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青井ノボルです。

先日、NHKで「郵便局が保険を押し売り!?~郵便局員たちの告白~」という番組を見ました。


郵便局はかんぽ生命の保険商品を販売していますが、そこで不適正な営業が横行しているとの内容です。
今回の報道は、SNSで情報を呼び掛けて現役郵便局員からも情報収集したようで、信憑性は高いと思います。

投資の世界でも、証券会社をはじめとした金融機関の営業マンに言われるがままに投資商品を購入。
あとからトラブルになるケースが後を絶たないと言われています。

保険も投資も、一般市民からすると仕組みが分かりづらい金融商品という意味では、大枠は一緒です。

金融商品の販売現場で何が起きているのか、不適正営業に走る要因と課題について考えてみます。


高齢者の家族同席ルールが形骸化

一般市民にとって、身近で信頼できる存在ともいえる郵便局。
全国津々浦々に幅広い店舗ネットワークをもち、政府機関であった名残もあって信用力がある。
民営化してから随分経ちますが、公に近い組織として認識しているひとも多いと思います。

プラスイメージの強いブランド力を武器に、不適正ともいえる営業が行われているというのです。

番組は「70歳を超える高齢者が、郵便局員の訪問を受け、納得できない保険に加入させられた」という話から始まります。
この事例では、70歳以上の高齢者に対して郵便局員3人で押し寄せ、高齢者は納得できないまま雰囲気に飲まれて契約させられたとのこと。

70歳以上の高齢者が、かんぽ生命の保険商品を契約する場合、家族または親族の同席が必要となっています。

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(引用元:かんぽ生命HP 「お客さまの声」を経営に活かした改善事例より一部抜粋)

しかしながら、家族の同席を求められるどころか同席拒否の書類を渡されて、「これにサインしてください」と言われるがままにサイン。
郵便局員3人に囲まれて、契約しなければいけないと感じた高齢者は、納得できないまま契約してしまったというのです。

さきほどの家族の同席が必要というルールですが、営業マンである郵便局員の上司が契約の場に同席すればOKなどの例外規定があるとのこと。
営業現場における実態としては完全にルールが形骸化している様子でした。


違法性の高い不適正営業が常態化

高いブランドイメージを武器に、高齢者を騙すような営業が常態化しているという郵便局。
番組で取り上げていたトンデモ営業手法は、一般市民の感覚からすると本当に酷いものでした。

①「通帳が緑から青に変わるだけだから」といって契約を迫る

ゆうちょ銀行の通帳は緑色の表紙というのは、みなさんご存知の通り。
かんぽ生命の保険証券は、うすい青色をしているらしいです。

そこで「通帳の色が変わるだけだから」と、貯金と保険を混同させるような巧みなトークで、契約に導くという手法があるようです。
貯蓄性の高い保険商品があるのは事実だと思いますが、元本割れせず流動性の高い「普通預金」と「保険」は全くの別物

流石にコレは酷いです。酷すぎます。不適正を飛び越えて詐欺とも言える営業手法だと思います。

②2年の短期解約を繰り返して契約件数を稼ぐ(2年話法)

これは手数料ビジネスにありがちな、いわゆる回転売買営業です。

「特約が変わった」「お金を返す」などのトークで、契約中の保険を途中解約させ、支払われた解約返戻金で別の保険を新たに契約させるという手法です。

途中解約では掛金に対して解約返戻金の金額が少ないことが大半で、顧客に損失が発生します。
こうしたマイナス面はきちんと説明せず、契約件数を稼ぐという営業手法のようです。

契約と解約を繰り返させる営業トークは「2年話法」と呼ばれているとのこと。
開いた口が塞がらないというか、末恐ろしい世界ですね。

③保険に入ると相続で有利だからと言って契約させる(相続話法)

生命保険を活用すると相続対策になるので加入を、という論調で迫るケースもあるようです。
番組のなかでは、この相続話法に関する詳細な説明は無かったように記憶しています。

相続税については、税理士と相談しながら考えたほうが良いと思います。


押し売りの背景には過剰ノルマとパワハラ研修

何故、かんぽ保険の販売現場で不適正営業が繰り返されたのでしょうか。

その一因は、本社から各郵便局への強烈なプレッシャーのようです。
前年度実績と比べて1.5倍~2倍、場合によっては3倍の目標を課せられるとのこと。

個人に割り振られた目標が達成できないと、局員は上司からの厳しい叱責を受けます。
数字が足りないというコトで、人格否定に近い厳しい言葉を浴びせる上司もいるようです。

上司としても、郵便局内の目標が達成できないと、本社からキツイことを言われるのでしょう。
マネジメント能力に欠ける上司ほど、目先の数字を求めて恫喝まがいの指導に走りがちです。

ちなみに、個人目標が未達の局員を集めた、通称・パワハラ研修というのもあるとのこと。
厳しい恫喝的な指導を、1時間にわたって受けるようです。絶対に参加したくないですよね。

こうしてノルマに追い詰められた局員が、詐欺まがいの営業を繰り返してしまう。

営業手法に問題があったとしても、数字さえあげていれば怒られずに済みます。
人間はラクなほうに傾きがちなので、ある意味で自然な流れなのかもしれません。


目先の利益を追うと結果的に将来の利益を失うというジレンマ

いつの間にか組織的な不適正営業が常態化してしまっていた郵便局。
この手の話は、ほかの民間企業でもあり得る話です。というか実際にあります。

東芝が不正会計に手を染めてしまったのも、チャレンジという名の過剰ノルマが要因でした。
商工中金の不正融資問題も、ノルマに対する強いプレッシャーが要因といわれています。

大企業であっても、公的な企業であっても、目先の数字だけを追いかけるとこうなるのです。

民間企業は事業の継続性が最も重要なので、利益を出し続けるのが至上命題なのは当然のこと。

ただ、目先の利益を追って、過剰なノルマを課し、現場が不適正営業をはじめたら最後。
顧客を裏切り、社会的な信用を失うとともに、収益も一気に悪化するリスクがあります。


金融機関は顧客本位を追求すべき

事業継続を最重要課題とするならば、本来は顧客をはじめとしたステークホルダー(利害関係者)と長期的に良好な関係を築くことが大事です。
言い換えるならば「顧客本位」であり、金融業界でいえば「フィデューシャリー・デューティー」です。

保険をはじめとした金融商品の個人向け販売は、情報の非対称性があると言われています。
売り手である金融機関と買い手である個人を比べたとき、情報格差が激しいということです。

情報の非対称性が存在すると、トンデモ金融商品を素晴らしい金融商品と称して売ってしまおうというインセンティブが働きがち。
そのため、情報弱者である個人は金融商品に対して過剰に構えてしまい、結果として本当に良質な金融商品の販売すら難しくなります。

「貯蓄から投資へ」がなかなか進まない背景には、こうした問題があるのではないでしょうか。
こんな状態がいつまでも続くようであれば、業界全体が沈没する可能性もゼロではありません。

今回は郵便局の不適正な営業が報道されましたが、金融機関も対岸の火事では済まないかもしれませんね。


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