青井ノボルです。
eMAXIS Slim シリーズと言えば、先進国株式が代表的な存在です。
最近では米国株式(S&P500)、バランス(8資産均等型)も人気。
新興国株式は、世界分散投資において重要な役割を担う地域です。
しかし、人気という意味では4~5番を争う微妙な位置にあります。
微妙人気のeMAXIS Slim 新興国株式が、純資産総額100億円を突破しました。
新興国を取り巻く環境が不安定となりつつあるなか、ついに大台を突破です。
(引用元:eMAXIS Slim 新興国株式公式HP|三菱UFJ国際投信)
この記事では、eMAXIS Slim 新興国株式が純資産総額100億円を突破したことについて書いていきます。
不透明感が増す新興国市場
アメリカの利上げや貿易摩擦、原油高などが新興国経済の逆風となっています。
通貨不安のアルゼンチン・トルコ等に加え、東南アジアでも成長減速が鮮明に。
日本経済新聞の記事でも、新興国の不安要素を指摘しています。

米中貿易戦争に、東南アジアは直接関与しているワケではありません。
ただし、中国における供給網の一角を占めているのが東南アジアです。
米中貿易戦争が拡大すれば、東南アジアにも間接的影響があります。
米金利上昇を受けて資金流出圧力が強まるなか、厳しい状況です。
新興国市場に動揺が広がり、株価指数も冴えない動きが続いています。
純資産総額を地道に積み上げてきた
eMAXIS Slim 新興国株式は、厳しい相場環境のなかで基準価額が下落傾向です。
それでも、個人投資家の積立投資により純資産総額を地道に積み上げてきました。
(引用元:eMAXIS Slim 新興国株式公式HP|三菱UFJ国際投信)
基準価額推移をみると、2018年1月頃をピークに下落が続いています。
純資産総額は、一定のペースで着実に増えていることが分かります。
2018年から始まったつみたてNISAの対象商品でもあります。
その直前には、異次元の信託報酬引き下げも実施しました。
つみたてNISAを契機に、資金流入が増えているのは確かです。
実際に、純資産総額の積上げペースも緩やかに上昇しています。
ポイントは、基準価額が不調ななかでも純資産総額が積み上がったこと。
相場変動に依らず、積立投資を愚直に続けている個人投資家がいるのです。
だからこそ、eMAXIS Slim 新興国株式が地道に純資産総額を積み上げ。
ついに純資産総額100億円を突破したという事実に、意義を感じます。
新興国株式が報われた時代もあった
2018年は不調が続いている新興国株式ですが、報われた時代もありました。
有名なモーニングスターの年次資産別リターン(円換算)を見てみましょう。
(引用元:資産クラス別リターン|モーニングスター)
2017年は+28.6%のリターンでトップ、2009年は驚異の+83.1%で第2位。
新興国株式が素晴らしいリターンとなった、報われた時代もあります。
一方、リーマン・ショックのあった2008年の▲64.8%も衝撃的な数字です。
下落相場では大きく落ち込むなど、リスクは相対的に大きいと言えます。
良い時もあれば悪い時もある、タイミングは事前に予測できない。
前述の日経新聞記事も、新興国不調の要因に触れているだけです。
今後の動向について正確に予測することは、現実的に難しい。
普通のサラリーマンであり、投資素人のワタシには尚更です。
現在の下落相場が続くのか、これは誰にも分からないのです。
eMAXIS Slim 新興国株式の実質コスト
eMAXIS Slim 新興国株式は、超低コストファンドのひとつです。
これについては論より証拠、まずはこちらの図表をご覧ください。
(引用元:信託報酬率の引き下げ実績|三菱UFJ国際投信)
2017/12/13に、異次元とも言える大幅な信託報酬引き下げを断行です。
<購入・換金手数料無し>ニッセイの引き下げにも即座に対応しました。
業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける、をやり切る姿勢。
eMAXIS Slim シリーズの認知度が上がり、信頼も厚くなった出来事でした。
さて、eMAXIS Slim 新興国株式の実質コストはどの程度でしょうか。

第1期運用報告書から推測される実質コストは年率0.389%(税込)です。
新興国株式への投資は、保管費用などがどうしても割高となります。
株式市場が成熟しておらず、先進国と比べるとコストがかかります。
それでも、実質コスト年率0.4%未満で投資できるのは有難いですね。
実質的な運用を担うマザーファンドも、十分な規模のようです。
(引用元:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)ポートフォリオ構築のお知らせ)
2018/11/1時点で、純資産総額は705.8億円となっています。
現物比率も97.3%であり、問題点は少ないものと考えます。
資産形成ツールとして更なる飛躍に期待
新興国に成長余力があるのか、ワタシには全く分かりません。
ただ、新興国株式にオーバーウェートしたい人は結構います。
全世界株式に投資する場合、GDP比率という選択肢もあります。
GDP比率だと、時価総額比率よりも新興国株式の割合が高まります。

世界分散投資をしながらも、新興国株式の割合には拘りを持ちたい。
そう考える人にとって、当ファンドは最適解の一つとなるでしょう。
つみたてNISAなど、積立投資で資産形成をする投資家に愛されるファンド。
超低コストで新興国株式に投資ができる、貴重なファンドでもあります。
純資産総額を更に積み上げながら、更なる飛躍に期待したいと思います。
関連記事紹介
新興国株式のリターンは今後伸びるのかどうか、ワタシには予測できません。
投資素人には、考え抜いた末の思考停止のインデックス投資が最適と考えます。

GDP比率ではなく、時価総額比率の全世界株式であれば1本で投資できます。
先日設定された、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)です。

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