青井ノボルです。
年初には、毎年恒例の様にマーケット予想が話題になります。
2018年後半に相場下落となり、2019年も激変の年となる。
為替について、欧州リスクを受けて円高に振れるだろう。
多種多様な予想が繰り広げられますが、だいたい外れます。
当たったとしても、偶然であることが大多数だと思います。
インデックス投資は、特定資産の指数に連動した値動きになる。
リターンが安定して高い資産を選びたくても、難しいものです。
この記事では、将来リターンの資産クラス順位を予想するのは難しいことについて書いていきます。
資産クラスの順位は毎年変動する
資産クラスの年率リターンを比較した時、順位は毎年入れ替わる。
よく言われている話であり、モーニングスターの図表が有名です。
(引用元:資産クラス別リターン(年次・円換算)|モーニングスター)
2018年は国内REITが+6.7%、国内債券が+0.1%でプラスに。
その他の資産クラスは、軒並みマイナスリターンとなりました。
定期預金などの無リスク資産は、期待リターンは低いが安定的に推移。
リスク資産は、期待リターンが高くてもリスク(振れ幅)は大きい。
当然リスク資産の中でも、期待リターン・リスクに差があります。
債券と株式、先進国と新興国、それぞれに特徴があるようです。
いずれにしても、資産クラスの年次リターン順位は変動します。
この図を見ただけでも、予想が困難であることが一目瞭然です。
プロでも将来の相場予想は難しい
相場変動を予想するは、想像以上に難しいことだと感じます。
これだけ順位が大きく入れ替わると、本当に難しいですよね。
また事実、専門家による株価指数の年初予想はよく外れます。
2018年は、「日経平均が3万円に到達」という予想もありました。
蓋を開けてみると厳しい相場で、日経平均は2万円前後の終値に。
前述の記事を読むと、様々なロジックで日経平均3万円を説明。
確かにそうかもしれない、と当時は感じた人も多いでしょう。
ただ、世の中は予想通りに動くとは限りません。
専門家でも将来を正確に予想するのは困難です。
世の中に溢れる様々な情報
情報化社会と言われる現代社会では、情報が溢れています。
新聞雑誌の紙媒体、ネットもSNSやブログなど様々です。
洪水のように押し寄せてくる情報を、いかに処理するか。
自分なりに取捨選択し、自身の考えに取り込むかどうか。
いわゆる資料活用能力が、求められる時代だと思います。
不要情報を遮断するのも、有効な選択肢となるでしょう。
投資が仕事でも趣味でも無い、普通の個人投資家にとって。
コントロールしようがない相場情報は、必要性が低いです。
どの資産クラスのリターンが高いか予想するよりも。
バイ&ホールドできる資産かどうかの方が大事です。
自分で語れるストーリーこそが投資
たとえば、米国株投資を実践している個人投資家がいるとして。
「過去のリターンが高かったから」だけでは危うさを感じます。
感覚は人それぞれですが、なぜ米国株式を選択すべきなのか。
大暴落に見舞われても、信じて持ち続けることができるのか。
投資理由を明確にした方が、バイ&ホールドの確度は高まる。
少なくともワタシは、何となくだとリスクが高いと考えます。
投資するリスク資産について、自分の言葉で語れるかどうか。
受け売りの言葉ではなく、腹落ちした状態で発する言葉です。
投資は、自分の言葉で語れるストーリーであるべきだと考えます。
あえて思考停止する分散投資
ワタシの場合は、上場企業の株価は長期的に上昇すると考えます。
一方で、どの地域のリターンが大きいかは分からないという立場。
バイ&ホールドに値する株式で、広く分散された資産に投資。
時価総額比率の全世界株式に投資する、これが投資方針です。
株式のなかで、より高リターンの資産クラスを予想したとして。
上位を取り続ける資産クラスを的中させるのは、難しいこと。
集中投資により、大損のリスクを抱えて大儲けを狙うのか。
分散投資により、大儲けを諦めリスク低減効果を狙うのか。
どちらが良いのかは、個人の価値観で決めるべき問題です。
ワタシは、集中投資すべき資産クラスを見分けられません。
投資素人なので、分散投資を選択したいと考えています。
資産クラスの組み合わせで結果は異なる
ここでひとつ、参考となりそうな資料を紹介したいと思います。
先日のSBI証券×三菱UFJ国際投信ブロガーミーティングで使われた。
イボットソン・アソシエイツ・ジャパンによる説明資料の一部です。
(※イボットソン社から個別に使用許諾を得ています。転載厳禁。)
国内株式・外国株式・国内債券・外国債券の4資産について。
3パターンの組み合わせで、シミュレーションをしています。
1969年末に100万円投資し、48年間運用した場合の推移です。
グラフ右端を見ると、株式割合が高いとリターンも高い結果に。
最終結果だけを見ると、株式割合が高い方が良いと感じます。
ただ、48年間持ち続けることができた場合の過去の試算です。
株式割合が高いほうが、期待リターンはきっと高いでしょう。
ただ、最終結果が絶対にこうなるとは限らないとも言えます。
また、2008年のリーマン・ショック前後に着目すると。
最も下落率が高かったのは、株式割合が高いパターン。
もし、株式7割のパターンで2009年頭に全て売却していたら。
株式3割を48年間ホールドするより、低リターンとなります。
期待リターンが高いかどうかは、もちろん大事な要素。
ただリターンは、将来のことなので不確実なものです。
もっと大事なのは、本当に持ち続けることができるのか。
どこまでリスクを許容できるか、という視点が重要です。
将来を予測するのは難しいけれど
資産クラスのリターンや将来順位を予想するのは難しい。
これは、一個人の力ではコントロールできない領域です。
だとすれば、長期的な値上がりを信じられる資産クラス。
自分で投資のストーリーを語れる資産クラスを選びたい。
また、相場変動に動揺して退場してしまうのも避けたいです。
リスク許容度を把握し、できれば保守的に想定したいところ。
この2つの要素は、自分がどう考えて行動するかという領域。
外部環境に依らず、自分の意思でコントロールができます。
投資素人のワタシは、分散投資で投資の継続を目指します。
投資方針を貫けるように、思考停止で続けたいと思います。
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関連記事紹介
投資素人である自覚があるからこそ、できるだけ投資判断を避けたい。
市場平均に全てを委ねることで、感情が入り込む余地を排除します。

もっと儲かる資産クラスは、と探し続けるのも一つの選択肢。
ワタシは「投資のリターンは足るを知るで十分」と考えます。

コメント
事前にリターンがよい商品を見分ける事が出来ないですね。自分が得意な分野の資産を組み入れる事が一番しっくりくるんではないでしょうか?
不動産が得意な方がリート、コモディティが得意な方もいるでしょう。野球のイチロー選手も得意なコースをうまく打てるんで高い打率になったんだろうと思います。手当たり次第では活躍できなかったのは自明の理かと。
投資も自分の得意分野であればそこを伸ばすほうが簡単であり、成功する可能性が高いと思われます。まあ、インデックスはそういった得意分野を持たない方でもリターンが望める優れた商品であるんですが・・・。
コメントありがとうございます。
バイ&ホールドを前提とすると、得意というよりは持ち続けられる確固たる自信があるかどうかというイメージで捉えています。
もちろん、銘柄選定に長けた人であれば、得意な資産クラスで思う存分利益を上げれば良いと思います。
一般論としては、たしかに得意分野を伸ばす方が合理的ですよね。
社会人歴が長くなってくると余計に、そう感じます(^-^;