職場つみたてNISA制度を世間に広めるために必要なこと

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青井ノボルです。

先日のこと、「面従腹背メガバンクに金融庁の怒り」という記事を見かけました。
この記事の中で「職場つみたてNISA」という聞きなれない言葉が出てきます。

Twitterやブログなどのインデックス投資界隈で、情報収集をはじめて3ヵ月。
少なくともワタシは、「職場つみたてNISA」という言葉を見掛けた記憶がありません

この言葉を知っている人、きちんと理解している人は少数派なのではないでしょうか。

「職場つみたてNISA」ですが、スキーム図を見る限りでは世間に浸透させるのは難しいと感じます。
この記事では、「職場つみたてNISA」のスキームや取り組み状況、どうしたら広まるのかについて考えてみます。

 

職場つみたてNISAのスキーム

職場つみたてNISAは、つみたてNISAが始まる前からスタートしている制度です。
従来NISAの時代からある制度で、当初は職場積立NISAという名称でした。

日本証券業協会が事務局を担っていて、「企業の役職員等の自助努力による資産形成の支援、福利厚生の増進」を図るべく、本制度の検討・普及・促進を進めています。
金融庁が推進している「貯蓄から投資へ」を加速させる施策のひとつですね。

さて、職場つみたてNISAのスキーム図はこうなっています。

20180417
(引用元:「つみたてNISAの普及・利用促進を図るための金融庁の取組み等」(金融庁)資料より一部抜粋)

このスキーム図を見る限り、大まかな流れは下記のとおり。

  1. 金融機関が民間企業等の職場に出向き、制度・投資について情報提供
  2. 職場内での制度・投資への理解が深まる(福利厚生の一環にもなる)
  3. 社員が運用を始めたいと思ったら、説明してくれた金融機関で口座開設
  4. 金融機関は販売会社として手数料収入を得ることができる

一般市民が自らの意思で投資の世界に飛び込んでくることが見込めないため、
職場を巻き込んで投資を知るキッカケを作ってしまおう!という発想ですね。

 

金融機関だけが損をする歪な制度

冒頭に紹介した記事にも書かれているように、つみたてNISAは若者世代の資産形成に適した非課税制度です。
それ故に、販売手数料・信託報酬が低コストな投資商品ばかりであり、販売会社である金融機関にとっては利益率の悪い商材と言えます。

職場つみたてNISAの制度がスタートした当初は、従来型NISAの制度利用を勧めていたこともあり、
金融機関は高コストな投資商品、つまり利益率の良い商材を推奨して販売する余地がありました。

職場に出向いて制度や投資について説明するコストをカバーできるだけの利益確保が可能であれば、
営利企業である金融機関にも、職場つみたてNISA導入を推進するインセンティブが働きますよね。

これが、つみたてNISAという儲からないビジネスにしか繋がらないとなると、わざわざコストをかけて制度や投資の説明に出向く意味がありません
幅広い支店網を抱えるメガバンクや体力の乏しい地域金融機関にとっては、コストばかり嵩んで美味しくない制度だと推測されます。

従来型NISA時代は成立していたものの、つみたてNISAにシフトした途端に金融機関だけが損をする歪な制度と化してしまったのだと想像しています。

 

これまでの取り組み状況

さてここで、職場つみたてNISAのこれまでの取り組み状況を確認します。

20180417_2
(引用元:「職場積立NISAの導入状況等について」(NISA推進・連絡協議会)資料より一部抜粋)

想像していたよりも、導入している企業が結構あるんだなという印象です。
金融庁の働きかけはもちろん、金融機関も営業活動を頑張った結果だと思います。

ただ、このデータはあくまで従来NISAを推進していた時代の話です。
利益率の良い商品を推奨できる余地があったからこそ、成立していたのかもしれません。

職場つみたてNISA制度において、これまで制度や投資の情報提供という役割を担ってきた金融機関。
2018年1月につみたてNISA制度がスタートしたいま、金融機関に頼り続けるのは正直厳しいと考えます。

実店舗を構える金融機関はもちろんのこと、ネット銀行・証券でも本制度への対応は難しいのではないでしょうか。

ネット系金融機関は、間接コストを徹底的に圧縮することで、低コスト商品の薄利多売でも成り立つビジネスモデルです。
全国津々浦々の職場に、制度や投資の説明員を派遣できる体制を組んだ時点で、従来のビジネスモデルが成立しなくなります。
おそらく、実店舗を構える金融機関と同様に、コストが嵩むばかりで利益確保は難しいでしょう。

職場を通じて、従業員に対して投資情報を提供するというアプローチ自体は有効だと思います。
職場つみたてNISA制度の根底にある考え方には賛同しますが、金融機関を頼り続けるのは酷です。

金融機関が嫌々やらされている制度では、広く世の中に浸透していくとは思えません。

となると、本制度における非課税制度や投資の情報提供という役割は、誰が担うべきでしょうか。

 

職場つみたてNISA制度を広めるために

ワタシは、独立系ファイナンシャルプランナー(FP)など金融のプロが情報提供の役割を担うべきだと思います。

情報提供を担う金融のプロは、一定要件を満たしたFPなどを対象として登録制とします。
イメージとしては、経済産業省による経営革新等支援機関認定制度のような事前登録制です。

事務局は、職場つみたてNISA制度を利用したい職場と登録FPをマッチングします。
登録FPは指定された職場に出向き、非課税制度と投資についてレクチャーを実施します。

特定金融機関に誘導しない等の要件を満たした場合、事務局から登録FPへ講師謝金を支払います。
金融庁が委託事業として予算を組んで、事務局が受託することで講師謝金を税金で負担します。

この場合、職場で投資教育を受けた従業員がどの金融機関で口座開設するかは自由です。
自由であるがゆえに、口座開設に繋がりにくいというデメリットはあるかもしれません。

ただ、投資教育負担を金融機関に押し付ける構図ではないので、全員がwin-winの関係になります。

  • 職場は、従業員の福利厚生を手厚くできるのでハッピー。
  • 従業員は、投資教育を受ける機会が得られてハッピー。
  • 金融庁は、つみたてNISA制度を普及できてハッピー。
  • 登録FPは、講師謝金が貰えて営業にもなるのでハッピー。

全員がハッピーであれば持続可能な制度になりますし、結果として世間に広めることができるのではと考えます。

ただ税金を投入する場合は、公平性の観点から対象が職場だけで良いのかという議論はありそうです。
個人向けには「つみたてNISA Meetup(つみップ)」を全国展開しているので、大丈夫でしょうか。

 

職場つみたてNISAの変革に期待

職場つみたてNISAという制度、うまく機能すれば大きな可能性を秘めていると感じます。
まだまだマイナーな制度ですが、個人投資家としては、もっと世間に広まって欲しいです。

旗振り役である金融庁には、金融機関が乗り気になれない制度を無理やり運用するのではなく、
多くの国民にとって投資をはじめるキッカケとなるよう、持続可能な制度への変革を期待します。

ワタシは、インデックス投資ブログを書くことで、つみたてNISAをこっそり応援し続けます。

■関連記事紹介■
ワタシが実際につみたてNISAで投資しているファンドと積立設定を公開しています。
<関連記事:つみたてNISAで投資する投資信託と積立設定を公開

金融庁がつみたてNISA普及のために制作した3本の動画を紹介します。
<関連記事:安定的な資産形成の促進を目指す!金融庁の制作動画をご紹介

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