青井ノボルです。
eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)が設定されてから1ヵ月が経ちました。
新規設定が発表された直後に大きな話題を呼んだのは記憶に新しいと思います。
また、運用会社である三菱UFJ国際投信のブロガーミーティングで大々的にプッシュされていたファンドでもあります。
その影響もあってか、4月上旬頃までは話題に上ることも多かったように感じます。
さて、話題性の高まりが落ち着きを見せている当ファンドですが、純資産総額などの状況はどうなっているのでしょうか。
この記事では、設定から1ヵ月経過したeMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)について書いていきます。
純資産総額の推移を確認
人気があるファンドには、当然ですがお金が集まっていくことになります。
ファンドへの資金流入具合を探る手掛かりとなるのが、純資産総額です。
純資産総額は基準価額×口数で決まるため、基準価額変動の影響を受けることになります。
とはいえ、純資産総額が増加傾向にあれば、概ね資金流入が進んでいると考えて良いでしょう。
eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)の純資産総額推移は下図の通りです。
(引用元:eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)公式HPより抜粋)
4月末から5月初旬にかけてはGW連休があったせいか、純資産総額の伸びが鈍化しています。
勢いが鈍化しているようですが、純資産総額が右肩上がりで推移しているのは事実です。
ただ、問題となるのは資金流入の絶対量であり、純資産総額の絶対値だと思います。
純資産総額は、設定から1ヵ月あまりで1.61億円(2018/5/9時点)となりました。
これが多いのか少ないのかは、気になるところです。
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)と純資産総額を比較
まずは身近なところから、同じeMAXIS Slim シリーズのファンドと比較してみます。
比較対象は、数週間前に設定されたeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)です。
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は、2018/3/19に新規設定されたファンド。
投資対象や比率は若干異なるものの、全世界株式への分散投資という点では共有してます。
さて、eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)の純資産総額推移は下図の通りです。
(引用元:eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)公式HPより抜粋)
純資産総額の推移を見ると、eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)よりも増加ペースが安定しているように見えます。
また、eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)が設定された2018/4/3からの純資産総額増加額は3.62億円です。
同期間における純資産総額の増加額を比較すると、eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)は全世界株式(除く日本)に倍以上の差をつけられています。
設定された時期が半月ほどズレているとはいえ、両者には大きな差があるように感じてしまいます。
人気ファンドの楽天VTと純資産総額を比較
次に比較するのは、全世界株式に広く分散しているVTに投資するファンドオブファンズの楽天VTです。
楽天VTは、投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2017で1位に輝いた人気ファンドのひとつ。
2017/9/29に設定され、すでに純資産総額が大きくなっているファンドですが、比較してみます。
楽天VT(楽天・全世界株式インデックス・ファンド)の純資産総額推移は下図の通りです。
(引用元:楽天VT公式HPより抜粋)
表示期間は、eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)が設定された2018/4/3から2018/5/9です。
上記期間内における純資産総額増加額は、なんと17.06億円。
増加額を比較すると、eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)の10倍以上です!
また、参考までに楽天VTの設定直後1ヵ月間における純資産総額増加額を調べたところ、なんと6億円超でした。
対象期間の時期が違うので単純比較はできませんが、似たような全世界株式対象ファンドなのに勢いが全然違いますね。
eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)の人気が出ない理由
新規設定された時期が異なるので単純比較は難しいですが、数字で比較すると差は歴然。
楽天VTが最も勢いがあり、続いて全世界株式(除く日本)、全世界株式(3地域均等型)の順です。
楽天VTは国内・先進国・新興国株式を時価総額比率でカバーしている点が評価されたのでしょうか。
あるいは、超有名かつ超低コストなVTに投資できるファンドオブファンズだからなのでしょうか。
個人的には、いずれも人気化した要因になっていると考えます。
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は、先進国・新興国株式を時価総額比率でカバーしています。
eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)は、国内・先進国・新興国株式を3地域均等割合で投資します。
カバーしている地域は全世界株式(3地域均等型)のほうが広いですが、全世界株式(除く日本)よりも人気が無いのは何故なのでしょうか。
やはり、時価総額比率ではない点が大きなネックとなっているような気がします。
3地域均等も時価総額比率も分散効果はほぼ一緒だというのに、それでも時価総額比率が求められる。
もはや理屈ではなく感性の世界ですが、時価総額比率のほうがしっくりくるという人が多いのではないでしょうか。
全世界株式ファンドはしばらく様子見を続けます
ワタシはいま、eMAXIS Slimシリーズを積み立ててインデックス投資を続けています。
具体的には、国内株式(TOPIX)・先進国株式・新興国株式の3ファンドへ時価総額比率で投資。
定期的にリバランスを実施することで、時価総額比率をおおよそ保てるようにするつもりです。
全世界株式ファンドを選択すれば、リバランスの手間からは解放されます。
将来的に乗り換える可能性もゼロではないですが、もう少し様子見を続けてから判断するつもりです。
ただ、その場合でもeMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)は選択肢に入らないと思います。
ワタシは主観的に判断する要素を極力排除すべく、この先も時価総額比率を貫きたいからです。
同じように考えている人がどれだけいるかは分かりませんが、少なくともeMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)の1ヵ月経過時点での状況は厳しい、といえそうです。
良い意味で予想を裏切ってくれることを祈りつつ、これからもeMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)を見守っていきたいと思います。
■関連記事紹介■
3地域均等の分散効果について、また時価総額比率に拘る理由について書きました。
<関連記事:世界分散投資の配分比率に拘るのは無駄なのか>
全世界株式(3地域均等型)の設定直後の状況に書いた記事です。
<関連記事:eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)は不安の残る幕開け>
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