青井ノボルです。
いま現在進行形で、インデックス投資の準備を進めています。
前回の記事では、アセットアロケーションについて考えました。
次に考えたいのが、アセットアロケーション(資産配分)に沿った具体的な投資商品の選定です。
同じ資産クラスであっても、実に様々なファンドがあります。
今回は、金融商品を選択しながらポートフォリオを決めていきます。
ETFと投資信託、どっちが良い?
インデックスに連動した金融商品は、主に2種類あります。
- ETF(上場投資信託)
- 投資信託
ETFは投資信託の一種であり、株式投資と投資信託の特徴を足して2で割ったような金融商品です。
投資信託の基準価額は1日1回の頻度で公表され、この基準価額で取引(買ったり換金したり)を行います。しかも、基準価額の公表は取引の申し込み後となるため、基準価額が分からない状態で投資信託の取引を行うことになります。
一方で、ETFは株と同じようにリアルタイムで価格が変動しますので、株と同じように成行・指値での取引ができます。売買に関する自由度はETFのほうが優秀です。
ETFの運用にあたっては、投資信託と同様に運用管理費(信託報酬)が発生します。ただ投資信託と比べると信託報酬は安い傾向にあります。
信託報酬は保有しているだけで発生し続ける費用ですし、保有量が増えていくと、その絶対額も大きくなることから、安いほうが有利なのは言うまでもありません。
ここまでの話であれば「投資信託じゃなくてETFが良いじゃん」となりますが、投資信託と比べた場合のデメリットもあります。
投資信託は金額を指定して購入することができ、1回の購入金額は100円からでも原則OKです。一方で、ETFは株と同じように最低購入単位があることから、少額投資には向いていないと言えます。
また、投資信託は定額での積立投資が可能です。一度設定さえすれば、ほったらかしでも定期的に定額積立を続けることができるため、ドルコスト平均法が簡単に実践できます。
ETFだと手動で定期的に積立はできるものの、最低購入単位があるため定額での投資は現実的に不可能です。
ETFと投資信託、どちらが絶対的に有利とはもちろん言えません。
ワタシの場合は、インデックス投資を長く続けていくためには手間がかからないほうが良いと判断したため、投資信託を選択します。
投資信託を選ぶポイント
ところで、投資信託といっても世の中には膨大な数のファンドがあります。
日本国内の公募投資信託は、なんと6,000本以上です(投資信託協会の統計データより)。
投資信託には大きく分けて2種類存在します。
- インデックス型
- アクティブ型
2つの違いについては別の機会で触れるとして、インデックス投資においては特定のインデックス(指標)をベンチマークとして、その動きに連動することを目指す投資信託、つまりインデックス型の投資信託を選ぶことが大前提となります。
どの指標をベンチマークとする投資信託にするかは後で考えるとして、選ぶ際の最重要ポイントはコストだと考えています。長期投資を前提としたインデックス投資であれば尚更です。
投資信託には、主に下記のコストが発生します。
- 購入時手数料(買うときに発生)
- 信託報酬(保有しているときに発生)
- 信託財産留保額(換金するときに発生)
ここでしっかり比較検討しておきたいのが信託報酬です。
インデックス投資は長期投資が前提となることから、保有しているだけで発生するコストである信託報酬は、パフォーマンスへの影響が大きいといえます。
そのほか、売買委託手数料や監査報酬などのコストも、保有しているだけで継続的に発生するコストになります。
信託報酬とこれらを合算して実質コストと呼ぶことも多いようです。
実質コストは運用開始から間もない場合は確認できませんが、出来る範囲で確認しておきたいところです。
また、もうひとつ確認しておきたいのがベンチマークとの連動性が確保されているかという意味で、トラッキングエラーの実績です。
ベンチマークへの連動を目指すための実際の運用方法は、運用する会社によってまちまち。特定の市場平均(指標)に投資しているはずが、そこから乖離していてはダメですよね。
(一部のファンドでは上方・下方乖離がたびたび起こっている事例もあるようですので・・・)
