青井ノボルです。
先日、三菱UFJ国際投信のブロガーミーティングに参加してから2ヵ月弱が経過しました。
初めての投資イベントでもあり、充実した内容に刺激を受けたことが記憶に新しいです。
さて先日、ブローガーミーティング参加者宛に事務局の方からメールが届いていました。
メールを確認すると、ブロガーミーティング内容を活用したウェブ広告を作成したとのこと。
ウェブ広告の内容については、こちらをご確認ください。
今回の記事では、eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)に係るウェブ広告の内容を確認していきます。
また、ワタシが3地域均等ではなく時価総額比率の全世界株式に投資したいと考える理由について、改めて書きたいと思います。
目次
ブロガーミーティングの内容と乖離は無さそう
今回のウェブ広告は、先日開催されたブロガーミーティングの内容をもとに書いているようです。
ブロガーミーティングの内容については、当ブログでも参加レポートを書いています。
当日の様子について、全体像をざっくり書いているので、もしよければ読んでください。
<参考記事:オフレコ話満載の三菱UFJ国際投信ブロガーミーティングに参加>
ウェブ広告の内容をざっと見る範囲では、おおむね当日の話振りとの乖離は無さそうでした。
3地域均等型の国別構成比率は時価総額比と大きく異なる
ウェブ広告は、eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)を推す内容となっています。
具体的には、3地域均等型全世界株式の特徴を幾つか挙げて説明する形式です。
一つ目は、全世界株式の国別構成比率に関する内容について。
(引用元:ぶっちゃけ全世界株式ってどうなの?|三菱UFJ国際投信より一部抜粋)
上記円グラフを見ても分かる通り、時価総額比率(左)では日本を除く先進国が約8割を占めます。
日本は8%程度ですし、今後の経済成長が期待されると言われている新興国の割合も少ないです。
一方で、3地域均等型(右)では日本が1/3を占めるほか、中国等の新興国割合も多くなります。
ウェブ広告の中では、国別構成比についてこのように触れています。
- 時価総額比率は国内株式比率が8%程度。日本に暮らす我々にとってその比率は少なすぎないか。
- 今後の経済成長を考えたときには、新興国の比率が10%程度というのは少なすぎないか。
年金運用では世界的に自国株式割合を高める傾向にあり、国内株式を持つことが円ベース資産のインフレ対策にも繋がる側面もあるとのこと。
外国株式であると為替リスクが相対的に大きいのは事実ですから、このようなホームアセットバイアスが生じる要因の一つでもあります。
過去15年間パフォーマンスはほぼ一緒
二つ目は、各インデックスの過去15年間パフォーマンスに関する内容について。
(引用元:ぶっちゃけ全世界株式ってどうなの?|三菱UFJ国際投信より一部抜粋)
過去15年間における各インデックスの推移をみると、3つは似たような動きをしてます。
よく見ると過去15年間では、3地域均等型が時価総額比率のMSCI ACのパフォーマンスを上回っています。
またウェブ広告を見ると、今後の成長が期待される新興国について、3地域均等型は構成比率が大きいことを改めて主張しています。
まず、過去のパフォーマンスは、将来も同様となることを約束するものではありません。
勿論参考にはなりますが、期間の区切り方によって異なる結果となる可能性があります。
「新興国は今後の成長が期待される」というのも、期待通りの将来がやってくるとは限りません。
書いていることは事実だと思いますが、ちょっと誤解しそうな文章かなと感じました。
期待リターンと推計リスクもほぼ一緒
三つ目は、3地域均等型の期待リターン・推計リスクについて。
ブロガーミーティングにおけるイボットソン・小松原氏の説明について、少し書かれています。
3地域均等型は、ほぼ効率的フロンティア上に位置するので、資産の組み合わせとして最適なものの一つと計算されるようです。
効率的フロンティアとは、ポートフォリオにおける資産配分で最も投資家に有利と判断される選択肢が集合したもの。
期待リターンと推計リスクのグラフにおいて、効率的フロンティアは原則として弓場の曲線を描くことになります。
これはイボットソンの推計値による計算によって導かれた結論ですが、3地域均等型も時価総額比率も、期待リータン・推定リスクに大きな差はありません。
