「敗者のゲーム 原著第6版」(チャールズ・エリス著)

書籍

青井ノボルです。

読み終わったのはこのブログを始める前でしたが、ようやく記事に書きたいと思います。
インデックス投資家にはあまりにも有名な「敗者のゲーム 原著第6版」です。

初版が刊行されたのは1985年ということで、奇しくも私の生まれた年。
本書は時代を超えて読み継がれる運用哲学のバイブルとも言われています。

ざっくり言うと、投資で成功するためにはリスク許容度の範囲内で資産配分し、インデックスファンドに投資して、マーケットの変動に惑わされることなく、この方針を堅持することが重要、という話。
つまり、インデックス投資のスタンダードな考え方を丁寧に説明してくれている本、というワケです。

さて、今回は本書の感想について書いていきます。

初心者が本質を学べる本

本書の大きな特徴としては、投資本にも関わらず数式はおろか図表もほとんど登場しないということ。
もちろん図表がゼロということではないのですが、最小限に抑えられていて、初心者でも取っつきやすいです。
文章のボリュームも250ページほどと少なめで、非常に読みやすかったです。

インデックス投資の知識があまりなくても、インデックスファンドの優位性の説明から入り、いざ実践するときに大まかな手順や基本的な考え方にも言及しているので、理解しやすい構成だと思います。
もちろん、アメリカと日本では投資環境が異なる部分が少なからずあるので、すべてを鵜呑みにすべきではないですが。
インデックス投資の原理原則というか、本質的な部分を丁寧に解説してくれるので、インデックス投資を実践し続けるための胆力を養うにはうってつけの書籍でしょう。

インデックス投資の本質を学べる初心者向けの良書だと思います。
普遍的な内容なので、中級~上級者が何度も読み直すのもアリです。

 

敗者のゲームとは

この本のタイトルにもなっている「敗者のゲーム」という言葉。

あまり聞きなれない言葉ですが、本書ではテニスを例としてこのように説明しています。

二つのゲームは基本的に正反対なのだ。プロのテニスは勝つために行ったプレーで結果が決まる「勝者のゲーム」であるのに対し、アマチュアのテニスは敗者がミスを重ねることによって決まる「敗者のゲーム」なのである。
(引用元:敗者のゲーム 原著第6版 P22)

本書では、投資の世界における「市場平均に勝つ」というゲームは敗者のゲームであるとしています。

機関投資家が大多数を占める市場では、ライバルよりも失点を少なくすることが勝ち残るための唯一の秘訣であり、他のプロのミスに乗じて行動する必要があります。
ただ、こうした魅力的な投資機会が常にあるわけもなく、短期的に市場平均に勝つことができても、長期にわたって勝ち続けるのは困難。
そして、一般投資家が勝ち続けるファンドを事前に見分けるということも、とても難しいことなのです。

だからこそ、個人投資家はいつも市場平均に負けない
インデックスファンドを持つべきだ、と主張しています。

市場平均に勝とうとしたときに、一時的に勝てても、勝ち続けるのは非常に難しいということ。
そして、アクティブファンドはコスト分だけ市場平均を更に上回る必要があるものの、ハードルが非常に高いこと。

このあたりが腹に落ちたというか、なるほどなと思いました。

 

感情に流されないために

改めて勉強になったのが、人間は常に合理的に行動するわけではないという事実です。

本書では、こうしたことを踏まえて投資家が避けるべきリスクを幾つか挙げています。

■投資信託に投資する場合、10年に1回以上入れ替える・・・投信への投資は、デートではなく結婚だ。「富める時も、貧しい時も」ともに助け合うものだ。投信入れ替えコストは高い。個人投資家にとっての投信へのリターン実績は、その投信自体のリターンを大幅に下回る。なぜなら一般投資家は、好成績、すなわち基準価額の高い時に投資し、成績不振となった安値で売るからだ。価格変動に惑わされず持ち続けたら、リターンははるかに大きかっただろう。
■感情的・・・株価が上がれば笑い、下がれば泣く。価格の変動が激しいほど、感情も激しくなる。
(引用元:敗者のゲーム 原著第6版 P56-57より一部抜粋)

投資における最大の敵は自分の中にある感情なんだよなと、改めて感じました。

感情に左右された判断が、良い結果を生まないのは必然だと思います。
それが分かっていても、ついつい感情に動かされてしまうのが人間ですよね。

感情に流されないためには、投資に関するベーシックな知識習得は不可欠です。
投資の大原則というか、そもそも論を腹に落としておくことが大事なのでしょう。

正しい知識をつけたうえで、心を穏やかに保つことが重要ということですね。

 

個人投資家のための十戒

これは確かにそうだよなと思ったのが、個人投資家のための十戒という話です。
特に心に残ったのが、4番目に書かれていたこの文章。

自分の住宅を投資資産と考えてはいけない。住宅は家族と生活する場所であり、それ以上のものではない。多くの人が2008年の住宅価格の暴落で実感したことだろう。住宅は金融的な意味で優良な投資対象とは言えない。しかし、家族の幸福のための投資としては意味がある。
(引用元:敗者のゲーム 原著第6版 P151)

世の中では「賃貸と持ち家のどちらが得か」「家を買うなら都心の駅近物件」などの議論があります。
ただ、お金の損得や不動産購入の投資的側面、こうした話と家族との生活は別問題だよなと、常々思っていて。

ちょっと意味が違うかもしれないですが、こうしたモヤモヤを晴らしてくれる良い言葉に出会えた気がしました。

 

最後に

ワタシは、インデックス投資開始前にこの本を読むことができて、良かったなと思います。
というのも、何故インデックス投資なのか、腹に落とすことができたような気がします。

「稲妻が輝く瞬間」「平均への回帰」といった頻出ワードも、理解を促してくれました。

「インデックスファンドは、面白くもおかしくもないが、とにかく結果が出る。」

この言葉を信じて、ワタシはインデックス投資を続けていこうと思います。

■関連記事紹介■
バンガード社の創業者であるボーグルの名著です。こちらも読みやすいと思います。
<関連記事:「マネーと常識 投資信託で勝ち残る道」(ジョン・C・ボーグル著)

投資信託を基礎から学べる冊子です。無料なので、投資初心者は必読ですよ。
<関連記事:「わかりやすい 投資信託ガイド」(投資信託協会発行)

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