青井ノボルです。
つみたてNISAがスタートしてから、早いもので3ヵ月が過ぎようとしています。
金融庁も熱心に広報活動を展開していますが、その認知度はまだまだ発展途上。
一方で、制度をしっかり活用している人も増えてきていることでしょう。
そうしたなか、モーニングスターで気になる記事を発見しました。
つみたてNISAで資金流入が倍増
前述の記事は、つみたてNISA対象商品であるファンドを調べて書かれています。
パッシブ127本・アクティブ15本について、純資金流出入額で売れ筋を紹介しています。
ただし、つみたてNISA経由での流入を集計するのは難しいようです。
特定口座等での購入を含め、全ての資金フローが対象となっています。
最初になるほどなと思ったのは、こちらのデータ。
まずパッシブファンドについて、対象商品全体の純資金流出入額の推移を開始前と開始後の3カ月で比較すると、2018年1月の開始後は毎月300億円を超えるペースで純資金流入となっており、つみたてNISA効果が伺える(図1参照)。
(引用元:「つみたてNISA」開始3カ月、対象商品“売れ筋”は?|モーニングスター )
つみたてNISAがスタートした2018年1月以降、毎月200億円近くが底上げされています。
つみたてNISAの影響により、パッシブファンドへの流入が倍増したというのは凄いですね。
要因としては、つみたてNISA対象商品のうちパッシブファンドの占める割合が大きいこと。
約9割がパッシブファンドで、アクティブファンドは限られたラインナップとなっています。
パッシブ運用はベンチマークのリターンを目指す運用で、ベンチマークには指数が採用されることが大多数です。
そのため、実態としてはパッシブファンド≒インデックスファンドと言っても過言ではないでしょう。
つみたてNISA対象商品の基準を作っているのは金融庁、つまり国です。
長期投資に資するとして、インデックスファンドを推奨しています。
インデックスファンドの普及に一役買っているとも言えるでしょう。
ワタシがインデックスファンドに出会えたのも、つみたてNISAのお陰かもしれません。
日経平均のインデックスファンドが人気
もうひとつ面白いのは、つみたてNISA対象のパッシブファンドランキングです。
パッシブファンドの純資金流出入額ランキング(2018年1~3月までのトップ10)を見ると、同期間に144億円の純資金流入で第1位となった「野村 インデックスファンド・日経225」など、4位までが日経平均株価連動型であった(図2参照)。
(引用元:「つみたてNISA」開始3カ月、対象商品“売れ筋”は?|モーニングスター )
特徴的なのは、1~4位を日経平均株価に連動するファンドが占めていること。
流入増加額のケタがひとつ違いますし、突出した人気ぶりとなっています。
日経平均というと、ニュース番組や新聞でもよく見かける一番身近な指数です。
インデックス投資を始めるまで、MSCIコクサイなどは一切知りませんでした。
何かを始めるとき、知っているコトから始めるのは王道かもしれません。
例えば、新卒の就職活動では日常生活に身近なメーカーや旅行代理店に人気が集まりますよね。
個別銘柄の投資であっても、まずは知っている企業・応援したい企業の株を買う人が多いです。
つみたてNISAがキッカケとなり、初めてパッシブファンドに投資。
指数は知っている日経平均を選択する、という人も多そうですね。
なお上位4ファンドの販売経路ですが、証券会社・銀行の窓口販売がメインだと推測されます。
というのも、ネット証券大手では日経平均株価連動の投資信託は上位に入っていません。
唯一、ニッセイ日経225インデックスファンドは販売金額TOP10に入っていましたが、信託報酬が低いからでしょうか。
改めて、証券会社・銀行の販売力はスゴイなと感じるデータです。
日経平均以外の売れ筋ファンドの明暗
さきほどのランキング、5位以降は投信ブロガーにとってお馴染みのファンドばかり。
主にネット証券経由で流入額が増えているファンドで、いずれも信託報酬は低水準です。
まず、投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Yearでも上位常連のファンド。
ニッセイ外国株式インデックスファンド、その人気ぶりは日経平均ファンドに迫る勢いです。
ただ、つみたてNISA開始後の伸びはイマイチ。
表の一番右側を見れば分かりますが、あまり伸びていません。
既存顧客の支持は厚いものの、新規顧客の獲得には苦戦している可能性があります。
一方、つみたてNISA開始後に急速に伸びているのがeMAXIS Slim 先進国株式です。
流入額の増加ペースが、一気に上がっていることが分かります。
これは、つみたてNISAスタート直前に信託報酬の大幅引き下げを発表したことが要因だと推測されます。
発表タイミングが的確で、年0.1890%→年0.1095%という大胆な引き下げの衝撃も大きかったですね。
そのほか、7位の楽天VTI、8位の楽天VTも好調のようです。
バンガードのVTやVTIへ手軽に投資できるのが、最大の魅力。
投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2017では1位と3位を獲得。
人気のあるファンドなだけに、上位に食い込んでくるのも納得です。
インデックスファンドの更なる広がりに期待
今回のデータで、つみたてNISA開始によってインデックスファンドへの長期投資が浸透しつつあることが分かりました。
その影響力はワタシの想像よりは大きいものでしたが、「貯蓄から投資へ」を世の中に広めるまでには至っていないのが現状。
また、売れ筋上位を日経平均連動のファンドが占めているのも、世界分散投資がまだマイナーであることの証左といえます。
ワタシは、個人投資家、特にサラリーマンにはインデックスファンドへの長期投資が最適だと考えています。
インデックス投資で全世界への分散投資が低コストで簡単にできていしまう、素晴らしい時代です。
つみたてNISAの制度が広まることで、インデックス投資が更に盛り上がることを期待しています。
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