強いて言えば、3地域均等型の期待リターン・推計リスクは若干高い数値となるようです。
ブローガーミーティングでも、3地域均等型と時価総額比、どちらも広く分散することでリスクが低減される効果があると解説していました。
どちらもさほど変わらないので、全世界株式は3地域均等型か時価総額比か、自分で考えて決めれば良い問題であるというハナシでした。
ちなみに同様の話題は、ブロガーミーティングの配布資料(ブログ公開OK)をもとに、当ブログでも何度か書いています。
イボットソン・小松原氏による説明内容にも触れていますので、もし良ければ参考にしてください。
<参考記事:世界分散投資のチカラを再確認!卵は複数のカゴに盛りましょう>
<参考記事:世界分散投資の配分比率に拘るのは無駄なのか>
ワタシが時価総額比を選ぶ理由
ウェブ広告の内容は、3地域均等型が良いよね・悪くないよねという体裁になっています。
これは自社HPに掲載しているウェブ広告なので、当たり前といえば当たり前ですね。
ワタシは全世界株式へ広く分散したポートフォリオを目標としていますが、割合は時価総額比率です。
確かに3地域均等型も魅力的ですが、理屈ではないトコロで相性がよくないと感じてしまいます。
それは、インデックス投資における市場平均をそのまま受け入れるという考え方と同様に、地域割合も全世界株式市場をありのままで受け入れたいと考えることが最大の要因です。
こう考える根底には、投資素人であるワタシは投資判断の際に感情に左右されやすいので、判断する余地を最小化することでリスクヘッジしたいという想いがあります。
ウェブ広告にも記載の通り、「日本の割合が少ない」「新興国の割合が少ない」という事実はあれど、時価総額比率はある意味で市場そのものを表していると考えています。
例えば、新興国株式を考えるときに、新興国が今後大きな経済成長を遂げる可能性があるとします。
仮に経済成長を遂げたとしても、株式市場で外国投資家への制限を掛けたり、大企業に国営企業や非上場企業が多い傾向が続けば、現実問題として、我々が投資できる対象株式は限定的となります。
新興国では特に、経済成長そのものに投資する術が無いというのは、紛れもない事実です。
もちろん、日本を含めた先進国であっても、程度の差はあれど大枠としては一緒です。
経済成長の恩恵を受けたいけど、現実的に投資できる範囲で妥協するという選択。
ある意味で大雑把な考え方ですが、無理のない範囲に留めるという潔さがあります。
これは完全に好みの問題ですが、ワタシは時価総額比率の全世界株式を選びたいと考えています。
時価総額比とGDP比、3地域均等型という選択。そもそも全世界株式か、特定地域への集中投資か。
どの選択肢を選ぶかは個人の自由ですが、自分の選択を腹に落としておくことが重要かと思います。
長期投資の最重要課題である「続ける」をクリアするためには、必須と言っても良いでしょう。
「ウェブ広告でこう言ってたから」「誰かがこう言ってたから」ではなく、自分事として考える。
ウェブで情報を得ることも大事ですが、そのあとに自分の頭で考えて納得することがもっと重要。
今回のウェブ広告を読んで、そんなことを改めて考えさせられたのでした。
あとがき
老舗投資ブログ「投信で手堅くlay-up!」のじゅん@さんから以前、こんなアドバイスをいただきました。
アセットアロケーションはアートだと言った人が居ましたが、正解が無い中で、自分の信じる美しさに拘れば良いのでは。 https://t.co/2PNUAgEzhR
— じゅん@ (@junatmark) 2018年4月3日
「アセットアロケーション(資産配分)はアート」という言葉は、的を得た面白い表現ですよね。
絶対的な正解が用意されている世界ではないからこそ、あれこれ考えて、コレだと納得できる「何か」を見つける。
ブログを書き綴ることを通じて、これからも思い悩み、そして自分なりに考え抜きたいと思います。
■関連記事紹介■
eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)ですが、設定当初の動きは厳しい状況でした。
<関連記事:eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型) 設定から1ヵ月経過するも厳しい状況>
時価総額比とGDP比のどちらにすべきか、自分なりに悩んで考えながら泥臭く書きました。
<関連記事:全世界株式の比率はGDPか時価総額か>
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