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青井ノボルです。

投資信託(ファンド)は、多くの投資家がお金を出し合ってプロに運用を任せる投資商品です。
プロに運用を任せるので、そこには当然ながらコストが発生します。

具体的には、信託報酬や実質コストと呼ばれている、運用にかかる手数料です。

ところが、三菱UFJ国際投信のブロガーミーティングの懇親会でお聞きしたハナシによると、
書面で開示されているコスト以外にも、投資家が負担しているコストがあるようです。

この記事では、インデックスファンドにおいて投資家が負担しているコストの実態について、改めて考えてみます。


注目の集まる信託報酬

インデックスファンドに限らず、投資信託では純資産残高から一定割合の手数料が引かれています。
これは信託報酬と呼ばれる手数料で、書面作成費用や指数の利用料などを投資家がコスト負担する仕組みです。

インデックスファンドは、アクティブファンドに比べて低コストだと言われていて、最近は信託報酬が0.1~0.2%という超低コスト投資信託も誕生。
一般投資家がコントロールできるのはコストしかないとも言われていて、信託報酬に注がれる視線は年々厳しくなっています。

交付目論見書には、投資家が負担する信託報酬が開示されていて、純資産残高から引かれるカタチで間接的に支払っています。
支払われた手数料は、交付目論見書に開示された割合で委託会社(運用会社)、販売会社、受託会社(信託銀行)の3者に分配されます。

信託報酬は、使い道やその年率、分配割合までが開示されています。
これについては顧客本位がキチンと実現できていると言って良いでしょう。

いわゆるフィデューシャリー・デューティー(受託者の義務)ですね。


実質コストは運用報告書で確認

投資信託のコストを考える場合、実は信託報酬も含めた実質コストが重要だと言われています。
これは、運用報告書のなかで1万口当たりの費用明細として開示されています。

分類としては、以下の4つに分けられます。
  1. 信託報酬
  2. 売買委託手数料
  3. 有価証券取引税
  4. その他費用
信託報酬は、委託会社(運用会社)・販売会社・受託会社(信託銀行)の運用管理費用です。
その対価として提供される役務の内容は下記の通り。

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(引用元:eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 交付目論見書より一部抜粋)

売買委託手数料は、有価証券の売買時に証券会社に支払う手数料です。

有価証券取引税は、海外の保管機関に支払われる費用です。
海外株式などの場合、発生する可能性があります。

その他費用は、監査費用やその他事務処理にかかる諸経費です。

一覧にすると、こんな感じになります。
20180406_2
(引用元:eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 交付目論見書より一部抜粋)

実質コストは、年に1回の運用報告書でしか開示されないデータです。

そのため、設定から間もないファンドの場合は確認する術がありません


開示されない隠れたコスト

さて、ここまでのコストは書面で開示されているコストです。

実はこの他に、基準価額の変動要因にもなる隠れたコストがあるのだというのです。
三菱UFJ国際投信のブロガーミーティングで行われた懇親会で、とある方を5人くらいで囲みながら、そんな話を聞く機会がありました。

運用会社が委託した個別銘柄の注文を、証券会社が取引所に取り次いで売買をする場合、当然ながら手数料が発生します。
この場合の売買手数料は売買価格には含まれておらず、手数料は独立しているため、手数料の金額が明確となります。
個人投資家が株の売買をするときに、証券会社へ取引手数料を払うのと同じようなイメージです。

インデックス運用の売買では、複数の銘柄をひとまとめにして一括で売買するバスケット取引という形態もあるようです。
バスケット取引は複数銘柄をまとめた大型の売買で、運用会社と証券会社が相対で売買価格を決定するとのこと。この場合の手数料は売買価格に織り込まれいるとのこと。
ちなみに、インデックス運用ではバスケット取引にかかる手数料のほうが多いとのこと。

前者の手数料は、金額が明確ですし、実質コストとして開示するルールとなっています。
一方で後者の手数料は、金額が不明確なうえ、実質コストとして開示しなくて良いとのこと。
このあたりは国によってルールが違うようなのですが、日本ではそうなっているらしいです。


真のコストは闇の中

運用報告書に開示されている実質コストにも含まれない、隠れたコストの存在が分かりました。
これはつまり、実質コストは全てのコストを反映しているワケではないということになります。

となると、個人投資家には真のコストを正確に把握する術はありません。

基準価額には全てのコストが反映されているので、ベンチマークとなる指数との乖離具合から判断するしかなさそうです。

運用報告書で実質コストを調べても参考程度にしかならないというのは、なかなか衝撃的でした。
厳密に計算できないコストもあるのが現実ですが、何とならないものかと考えてしまいます。

フィデューシャリー・デューティーを日本に根付かせるためにも、投資信託のコスト開示については更に厳しいルールで運用すべきなのかもしれませんね。

(2018/4/30追記)
この記事を公開後、Twitterで運用会社の中の人にも拡散され、大きな反響がありました。
反響を踏まえて、改めてインデックスファンドのコストを考えた続編記事を書いています。
<関連記事:中の人の反応を踏まえてインデックスファンドのコストを再考(その1)
<関連記事:中の人の反応を踏まえてインデックスファンドのコストを再考(その2)


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コストの代表格である信託報酬は、引き下げられるに越したことはありませんよね。
<関連記事:eMAXIS Slim シリーズ 信託報酬引き下げの秘訣

個人投資家同士で刺激し合いながら、投資を長く続けていきたいと思っています。
<関連記事:個人投資家同士の繋がりを大切にしたいと思う


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