青井ノボルです。
eMAXIS Slim シリーズといえば、何とっても先進国株式でしょう。
象徴的な存在である先進国株式が、今回も期待通りの引き下げです。
純資産総額が700億円に迫るなか、ライバルファンドに対抗します。
2019/12/27より、信託報酬率は年0.0965%(税抜)となります。
受益者還元型の信託報酬、削られながらも辛うじて残りました。
実質的に最低水準の運用コストであることには変わりないです。
この記事では、eMAXIS Slim 先進国株式が6回目の信託報酬引き下げを実施することについて書いていきます。
雪だるま先進国株式に対抗
eMAXIS Slim シリーズの第1弾として、2017/2/27に新規設定。
同シリーズをここまで牽引してきた先進国株式が頑張りました。
SBIAMの雪だるま先進国株式が先日、信託報酬引き下げを発表。
2019/11/22から8営業日遅れの、2019/12/4に対抗を発表です。
従来のようにスピード感のある対抗引き下げが戻ってきました。
個人投資家としては、これは素直に喜ぶべきことだと感じます。
信託報酬の引き下げが早いと、その分パフォーマンスが上がる。
コスト水準からして誤差の範囲内ですが、良いものは良いです。
これまでと異なり、超低コストに突入したため難しい面もある。
それでも可能な範囲で、対抗引き下げを実施するのは流石です。
信託報酬引き下げの歴史を振り返る
eMAXIS Slim 先進国株式は6回も、信託報酬を引き下げています。
信託報酬の変遷について、これまでの推移を振り返ってみます。
2017/02/27 新規設定(信託報酬0.200%)
2017/10/02 信託報酬引き下げ(0.200%→0.190%)
2017/11/10 信託報酬引き下げ(0.190%→0.189%)
2018/01/30 信託報酬引き下げ(0.189%→0.1095%)
2018/07/25 信託報酬引き下げ(0.1095%→0.1090%)
2019/06/25 信託報酬引き下げ(0.1090%→0.0999%)
2019/07/08 純資産総額500億円突破、受益者還元型の信託報酬率スタート
2019/12/27 信託報酬引き下げ(0.0999%→0.0965%)
過去6回の信託報酬引き下げ、これはシリーズでも最多だと思います。
eMAXIS Slim シリーズのコンセプトを体現しているファンドですね。
引き下げ回数が多くなる理由は、競争の激しい資産クラスだからです。
先進国株式は世界分散投資の要であり、以前から重要な位置付けです。
競争率の高い先進国株式で、輝き続けるのはスゴいことだと思います。
eMAXIS Slim 先進国株式の積み重ねこそ、信頼感に繋がっています。
信託報酬引き下げも新局面に突入
前述の通り、今回の引き下げは雪だるま先進国株式が契機となりました。
雪だるま先進国株式は、2019/12/18から下記の通り引き下げをします。
tax | 変更前 | 変更後 | |
信託報酬 | 税抜 | 0.075% | 0.062% |
(内、委託会社) | 税抜 | 0.03% | 0.022% |
(内、販売会社) | 税抜 | 0.03% | 0.025% |
(内、受託会社) | 税抜 | 0.015% | 0.015% |
投資先ETF経費率 | 税込 | 0.0345%程度 | 0.0345%程度 |
実質的信託報酬 | 税込 | 0.117%程度 | 0.1027%程度 |
雪だるま先進国株式は、米国籍ETFに投資をするファンドです。
ファンドの信託報酬に投資先ETF経費率を足すと、実質負担に。
今回の引き下げで注目すべき点は、信託報酬引き下げの内訳。
委託会社分の引き下げ幅が大きく、販売会社分は抑制的です。
恐らく、販売会社が引き下げに付き合う場合の限界値が近い。
ファンド自体の信託報酬が元々低いので、やむを得ないと思います。
一方で、対抗引き下げを実施するeMAXIS Slim 先進国株式。
こちらもやはり超低コスト、懐事情は似通っているようです。
変更前 | 変更後 | |
信託報酬 | 0.0999% | 0.0965% |
(内、委託会社) | 0.03995% | 0.03825% |
(内、販売会社) | 0.03995% | 0.03825% |
(内、受託会社) | 0.020% | 0.020% |
信託報酬の内訳を見ると、委託会社と販売会社で痛み分け。
この点は雪だるま先進国株式よりも余裕がある気もします。
ファンドの純資産総額に応じて | 変更前 | 変更後 |
500億円未満の部分 | 0.0999% | 0.0965% |
500億円以上1,000億円未満の部分 | 0.0949% | 0.0932% |
1,000億円以上の部分 | 0.0899% | 0.0899% |
受益者還元型の信託報酬、つまり純資産総額が増えたときの信託報酬。
純資産総額が積み重なってくると、ディスカウントされる仕組みです。
こちらは従来と比較して、引き下げ幅が抑制的となっています。
信託報酬の引き下げも限界が近づいている証左かもしれません。
eMAXIS Slim 先進国株式のライバルは手強い
eMAXIS Slim 先進国株式は、信託報酬の対抗引き下げを実施。
今回はタイムリーに引き下げ発表があり、安心感がありました。
一方で受益者還元型の信託報酬は、やや抑制的な変更に留まります。
引き下げ競争が新たな次元に突入したことを感じさせられます。
また、引き下げ実施のタイミングも雪だるまに後塵を拝する結果に。
ライバルファンドでも、eMAXIS Slim対策が進んでいるのでしょう。
先進国株式は競争が激しいですが、主なファンドは絞られています。
雪だるま、たわら、ニッセイ、そしてeMAXIS Slimシリーズの争い。
eMAXIS Slim 先進国株式が優勢ではありますが、今後どうなるか。
ライバルファンドも手強いので、気が抜けない状況が続きそうです。
関連記事紹介
eMAXIS Slim 先進国株式の純資産総額は順調に伸びています。
結果として実質的な信託報酬が下がり続ければ、好循環ですね。

eMAXIS Slim シリーズは、最高のパフォーマンスを目指す。
従来とは少し違う、新たな意思表示をしたのが印象的でした。

●twitterもやってます●
Follow @sindanindex
コメント