青井ノボルです。
「eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)に投資すべきか考える」の記事で、本ファンドは実質コストが高いのではと想像した、と書きました。
これは運用報告書が出てこないと比較できないことから、設定後1年以上経たないと判断ができない疑問です。
この解決には、時の流れを待つしかないとは理解しつつも、心の中にモヤモヤが残っていて。
自作版との実質コスト差の検証を、従来からのeMAXISシリーズで参考までにやってみました。
均等型はコスト高と想像した理由
今回の疑念は、全世界株式(3地域均等型)は自作版に比べて実質コストが高いのではと想像したことに端を発しています。
3資産均等型の運用をするファンドでは比率を一定に保つために、随時リバランスをする必要があるハズ。
リバランスのための売買コストが発生して、それが自作版と比較して実質コストを押し上げる要因になるのでは、と想像したのです。
なお、ここでいう自作版とは、全世界株式(3地域均等型)を構成する3つの資産クラス、具体的には国内株式・先進国株式・新興国株式の各ファンドに1/3ずつ投資することを指します。
類似ファンドで比較
eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)は、従来のeMAXISシリーズには無い新しいファンドです。
従来のeMAXISシリーズで全世界株式(3地域均等型)は存在していないワケです。
そこで、eMAXIS バランス(4資産均等型)を参考にして、自作版との実質コスト差を検証しました。
このファンドは、国内株式・先進国株式・国内債券・先進国債券に1/4ずつ投資しています。
各資産クラスへの投資比率を均等に保つという意味では、運用方法は似ているハズです。
eMAXISシリーズに、同じマザーファンドで運用している各ファンドがあるので、それを組み合わせた自作版と比較していきます。
類似ファンドで比較した結果
実際に比較してみます。
今回の比較対象は下記のとおり。
- eMAXIS バランス(4資産均等型)
- eMAXIS TOPIX インデックス
- eMAXIS 先進国株式 インデックス
- eMAXIS 国内債券 インデックス
- eMAXIS 先進国債券 インデックス
実質コストは、1年ごとに作成される運用報告書で確認することができます。
今回参照したのは、すべて2017年1月26日に決算した運用報告書です。
各コストは、小数点第4位を四捨五入したパーセンテージになっています。
信託報酬および実質コスト、自作版との差異を表にすると、下記の通りです。
eMAXIS バランス(4資産均等型)と自作版の実質コスト、その差はわずか0.00275ポイントです。
消化不良な結果に
実質コストがわずか0.00275ポイントの差に留まったという、今回の検証結果。
内訳をみると、保管費用の差が0.0015ポイントで、これが主な差異の要因と考えれれます。
保管費用とは、運用報告書によると、このような内容です。
有価証券等を海外で保管する場合、海外の保管機関に支払われる費用
ワタシが実質コストの差異になる得ると想像した「売買に係るコスト」とは異なるコストです。
なお、保管費用以外は0.001ポイント未満の差異であり、ほぼ誤算の範囲内と考えられます。
つまり、少なくとも今回の検証においては、実質コストの差は殆どありませんでした。
強いて言えば保管コストの差異が目立ちますが、その理由はよく分かりません。
ワタシの知識だけでは、残念ながら消化不良な結果となりました。
モヤモヤが残る
今回の検証の結果、「eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)の実質コストは自作版と比較して高い」と現時点では言い切れないと考えます。
この仮説については、想像の域を超えません。
モヤモヤが残ったまま、時の流れを待つしかないのでしょうか。
投資信託の勉強を重ねながら、少しずつ考えてみたいと思います。
■過去記事紹介■
eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)を活用した時価総額比率の全世界株式への投資を考えた記事です。
<参考記事:eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)に投資すべきか考える>
ワタシはeMAXIS Slimシリーズで全世界株式に投資することにしています。
<参考記事:全世界株式に投資するポートフォリオを考える>
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