青井ノボルです。
つみたてNISAがスタートした2018年1月から、1年半が経過。
この間に、投資信託を取り巻く環境は大きく変化しました。
インデックスファンドが充実すると共に、コスト競争が発生。
運用コストは劇的に下がり、投資しやすい環境となりました。
つみたてNISAが起爆剤となり、外部環境が変化するとともに。
個人投資家の意識も変わってきている様が、統計から伺えます。
この記事では、個人投資家のコスト意識が高まってることについて、統計データを基に考察します。
先人の積み重ねで山が動いた
インデックスファンドでは、信託報酬年率が0.1%を切ることもある。
超低コストで世界分散投資ができるファンドを100円単位で買える。
投資信託を保有しているだけで、使いやすいポイントが還元される。
積立投資にクレジットカード決済が使え、購入時にポイントを還元。
いまから10年前、リーマン・ショックからのV字回復が始まった頃。
インデックスファンドを取り巻く環境が、ここまで整備されるとは。
おそらく誰も予想できなかったと思いますが、既に動いている人達も。
第1回インデックス投資ナイトが開催されたのは、2009年1月でした。
山崎元さん、カンさん、竹川美奈子さん、イーノさん、某N藤さん。
いまも活躍されている皆さんが、インデックス投資を語っていた。
勿論イベントだけではなく、個人投資ブロガーの皆さんがいて。
水瀬ケンイチさん、吊られた男さん、Nightwalkerさん、など。
ブログでインデックス投資を語り、時にはコメントで激論を交わし。
こうした先人の積み重ねがあって、2018年1月に山が動いたのです。
草の根運動から、ここまで投資環境を変えたのだから凄いことです。
外部環境変化により個人の意識も変化か
超低コストで世界分散投資ができるようになった今日この頃。
環境が変わったことで、個人の意識にも変化が出てきました。
ここから参照するのは、投資信託に関するアンケート調査報告書。
投資信託協会が毎年行っている調査で、なかなか面白い内容です。
調査の概要は下記の通りです。
調査方法 :インターネット調査(抽出フレーム:インテージネットモニター)
調査時期 :2018年12月7日~12月14日
調査地域 :全国
調査対象 :20~79歳の男女
サンプル数 :20,000サンプル
調査実施 :株式会社インテージ
(引用元:投資信託に関するアンケート調査報告書-2018年(平成30年)投資信託全般)
なかなか大規模な調査で、サンプル数も多いので参考になります。
過去とのデータ比較もできて、投資信託マニアにはたまりません。
本調査では「投資信託購入の際の重視点」を質問しています。
その結果は、ちょっと見にくいと思いますが下記の通りです。
(引用元:2018年度投資信託に関するアンケート調査報告書|投資信託協会)
「値上がりへの期待」「過去の運用実績」という回答が目立ちます。
そのなかで「手数料や運用管理手数料の水準」と答えたのが13.2%。
この割合が多いか少ないかといえば、率直に少ないと感じます。
過去の調査結果と比較すると、その割合は着実に増えています。
コスト意識は高まっている
本調査では、「今後、投資信託購入の際に重視したい点」も聞いています。
前述の質問は現時点で、この質問は将来的にどうしたいかと尋ねています。
この質問に係る調査結果は下記の通りです。
(引用元:2018年度投資信託に関するアンケート調査報告書|投資信託協会)
「手数料や運用管理費用の水準」と答えたのは、16.8%。
現時点で重視をしている点よりも、割合が大きい結果に。
過去の調査結果と比較しても、その割合は増えています。
個人投資家のコスト意識は、徐々に高まっているのです。
他の選択肢と比べて、直接的にリターンを高める要素ではありません。
それでもコスト分だけリターンが削られるというのは周知の事実です。
投資信託の運用コストは、その分だけリターンを確実に悪化させる。
リターンは制御不能ですが、コストは商品選びでコントロール可能。
こうした考え方が徐々にですが、着実に広まっている。
少なくともワタシは、良い傾向であると考えています。
コントロールできることに集中する
投資信託といっても、決してインデックスファンドだけでは無くて。
アクティブファンドなど、世の中には無数のファンドが存在します。
ただどんな投資信託であっても、必ず運用コストが発生します。
そこには運用会社がいて、信託銀行がいて、販売会社がいます。
投資を委ねているので、当然ながらコストを負担すべきです。
ただしコストは、確実にリターンを虫食む存在でもあります。
公共サービスは例外ですが、価格決定は基本的に需給バランス。
費用をそのまま価格に反映できる、という世界ではありません。
つみたてNISAでパイが大きくなり、将来的にも大きくなりそう。
外部環境変化により、需給バランスが従来とは変わっています。
だからこそコスト競争が起きていて、超低コストになっている。
個人投資家の立場では、低コストな投資信託を淡々と選ぶだけ。
例えば運用会社が倒産したとしても、投資家は保護されます。
他の運用会社に信託財産が移るか、繰上償還となるようです。
相場環境がどうなり、どの資産クラスが儲かるのかは不透明です。
運用コストの低いファンド、純資産総額の大きいファンドを選ぶ。
特に運用コストはリターンに直結するので、慎重に選択をする。
個人投資家がコントロールできる部分は、そういうところです。
コスト意識が高まっていること、すなわち自分で考えるということ。
金融機関に薦められるがままではなく、自律的な判断をして欲しい。
自分で考えるという流れになっていれば、心強いなと思います。
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運用会社の中の人から大バッシングを受けた、問題の記事です。
表に出ないコストも知りたいという純粋な気持ちで書きました。

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