青井ノボルです。
このファンドは目立ちませんが、地味に凄いファンドなのではと感じます。
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)の純資産総額が100億円を突破です。
さかのぼること1年半前、全世界株式(3地域均等型)とともに設定されて。
あまり人気が出ないと思われましたが、資金流入が続き大台に乗りました。
楽天VTに対抗すべく、苦し紛れに設定したファンドだと記憶しています。
期待されていなかったファンドかと思いますが、意外と需要はあります。
積立投資に広く活用されているようで、資金流入も安定的に推移です。
超低コストをキープしてくれる安心感も、寄与しているのでしょうか。
この記事では、eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)が純資産総額100億円を突破したことについて書いていきます。
楽天VTに対抗するも中途半端
FOY2017において、衝撃的なデビューを飾った筆頭は楽天VTです。
VTを投資信託として買えるということもあり、人気を集めました。
設定間もないファンドが、まさかの第1位に輝くという事態です。
つみたてNISAの開始に伴って、資金流入も一気に加速しました。
三菱UFJ国際投信としても、この流れに乗りたかったのでしょう。
2018/3/2、eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)設定を発表。
当時、このファンドに投資すべきか考えましたがパスしました。
ワタシは時価総額比率の全世界株式に投資をしたいと考えていて。
除く日本という部分が引っ掛かって、選択肢から外していました。
本来であれば、楽天VTに対抗して日本を含む全世界株式とすべき。
ところが当時は、MSCIジャパンに連動するマザーファンドが無い。
既存のマザーファンドを使う前提で、除く日本が誕生したと推測。
日本を除いても大して変わらないから、という発想だと思います。
ただしこの決定は、正直なところ中途半端な対抗策に映りました。
そして事実、資金流入は楽天VTに大きく劣る結果となったのです。
信託報酬は業界最低水準をキープ
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は、コスト競争を頑張っています。
全世界株式クラスであれば、ベンチマークが違っても徹底的に対抗します。
ベンチマークが一緒のライバルといえば、野村つみたて外国株投信です。
信託報酬は少しだけ高いですが、マザーファンドが比較的大きいのが特徴。
当ファンド設定当時はコスト最安でしたが、Slimの設定後は2番手に後退。
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は、設定後も信託報酬を引き下げ。
ライバルファンドへの対抗を続けた結果、年0.1%に迫る水準になりました。
各資産クラスのファンドを組み合わせるよりも、低コストで投資できます。
業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける、が効いています。
スローガンを掲げるだけではなく、しっかりと実行するのは素晴らしいです。
純資産総額は安定的な増加傾向
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は、純資産総額が100億円を突破。
ここまで1年半以上かかりましたが、その推移を見ると底堅さを感じます。
(eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)|三菱UFJ国際投信)
純資産総額の積み上げ、あまりにも綺麗な線を描いていて驚きました。
積立投資を継続している人が多い影響なのか、安定的に伸びています。
似たような推移となる傾向が強いのが、8資産均等型バランスファンド。
どちらのファンドも、達観した長期投資家に愛されているのでしょうか。
これは推測に過ぎませんが、国内個別株への投資をしていた人がいて。
補完的に買うファンドとして、除く日本が愛されている可能性もある。
経験豊富な投資家であればこそ、インデックス投資はほったらかしで。
楽しむ投資は個別株で、資産形成は全世界株式(除く日本)に任せる。
大多数のニーズを満たすというよりは、ニッチな需要に応えるファンド。
大人気にはならないけど、個人投資家の期待にしっかり応えてくれる。
ユニークなファンドとして、最高な仕事をしているのかもしれません。
オール・カントリーも100億円間近に
eMAXIS Slim シリーズにおいて、楽天VTに真正面から勝負を挑むファンド。
全世界株式(除く日本)ではなく、全世界株式(オール・カントリー)です。
2018/3/19に設定された除く日本ですが、残念ながら人気はいま一つでした。
楽天VTの人気が高まって資金流入が続く中、苦戦していたように見えました。
遅れること半年ちょっと、2018/10/31に設定となったオール・カントリー。
FOY2018で初登場第3位に輝くなど注目が集まり、徐々に人気となりました。
全世界株式クラスのなかで、今でも資金流入でNo.1に輝くのは楽天VTです。
オール・カントリーも健闘していますが、あとひとつ及ばないという感じ。
このあたりは、しんたろうさんが定期更新する記事がまとまっています。
まだ楽天VTに及ばないのは事実ですが、オール・カントリーは健闘していて。
日本の運用会社が現物で運用する全世界株式の超低コストファンドなのです。
マザーファンドの規模をみても、相対的に問題が無いレベルだと思われます。
あと少しで資産クラスの中でトップの座が見えているだけに、惜しいところ。
そのeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)ですが、あと少し。
あと少しで、除く日本と同じく純資産総額100億円という節目を迎えます。
FOY2019でどんな評価を受けるのかを含め、大事なタイミングは近い。
マザーファンドを立ち上げて設定したオール・カントリーにも期待です。
除く日本の人気は安定か
100億円を突破したeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)の今後はどうか。
これまでの純資産総額推移を見る限り、資金流入は現状をキープできそう。
積立投資の設定をコロコロ変える人も少ないでしょうし、土台は完成済み。
あとは上乗せ分で、新規積立投資家を取り込めるかどうかが鍵となります。
爆発的に人気が集まる資産クラスではないと思いますが、徐々に増えるかも。
つみたてNISAの口座数は今でも増えているようですし、外部環境は良好です。
ベーシックな資産クラスを詰め込んだeMAXIS Slim シリーズの一員として。
目立たなくて地味なファンドですが、安定成長でいぶし銀な存在を目指す。
そんなファンドがあっても良いと思うので、密かに応援したいと思います。
関連記事紹介
eMAXISシリーズにも、除く日本の全世界株式ファンドが存在します。
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は、eMAXIS超えを達成済み。

全世界株式といっても、その考え方は投資家によって異なるものです。
ワタシは、時価総額比率の全世界株式に投資をしたいと考えています。

●twitterもやってます●
Follow @sindanindex
コメント