青井ノボルです。
株式と債券のバランスで投資のリスクをコントロールする人が多いと言われています。
一方で、債券の仕組みや価格変動の原理原則がよく分からない、という人も多いと思います。
ワタシもイマイチ理解できていなかったので、基礎からちゃんと勉強してみたかったんですよね。
そこで「債券の基本とカラクリがよ~くわかる本」という、初心者向けと思われる本を読んでみることに。
一通り読んでみた感想と、この本から学んだことについて、簡単に書きたいと思います。
株式との違い
読み始めの第一章は、債券の基礎知識について。
ここで印象に残ったのは、債券の発行はお金を借りること、という言葉です。
つまり、個人投資家が債券を買い付けるのは、お金を貸すという行為。
お金を貸すからリスクプレミアム分の金利が乗るワケですね。
そして、債券には償還期限があるものが多い一方、株式には償還期限はありません。
第一章を読んだ時点で、株式と債券の根本的な違いについて、腹に落ちたような気がしました。
金利と価格の関係
次に印象に残っているのが、債券の金利と価格の関係について。
金利が上がると価格が下がる、というのは知ってたものの、なんとなくの知識だったんですよね。
ざっくりとは分かっているけど、人には説明できないレベルの理解度だったワケです。
利回りと価格の関係について、数式で示してくれていたので、ようやくキチンと理解できました。
債券の購入価格と額面金額は異なることがあって、その差も含めて利回りを考える。
利回りベースで考える場合は、長期金利が変動すると、国債の価格は利回りが同水準となるまで変動する。
金利と価格の関係についてのロジックを理解することが、債券を学ぶ時の第一関門かもしれませんね。
この本では、具体的な数字の例も示しながら解説してくれているので、理解しやすかったです。
先行きを読むのは困難
株式と似ているなと思ったのが、第六章に書かれている「金利の先行きを読む方法」。
債券の価格形成に影響する長期金利の動向について、これを予想するのは難しいとのこと。
株式市場の値動きを読むことが難しいのと、基本的な構造は一緒のようでした。
長期金利の先行きを予想することが難しい、すなわち価格変動の予想も難しいワケです。
となると、株式投資でいう資本主義の継続という前提条件、つまり長期的に値上がりし続けるという根拠を見いだせないと、債券投資には踏み出せないなと改めて感じました。
社債などの民間債よりも公共債、特に国債が占める割合が圧倒的に大きいのが国内債券市場の実態です。
国債が信用できるのか、長期的に一定水準以上の利回りが期待できるのか、見極めが必要そうです。
仕組債は避けるのが無難
そのほか、デリバティブなどの仕組債についても解説があって、個人は簡単に手を出すべきではないと言及しているのも印象的でした。
仕組債は条件付きで利子が高めに設定されているものが多いものの、利率の高さがリスクに見合ったものなのか、個人が見分けるのは難しいとのこと。
仕組債に組み込まれているデリバティブはリスク判断が難しいだけでなく、大きな損失を被る危険性があることから、あまり推奨しないということでした。
よく理解できないモノには手を出さないという原則は、個人投資家が守るべき重要なルールですね。
ちなみに、オプション取引のヨーロピアンタイプとアメリカンタイプ、コールオプションとプットオプション、といった専門用語。
中小企業診断士の一次試験で勉強した内容だったので、少しだけ懐かしい気持ちになったりしました。
初心者でも読みやすい良書
全部で200ページほどありますが、初心者でも読みやすい良書でした。
専門用語の解説も分かりやすいし、図表も多く、理解を促してくれます。
債券について基本的内容から勉強してみたいという人には、おススメできる本です。
知識のある人でも、目次を見ながら気になるところだけ読むのもアリだと思います。
図解入門ビジネス 最新債券の基本とカラクリがよ~くわかる本[第3版]
久保田 博幸 秀和システム 2016-06-22 |
ワタシはこの本を読んで、債券に関する最低限の知識は付けることができたなと思います。
この本を読もうとしたときの、当初の目的は達成です。
一方で、現時点の知識だけでは、まだ債券投資に踏み出せないと感じたのも事実です。
債券クラスの資産に投資するときに、一番求めたいのはリスクの小ささ。
そして、無リスク資産よりも期待リターンが大きい、ということ。
為替リスクのある外債は除外するとして、国内債券クラスにこれらが期待できるのか。
もし期待できるとしたら、その根拠は何なのか。未だにキチンと理解できていません。
やるべきことはシンプルなインデックス投資ですが、なかなか奥が深いものですね。
資産形成を目指して、ワタシはこれからもインデックス投資の勉強を続けていきます。
■過去記事紹介■
ワタシが投資するときの資産配分(アセットアロケーション)には債券を含めていません。
<参考記事:30代サラリーマンがアセットアロケーションを考える>
もしインデックス投資に興味があれば、この本もおススメです。
<参考記事:「マネーと常識 投資信託で勝ち残る道」(ジョン・C・ボーグル著)>
▼応援よろしくお願いします▼
(ブログランキングに参加しています)
コメント