大臣ご発言に関する市長のコメント|泉佐野市

泉佐野市の主張がどこまで正確かは不明ですが、正論かなと思います。

ふるさと納税制度は、総務省と自治体が一体となって盛り上げるべき制度。
総務省が強権的に主導するものではなく、一緒に育てていくべきでしょう。

総務省と自治体が互いの利害を超えて、良い制度に生まれ変わるよう話し合う。
このプロセスが省略されてしまったのであれば、残念と言わざるを得ないです。

総務省と自治体間の意見交換は必要だった

泉佐野市のように、総務省に対して真っ向から対立する自治体は稀です。
総務省が法規制を匂わせた時期から、多くの自治体が要請に従うように。

法改正後は、総務省がふるさと納税対象外の自治体を指定するスキーム。
総務省に目を付けられれば除外されかねない、と自治体は怯えますよね。

自治体が総務省の要請に従うのは、制度への理解が浸透したのではなく。
総務省の意向に対して、自治体が意見しにくいためであると考えます。

自治体も、税収が失われる傾向が強い都市部と増やしたい地方の違いがあります。
総務省と様々な立場の自治体が、率直に意見を交わすことも必要だったはずです。

ワタシは以前からそのように感じていて、ブログでも度々書いてきました。

ただ、総務大臣と泉佐野市長のコメント合戦を見る限り、話し合いは皆無
法改正でルールを整備するならば、互いの意見を交わして欲しかったです。

今回のケースでは、総務省が自治体の意見を真摯に聞くべきだと感じます。
また、泉佐野市のように主張する自治体が多ければ違ったかもしれません。

偉い人が決めたことには、黙って素直に従っていればいい。
日本特有の悪い風習が表に出てしまった事例だと思います。

法改正がどんな形で決着して、ふるさと納税制度がどう変わるのか。
納税者の一人として、今後の展開を注意深く見守りたいと思います。

 

青井ノボル
青井ノボル

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コメント

  1. くまさん より:

    まあ、何と言うか泉佐野市みたいな自治体があると皆が迷惑すると思うのが個人的な意見です。強制力はなくとも3割は守って下さいねと言うお達しで他の自治体がやってるのに従わない自治体が出てくれば強制力を持たせようとするのは当然かと。

    変な例えですが公園で運動して水を飲んだりしますが、家で使うために大量に(10ℓとか)毎日取水するのは搾取で違法です。これは社会通念上分かり切った事だと思います。

    泉佐野市の主張は法規制がない、大臣通達は強制力がない、地方自治に国が口を出すな、でしょうが「ふるさと納税」は「寄付金控除」の対象になってるんで総務省のお達しにはそれなりの対応をするのがオトナの常識ではないかと。

    • 青井ノボル 青井ノボル より:

      コメントありがとうございます。
      返礼品3割規制が本当に妥当なのか、地場産品の定義は何なのか、などなど。
      税収が減っている傾向が強い都市部の自治体も、意見したいことがあるのではと想像します。
      総務省管轄なので最終決定者はもちろん総務省ですが、プロセスがやや乱暴な印象を受けました。
      そのルールで本当に良いのか、多方面の当事者が意見を交わし、より良い制度になるよう法改正して欲しかった。
      ご指摘の通り泉佐野市のやり方は常軌を逸している気がしますが、全自治体が右向け右となるよりは、良かったのかなとも感じます。
      立場の違いを乗り越えて、知恵を出し合って、ふるさと納税をより良い制度に共に作り上げる。
      そんな法改正であって欲しかったなと感じました。

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