青井ノボルです。
金融庁では国民の「貯蓄から投資へ」を促すべく、様々な取り組みを行っています。
日本人は昔から保険や貯金を好む傾向が強く、投資に踏み出せていない人が多いと言われています。
ただ、バブル期のような高金利が期待できないいま、投資による資産形成を促すのは当然の流れです。
非課税制度のNISA・つみたてNISAを作ったり、普及のためにリアルイベントを開催したり。
ワタシも1人の個人投資家として、金融庁が本気で取り組む姿勢をひしひしと感じています。
今回は、投資による資産形成を促すべく、金融庁が公開した制作動画3本をご紹介します。
金融庁の意図を感じるターゲット設定
金融庁が制作した3本の動画は、YouTubeおよび金融庁のNISA特設ウェブサイトに掲載されています。
「未来のあなたのために~人生とお金と資産形成~」と題した動画で、動機編・知識編・制度編の3本で構成されています。
どの動画も3~4分程度なので、スキマ時間でさらっと見ることができる長さです。
金融庁のウェブサイトには、本動画についてこのように記載しています。
金融庁では、国民の安定的な資産形成を促進することを目的として、NISA推進・連絡協議会とともに、厚生労働省その他の関係団体の協力を得て、職場でのセミナー等での活用を念頭に、主として若年勤労世代向けのビデオクリップ教材「未来のあなたのために~人生とお金と資産形成~」を制作しました。
(引用元:金融庁 NISA特設ウェブサイトより一部抜粋、赤字は筆者加工)
なるほど。若手サラリーマンをメインターゲットとした動画というワケですね。
定期収入のある若者に関心を持ってもらい、投資素人でも失敗しにくい長期積立分散投資を促進したい。
あくまでワタシの想像ですが、金融庁の意図が透けて見えるターゲット設計だなと感じました。
将来に目を向けることが第一歩
1本目の動画タイトルは「動機編:資産形成の重要性」。
この動画には20歳代の若者3人が登場します。
「投資のイメージは?」「将来の夢は?」といった問い掛けに、それぞれが答えていく内容です。
(再生する際は音量注意です)
動画の後半にある「人生を経営視点で考えてみましょう」というメッセージ。
ワタシは「自分の人生を自分事として考え、中長期的な視点を持って人生を歩みましょう」というニュアンスだと解釈しています。
人生における幸福度や充実度は、人によって重視する軸が異なると思います。
ただ、お金に余裕があったほうが選択肢が広がるというのも、また事実です。
人生の夢や目標を考えたときに、その夢を実現するために必要なお金はいくらか。
人様なお金を確保するためには、具体的にどんな選択肢があるのか。
こんなことを考えているうちに、投資も選択肢の一つに加わるかもしれません。
逆に言えば、将来に目を向けることではじめて投資を考えるのだと思います。
投資をすでに実践している人は、すでに経営視点が備わっていると言えるでしょう。
目の前のことだけではなく、将来的なことも含めて考えることができているハズです。
資産形成の王道は長期積立分散投資
2本目の動画タイトルは「知識篇:長期・積立・分散投資」です。
投資素人の個人投資家が安定的な資産形成をするために、有効な投資方法と言われています。
(再生する際は音量注意です)
投資素人の一般人にとって王道とも言える「長期積立分散投資」は、時間を味方につける投資法です。
若いうちから実践することで、平均への回帰性によりプラスリターンを得られる可能性が高まります。
安定的な定期収入が期待できるサラリーマンには最適な投資法と言っても過言ではありません。
ワタシも20代の頃に積立投資をしていましたし、今もインデックス投資で毎日積立をしています。
長期投資という側面を考えると、期待リターンは平均への回帰が期待できるほか、複利のチカラでリターンが大きくなる可能性が高まります。
積立投資という意味では、給与収入の一部を定期的に積み立てることで自ずとドルコスト平均法となり、大失敗を避けることができます。
分散投資を考えると、個別銘柄や業界を選定する手間を省くことができるほか、分散効果でリスク低減にも繋がります。
投資素人で、そこそこ忙しくて、定期的な給与収入があるサラリーマンこそ実践したい投資方法です。
非課税制度で資産形成
3本目の動画タイトルは「制度篇:非課税制度(つみたてNISAとiDeCo・企業型DC)」です。
つみたてNISA、iDeCoなどの非課税制度について解説する内容となっています。
(再生する際は音量注意です)
つみたてNISAやiDeCoといった、国が用意している非課税制度は上手に活用したいですね。
各制度の内容については、動画を見れば大体わかると思います。
つみたてNISAであれば、金融庁が安定的な資産形成に適した投資商品のみに厳選しています。
トンデモ商品を掴むリスクが少ないのも、投資をはじめるうえで安心材料となるでしょう。
制度にはメリットデメリットがありますが、大枠を理解したうえで活用するのが良いと思います。
金融庁のメッセージが届きますように
金融庁はかなり前向きな姿勢で、国民の安定的な資産形成を促進しようとしています。
クオリティから察するに、今回の動画制作にはそれなりの予算を割いているハズです。
なお、今回の制作動画は広く活用されることを想定していて、制限を設けない方針としています。
営業現場やライフプランセミナー、職員(新入社員など)向けの研修、職場のポータルサイトでの紹介(例えば本ウェブサイトのURLの掲載)など、様々な場での活用を通じて閲覧いただけるよう、使用についての制約は設けておりません。
(引用元:金融庁 NISA特設ウェブサイトより一部抜粋、赤字は筆者加工)
民間のチカラもうまく活用しながら、投資による資産形成を促していくという考え方なのでしょう。
3本の動画に込められたメッセージが、ターゲットである若年勤労世代に伝わることを祈るばかりです。
真面目な内容なので拡散は難しそうですが、一人でも多くの若者に伝われば素敵だなと思います。
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