信託報酬のコスト競争
投資信託の選択において、信託報酬のコスト比較が重要であると書きましたが、昨今のインデックス型投資信託は激しいコスト競争が繰り広げられています。
2017年1月からはiDeCoがスタートし、2018年1月からはつみたてNISAも始まり、投資信託への注目度が高まっていることが背景にあるのでしょう。
以前からインデックス投資を実践してきた先輩方からすれば、現時点の環境は非常に恵まれているのだと思います。
コスト競争がどこまで続くのか分かりませんが、そろそろ限界が近づいているとも言われています。
とはいえ、当面は最新情報をウォッチしておく必要がありそうです。
手間をかけない運用
インデックス投資を選んだ理由のひとつが、資産形成のための投資に対して、あまり手間をかけたくないというものでした。
コスト競争の激しいインデックス型投資信託の世界において、今後も信託報酬の引き下げ合戦が続くとも限りません。
投資信託のなかでどの商品を選ぶかの選択基準として信託報酬などのコストは重要事項ではありますが、その情報を常にウォッチして、積立投信を乗り換えるかどうかを検討する、というのは正直面倒です。
そこで目に留まったのが、三菱UFJ国債投信のeMAXIS Slimシリーズです。
ポイントは「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続けるファンドシリーズ」を謳っている点にあります。
このファンドシリーズを選択することで、将来的な乗換えの手間を省くことができるのであれば、ワタシにとっては最適な選択となりそうです。
ワタシのポートフォリオ
前置きが長くなりましたが、ワタシのポートフォリオについて考えます。
アセットアロケーションを検討した前回の記事でも触れた通り、ワタシは全世界株式に投資することを決めています。
この場合、ざっと調べた範囲では、有力な選択肢は下記の通りとなります。
- VT(ヴァンガード・トータル・ワールド・ストック・ETF)
- 楽天VT(楽天・全世界株式インデックス・ファンド)
- eMAXIS Slimシリーズで全世界株っぽく配分
まずVTですが、アメリカ市場に上場しているETFで、アメリカを含めた先進国・新興国約50カ国の株式の指数に連動する商品です。
日本国内では外国株式という扱いになることから、米ドルでの購入が必要(≒為替コストがかかる)ですし、分配金に係る二重課税の問題など、国内のETF以上に扱いが難しいと言わざるを得ません。
楽天VTは、VTにおける取り扱いの難しさを解消する投資信託です。日本円で購入できるのはもちろん、100円からの定額積立も可能です。
信託報酬はVTに比べて少し割高にはなりますが、実質コストが0.2396%程度と非常に低い水準に抑えられています。
ただし、三重課税(配当金に対して現地国・米国・日本で課税)となる点は注意が必要そうです。
最後のeMAXIS Slimシリーズですが、全世界株式に連動する商品は無いのですが、国内・先進国・新興国の株式指数に連動する商品がそれぞれ用意されています。
これらを時価総額比率っぽく積み立てていくことで、擬似的に全世界株式への投資を実現することができます。
デメリットとしては、商品ごとにリターンが異なるため定期的なリバランスを実施する必要があります。
ワタシの場合は、このなかで実質コストが一番低くなると思われる、そして今後も最低水準のコストを維持できることが期待できるeMAXIS Slimシリーズで積み立てていくことにします。
国内:先進国:新興国株式の比率を1:8:1を基本として、同シリーズでポートフォリオを組み立てていきます。
リバランスの必要性はありますが、半年に一度程度の定期的な見直しをすることで、完全放置の運用にしない点はむしろプラス材料と判断しました。
ただ、実際には各資産クラス間の比率が、時価総額比率と大幅に乖離する可能性は低そうな気がします。おそらく大した手間にはならないはずです。
(2018/9/18追記)
半年以上が経ったので、ポートフォリオを再点検しました。
投資準備段階で考えていたことと、結論は大きく変わっていません。

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